Main contents


☆主なコンテンツ
1、新着論文 2、論文概説 3、コラム 4、本のレビュー 5、雑記(PC・研究関連)
6、気になった一文集(日本語English) 7、日記(日本語English

2013年3月2日土曜日

新着論文(Science#6123)

Science
VOL 339, ISSUE 6123, PAGES 1001-1112 (1 MARCH 2013)

Editors' Choice
Darwinian Genomics
ダーウィンの遺伝学
BMC Genomics 14, 95 (2013).
ガラパゴス島のフィンチのDNA分析に関して。

Bacterial Growth at –15ºC
-15℃でのバクテリアの成長
ISME J. 10.1038/ismej.2013.8 (2013).
永久凍土においては水がほぼ0℃に近いだけでなく、高塩分であるために生物が生活するのは一般に厳しいと考えられている。しかし、永久凍土に住む好気性の従属栄養生物であるPlanococcus halocryophilusにはそれが可能である。分裂の速度は遅いが、-15℃でも代謝を行うことができる。世界の土壌の大部分は永久凍土であるため、温暖化で彼らの活動も活発になる?

The Moon’s Indigenous Water
月に固有の水
Nat. Geosci. 10.1038/ngeo1735 (2013).
従来月は乾燥していると考えられてきたが、アポロ計画の際に採取された月の石の分析や、最近の衛星観測などから、月に水が存在することが明らかになりつつある。一部は太陽風や隕石によってもたらされたものであるが、一部はもともと月にあったものであるらしい。月の石の赤外線分析から、月が形成された頃に固化した地殻に既に水が含まれていたことが分かった。

News of the Week
Another Radiation Belt For Van Allen
ヴァン・アレン帯以外の放射帯
発見以来50年間ヴァン・アレン帯は二重構造であると考えられてきたが、NASAの人工衛星が3つ目の構造を発見した。

News & Analysis
U.S. Agencies Directed to Make Research Papers Available
アメリカの機関が研究論文を利用可能にするよう指示
Jocelyn Kaiser
アメリカ科学技術政策局は研究結果が科学雑誌に掲載後12ヶ月以内に無料でアクセス可能にするように機関に求めた。

News Focus
Cooling a Hot Zone
ホット・ゾーンを冷やす
Dennis Normile
福島第一原発の事故から2年後、避難者はまだ家には帰れていないが、日本は新たな除染手段を模索している。

Astronomers Lend Know-How to Cleanup
天文学者がどのようにして除染を行うかのノウハウを貸す
Dennis Normile
福島第一原発の放射能の除染は天文学者という、予期せぬものからの助けを借りている。

Pollutants Capture the High Ground in the Himalayas
汚染物質がヒマラヤの高地を捕える
Jane Qiu
ヒマラヤの高い頂は手つかずのままだと思われていたが、塵とススが氷河の後退を加速させており、モンスーンのパターンをも変えるかもしれない。

Policy Forum
Legal Trade of Africa's Rhino Horns
アフリカのサイの角の合法貿易
Duan Biggs, Franck Courchamp, Rowan Martin, and Hugh P. Possingham
貿易の禁止は供給を抑え、価格の高騰と闇市場における取引を加速するだろう。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
Research
Perspectives
Leads and Lags at the End of the Last Ice Age
最終氷期の終わりのリードとラグ
Edward J. Brook
近年「最終退氷期においては南極の温暖化がCO2濃度の上昇に数百年先行している」という報告がなされていたが、新たな研究は時間的なラグがほとんどないことを示している。

Reports
A Black Hole Nova Obscured by an Inner Disk Torus
J. M. Corral-Santana, J. Casares, T. Muñoz-Darias, P. Rodríguez-Gil, T. Shahbaz, M. A. P. Torres, C. Zurita, and A. A. Tyndall

Synchronous Change of Atmospheric CO2 and Antarctic Temperature During the Last Deglacial Warming
最終退氷期の大気中のCO2濃度と南極気温との同時変化
F. Parrenin, V. Masson-Delmotte, P. Köhler, D. Raynaud, D. Paillard, J. Schwander, C. Barbante, A. Landais, A. Wegner, and J. Jouzel
南極のアイスコアの年代モデルの見直しから、南極の気温上昇と大気中CO2濃度の上昇に時間的なラグがほとんどないことが示された。

Genomic Diversity and Evolution of the Head Crest in the Rock Pigeon
カワラバトのトサカの遺伝的多様性と進化
Michael D. Shapiro et al.
非常に多様であらゆる地域に生息するカワラバト(Columba livia)の起源や交配などはよく分かっていない。

Technical Comments
>問題の論文
Lethally Hot Temperatures During the Early Triassic Greenhouse
ジュラ紀初期の温室状態における脅威的な高温
Yadong Sun, Michael M. Joachimski, Paul B. Wignall, Chunbo Yan, Yanlong Chen, Haishui Jiang, Lina Wang, Xulong Lai

Comment on "Lethally Hot Temperatures During the Early Triassic Greenhouse"
N. Goudemand, C. Romano, A. Brayard, P. A. Hochuli, and H. Bucher
Sun et al. (2012, Science)はペルム紀から三畳紀にかけての大量絶滅は「熱帯域の温暖化」が原因であるとしているが、彼らの主張の元になっているデータの時間的な位置を変えるとその主張は支持されない。

Response to Comment on "Lethally Hot Temperatures During the Early Triassic Greenhouse"
Yadong Sun, Michael M. Joachimski, Paul B. Wignall, Chunbo Yan, Yanlong Chen, Haishui Jiang, Lina Wang, and Xulong Lai
Goudemand et al.はアンモナイト-コノドントの相関仮説のもとで、我々の得た結果を否定する主張を行っているが、その根も歯もない相関について議論する。