Nature Climate Change
Volume 3 Number 3 (March 2013)
Editorial
What are we thinking?
私たちは何を考えている?
Nature Climate Change誌が多くの質の良い投稿を引きつけることに成功したことは、発行のための基準がより厳しいものになることを意味する。
Correspondence
Is there memory in precipitation?
降水の記憶はあるのか?
Armin Bunde, Ulf Büntgen, Josef Ludescher, Jürg Luterbacher & Hans von Storch
気象観測による降水記録はせいぜい20世紀以降のものしか残っていない。それ以前の例えば過去1,000年間の降水を知るには、間接指標やモデルシミュレーションに頼るより他ない。ただしそれらは本当に一致しているだろうか?
News Feature
Eco-fashion hits the high street
エコ・ファッションが大通りでヒットする
Elisabeth Jeffries
リサイクルされたペットボトルや食品産業から出てきた副産物を含んだ服飾がショッピングモールで新たな選択肢の一つになっているが、環境への恩恵はそれほど大きくはないかもしれない。
Interview
Waves on the horizon
起こりかけの波
最近の日本とインド洋の出来事を受けて、世界が地震によって起きる津波の危険性に警戒している。現在専門家は稀に起きる水面下の地滑りのメカニズムと気候変動がその発生頻度に影響するかどうかを理解しようと努めている。Peter Tallingへのインタビュー。
Policy Watch
Help for innovators
先駆者への手助け
「政策決定者は企業が資源利用効率が優れた商品を開発することに付加価値を与えてやる必要がある」とSonja van Renssenは説明する。
Research Highlights
Shifting westerly winds
シフトする偏西風
Science http://doi.org/kfp(2013)
南半球の偏西風は特に南半球の秋(北半球の春)に極側にシフトしつつあることが知られている。その原因を究明すべく、観測データの解析を行ったところ、温暖化よりもむしろ南極の成層圏のオゾン濃度が減少していることが原因であることが示された。
>問題の論文
Detecting Ozone- and Greenhouse Gas–Driven Wind Trends with Observational Data
観測記録からオゾンと温室効果ガスによって駆動される風の傾向を検出する
Sukyoung Lee and Steven B. Feldstein
モデル研究から南極のオゾン濃度が低下し、温室効果ガス濃度が増加すると、南半球の夏における偏西風が極側へわずかにシフトすることが示されている。しかし観測からそれら2つの効果を分けて見積もることは従来難しいと考えられていた。観測記録の解析から7日、11日の風のクラスターが見つかり、それぞれモデル研究で示されているオゾンと温室効果ガスの影響と類似している。さらにクラスターの周期解析から、オゾンの影響が温室効果ガスの影響に比べて2倍程度であることが示された。さらに温室効果ガスの影響には熱帯域の対流が大きく寄与している可能性が示された。
Global freight emissions
全球の貨物輸送による排出
World Econ. http://doi.org/kfq (2013)
国際貨物輸送と旅客輸送に伴うCO2排出は2001年には全体の5%をしているに過ぎなかったが、現在では増加傾向にある。スイスの研究者が今後の国際貿易や気候ポリシーに基づいて将来のCO2排出を予測したところ、もし気候ポリシーなしに世界各国が国際貿易を自由化したら、世界の排出量の増加のうち半分は貨物輸送が担うであろうことが示された。豊かな国にのみ炭素税が導入された場合のシナリオでも、貨物輸送の排出は11.6%は増加することが示された。
Black carbon punch
ブラック・カーボンのパンチ
J. Geophys. Res. http://dx.doi.org/10.1002/ jgrd.50171 (2013)
ブラック・カーボン(スス)は化石燃料・バイオ燃料の不完全燃焼によって大気に放出される微粒子を意味し、主に輸送・産業活動・日々の暮らしが放出源となっている。これまでで最も総括的な、30人の専門家による研究から、ブラック・カーボンが温暖化に寄与している割合が従来考えていたよりも2倍ほど大きく、CO2に次ぐ影響を及ぼしていることが示された。
ブラック・カーボンとともに放出される汚染物質が気候への影響を複雑にしており、削減政策の結果を見極めることを難しくしている。ただし、中にはディーゼル車の使用、木・石炭の燃焼など、短期間の温暖化削減に効果的と思われる排出源もあり、さらにその削減が人々の健康改善にも繋がると考えられるものもある。
>問題の論文
Bounding the role of black carbon in the climate system: A scientific assessment
T. C. Bond et al.
Lakes of Greenland
グリーンランドの湖
The Cryosphere 7, 201–204 (2013)
ここ20年間グリーンランド氷床は温暖化を経験しつつあり、緩衝帯(雪氷の蓄積・除去が釣り合うところ)の高度が徐々に増しつつある(氷河が後退しつつある)。アメリカの研究グループが1972-2012年の人工衛星観測記録からグリーンランドの氷河湖の位置の変化を分析したところ、湖の位置はおおよそ緩衝帯の位置とともに移動していることが示された。
Corporate political action
一体化した政治行動
Energy Policy http://doi.org/kfm (2013)
企業は気候変動ポリシーに対して大きな力を有している。企業が協力するか、或いは反対するかを決める要因を特定することは施策のデザインに必要不可欠である。
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Research
News and Views
Plastic plankton prosper
影響されやすいプランクトンの成功
David Hutchins
植物プランクトンは海洋の食物網の大部分を支えているが、それらの種間の多様性については分かっていないことが多い。CO2濃度が増加した環境下(海洋酸性化)では強い種が弱い種を淘汰するであろうことが示された。
Limits on carbon uptake by plants
植物による炭素固定の限界
Pamela H. Templer
大気中のCO2濃度の増加が草原地帯の植物の光合成を活発化させると考えられているが、それは長期的には土壌中の窒素の利用可能な量に制約されることが示された。
Review
Greenhouse-gas emissions from soils increased by earthworms
ミミズによって土壌からの温室効果ガスの排出が増加する
Ingrid M. Lubbers, Kees Jan van Groenigen, Steven J. Fonte, Johan Six, Lijbert Brussaard & Jan Willem van Groenigen
ミミズは土壌中の温室効果ガスのバランスに大きな役割を負っていると考えられるが、その活動が吸収・排出のどちらに寄与するかはよく分かっていない。土壌の肥沃化という意味でそれらは恩恵を与えるが、総じて温室効果ガスの排出を増加させる傾向があることをレビューする。
The impact of lower sea-ice extent on Arctic greenhouse-gas exchange
より少ない海氷範囲が北極の温室効果ガス交換に与える影響
Frans-Jan W. Parmentier, Torben R. Christensen, Lise Lotte Sørensen, Søren Rysgaard, A. David McGuire, Paul A. Miller & Donald A. Walker
2012年9月に北極の海氷範囲は記録的な減少を示し、1979-2000年平均の半分にまで減少した。海氷減少は人為起源の気候変動の結果と考えられているものの、それが大気-海洋間の温室効果ガスの交換にどのような影響をもたらすかについてはよく分かっていない。多くの研究が陸・海洋・大気の相互作用を見落としている。このレビュー論文では、現在の北極圏や高緯度の生態系に関する知識が、海氷後退が温室効果ガスの交換にどのような影響を与えるかの予測にどれほど役立つかについて評価する。
Letters
Climate change may cause severe loss in the economic value of European forest land
気候変動がヨーロッパの森林の経済的な価値をひどく減少させるかもしれない
Marc Hanewinkel, Dominik A. Cullmann, Mart-Jan Schelhaas, Gert-Jan Nabuurs & Niklaus E. Zimmermann
ヨーロッパの森林は気候変動によって植物種の分布が変化するという危険に曝されている。これまで生態系に対する影響ばかりが注目されてきたが、新たな研究は予想される温度・降水の変化が経済的にも有用な植物種にも影響を与え、森林の経済的な価値をも下げることを示している。
Mitigation of nitrous oxide emissions from soils by Bradyrhizobium japonicum inoculation
Bradyrhizobium japonicumの予防接種によって緩和される窒素酸化物排出
Manabu Itakura, Yoshitaka Uchida, Hiroko Akiyama, Yuko Takada Hoshino, Yumi Shimomura, Sho Morimoto, Kanako Tago, Yong Wang, Chihiro Hayakawa, Yusuke Uetake, Cristina Sánchez, Shima Eda, Masahito Hayatsu & Kiwamu Minamisawa
大豆は土壌中の窒素固定を担うBradyrhizobium japonicumと共生しており、温室効果ガスである窒素酸化物を放出している。農地スケールでのB. japonicumの予防接種は大豆生態系全体としては窒素酸化物還元酵素を活性化させ、窒素酸化物の放出量を抑える働きがあることが示された。
Hydroclimatic shifts driven by human water use for food and energy production
人類の食料とエネルギー生産のための水利用によって引き起こされる水気候のシフト
Georgia Destouni, Fernando Jaramillo & Carmen Prieto
スウェーデンにおける21世紀の灌漑や森林破壊、水力発電が地域的な蒸発散に与えた影響を評価した。灌漑を行わない農業は河川流量の変動を増加させ、逆に水力発電は変動を減少させていることが分かった。
Water-quality impacts from climate-induced forest die-off
気候が原因の森林の枯死による水質への影響
Kristin M. Mikkelson, Eric R. V. Dickenson, Reed M. Maxwell, John E. McCray & Jonathan O. Sharp
気候変動が虫の個体数に影響し、それがさらに木々の死亡率にも影響することが知られている。コロラド州の水質調査から、甲虫が群がる森林から流れる水は、影響を受けていない森林の水よりも、有害な殺虫剤の濃度や全有機炭素量が高いことが示された。
Drought alters the structure and functioning of complex food webs
干ばつが複雑な食物網の構造と機能を変える
Mark E. Ledger, Lee E. Brown, François K. Edwards, Alexander M. Milner & Guy Woodward
気候変動によって起きる厳しい干ばつは河川生態系にも大きな影響を与えると考えられる。干ばつが種数や種間の相互作用を大きく失わせ、食物網の崩壊に繋がることが示された。
Food-chain length alters community responses to global change in aquatic systems
食物連鎖の長さが全球変動に対する水生態系コミュニティーの応答を変える
Lars-Anders Hansson, Alice Nicolle, Wilhelm Granéli, Per Hallgren, Emma Kritzberg, Anders Persson, Jessica Björk, P. Anders Nilsson & Christer Brönmark
将来の水生態系は気候変動のような大規模な環境変化と、地域的な腐食酸の流入などによって相乗的に影響を被ると考えられる。新たな研究から、コミュニティーとしての応答は食物連鎖の長さによって決定されること、さらに気候変動によって上位捕食者は恩恵を被るが、上部と下部の間の栄養段階(trophic level)は苦しむことであろうことが示唆される。
Predicted habitat shifts of Pacific top predators in a changing climate
変動する気候の中で予測される太平洋の上位捕食者の生息地の変化
Elliott L. Hazen, Salvador Jorgensen, Ryan R. Rykaczewski, Steven J. Bograd, David G. Foley, Ian D. Jonsen, Scott A. Shaffer, John P. Dunne, Daniel P. Costa, Larry B. Crowder & Barbara A. Block
気候変動の結果、2100年までに海洋表層水温は1〜6℃上昇すると考えられている。温度変化が海洋の上位捕食者の生息地の変化にどのように影響するかを北太平洋において評価したところ、タグを付けた23種の海洋生物のうち、35%が生息地を変化させる可能性が指摘される。また生物多様性の中心がより北上する可能性も示された。
Focus on poleward shifts in species' distribution underestimates the fingerprint of climate change
生物種の極側へのシフトへの注目は気候変動の証拠を低く見積もる
Jeremy VanDerWal, Helen T. Murphy, Alex S. Kutt, Genevieve C. Perkins, Brooke L. Bateman, Justin J. Perry & April E. Reside
全球温度の上昇とともに、生物種は極側にシフトすることが予測されている。オーストラリアの鳥の分布の歴史的変化に基づいた研究から、極側へのシフトが考慮された場合、気候変動の証拠は温帯域で26%、熱帯域で95%低く見積もられてしまうことが示された。
Evolutionary response of the egg hatching date of a herbivorous insect under climate change
気候変動のもとでの植物を食べる昆虫の卵が孵る時期の進化的な応答
Margriet van Asch, Lucia Salis, Leonard J. M. Holleman, Bart van Lith & Marcel E. Visser
急速に進行する気候変動に対して、生物種はうまく適応できない可能性が指摘されている。過去15年間にわたって行われた観測から、とある蛾の卵が孵る時期はモデル予測と同じ早さで変化しており、予測される気候変動の早さについていっていることが示された。
Climate-change impacts on understorey bamboo species and giant pandas in China’s Qinling Mountains
気候変動が中国の省秦嶺山の低木の竹とジャイアントパンダに与える影響
Mao-Ning Tuanmu, Andrés Viña, Julie A. Winkler, Yu Li, Weihua Xu, Zhiyun Ouyang & Jianguo Liu
低木の植物は森林生態系で重要な役割を負っているものの、気候変動に対する感度はよく分かっていない。21世紀を通して中国の省秦嶺(Qinling)山の3種の支配的な竹の分布域が(気候変動が原因で)減少していることが示された。同地のパンダの食事の大部分を担っているため、影響が危ぶまれる。
※シロクマさんと同じく、パンダさんも危ないんだということで、気候変動のアウトリーチに使えそうですね。
Shrinking of fishes exacerbates impacts of global ocean changes on marine ecosystems
魚が小さくなることが気候変動が海洋生態系に与える影響を悪化させる
William W. L. Cheung, Jorge L. Sarmiento, John Dunne, Thomas L. Frölicher, Vicky W. Y. Lam, M. L. Deng Palomares, Reg Watson & Daniel Pauly
気候変動の結果起きる、海水の酸素濃度や温度の変化が魚の生理学にも影響すると考えられている。600種の魚に対する数値モデルを用いた研究から、温室効果ガス排出が大きいシナリオの下では、魚の重量が2050年までに次第に小さくなること(14 - 24 %)が示された。半分は生息地や個体数の変化、他には生理学的な変化が原因とされている。
Excess algal symbionts increase the susceptibility of reef corals to bleaching
過剰の藻類共生が造礁サンゴの白化に対する脆弱性を大きくする
Ross Cunning & Andrew C. Baker
気候変動に伴う海水温の上昇が世界中でサンゴの大量の白化現象を招いている。サンゴの白化に対する脆弱性を弱める遺伝的・環境的要因を特定することで、サンゴ礁を保護するための方策の助けとなるかもしれない。ハナヤイシサンゴ(Pocillopora damicornis)の共生褐虫藻密度が大きいほど、白化現象に対して弱いことが分かった。従来考えられてきたのとは逆で、褐虫藻密度が高くても熱ストレスは緩和されないということになる。また、富栄養化などによって褐虫藻密度が増加することで、さらなる白化現象へと繋がる可能性がある。
Long-term responses of North Atlantic calcifying plankton to climate change
北大西洋の石灰化プランクトンの気候変動に対する長期的な応答
Gregory Beaugrand, Abigail McQuatters-Gollop, Martin Edwards & Eric Goberville
海洋酸性化が石灰化を行うプランクトンにも悪影響をもたらすものと考えられている。1960年〜2009年にかけての北大西洋における観測から、プランクトンのコミュニティーの変化は海洋酸性化よりもむしろ温度変化が支配的であることが示された。温度が上昇し始める1996年頃を境に、様々な種で大きなシフトが確認された。種の中にはより極側に移動したものもいる。海洋酸性化も影響を与えていると思われるものの、今回確認された現象はほとんどが温度変化によるものであった。
Dolomite-rich coralline algae in reefs resist dissolution in acidified conditions
ドロマイトに富んだサンゴ礁の石灰藻は酸性化した状態でも溶解に耐える
M. C. Nash, B. N. Opdyke, U. Troitzsch, B. D. Russell, W. H. Adey, A. Kato, G. Diaz-Pulido, C. Brent, M. Gardner, J. Prichard & D. I. Kline
サンゴの表面を硬く覆う石灰化藻類(Porolithon onkodes、P. pachydermumなど)は多くの生態系を支えるサンゴ礁の物理構造をより強固なものにしている。そうした石灰化藻類が海洋酸性化に対してどれほど強いのか/弱いのかが関心を集めている。特に高Mgカルサイトの骨格を作るサンゴが酸性化に弱いことが示されていることから、同じく高Mgカルサイトの骨格を持つ石灰藻も酸性化に弱い可能性が指摘されている。
pCO2を700ppmにまで上げた溶解実験から、ドロマイトに富んだ石灰藻は高Mgカルサイトが支配的な石灰藻よりも6〜10倍ほど酸性化に強いことが示された。ドロマイトに富んだ石灰藻は浅いサンゴ礁生態系に広く分布しているため、サンゴ礁の保護に寄与すると考えられる。
Biogeochemical plant–soil microbe feedback in response to climate warming in peatlands
泥炭地の温暖化に応答する生物地球化学的な植物-土壌微生物フィードバック
Luca Bragazza, Julien Parisod, Alexandre Buttler & Richard D. Bardgett
泥炭地は重要な炭素の吸収源の一つであるが、温暖化でどのような影響を受けるかはよく分かっていない。気候変動が植生や土壌水分量などに影響し、結果として泥炭地のフィードバックがどのように働くかを考察。
Decade-long soil nitrogen constraint on the CO2 fertilization of plant biomass
植物バイオマスに対するCO2肥沃の土壌窒素の十年間の制約
Peter B. Reich & Sarah E. Hobbie
大気中のCO2濃度の増加によって植物の成長が促進し、気候変動に対する負のフィードバックとして働くことが期待されている。13年間にわたって草原地帯で行われた野外調査から、窒素がCO2肥沃を強く制限していることが分かった。そうした相互作用はまだモデルには組み込まれていないものである。
Carbon emissions from forest conversion by Kalimantan oil palm plantations
カリマンタン島のパーム油プランテーションによる森林改変から排出される炭素
Kimberly M. Carlson, Lisa M. Curran, Gregory P. Asner, Alice McDonald Pittman, Simon N. Trigg & J. Marion Adeney
インドネシアにおいてはパーム油のプランテーションが年々拡大している。しかしながら森林が多く種類も豊富なインドネシアにおいてプランテーションが炭素収支に与える影響を評価することは難しい。リモセンによる土地利用変化のデータと地上のフラックス観測とを組み合わせることで、1990年〜2010年におけるカリマンタン島の炭素フラックスを見積もった。さらに将来どうなるかを予測したところ、2020年には、インドネシアのCO2排出のうち、18 - 22 %をプランテーションが担うことが示された。
Increased greenhouse-gas intensity of rice production under future atmospheric conditions
将来の大気状態のもとでの米生産による増加した温室効果ガス強度
Kees Jan van Groenigen, Chris van Kessel & Bruce A. Hungate
世界で2番目に食される重要作物である米の生産は、温室効果ガスであるメタンの世界最大の人為的な放出源となっている。CO2の増加と温暖化によって米生産によるメタン放出が強化されることが示された。21世紀末にはメタンの放出量は2倍程度になる可能性がある。そのため、米の生産量を最適化する必要がある。
Articles
Temperature as a potent driver of regional forest drought stress and tree mortality
地域的な森林の干ばつストレスと木の死亡率の強力な駆動要因としての温度
A. Park Williams, Craig D. Allen, Alison K. Macalady, Daniel Griffin, Connie A. Woodhouse, David M. Meko, Thomas W. Swetnam, Sara A. Rauscher, Richard Seager, Henri D. Grissino-Mayer, Jeffrey S. Dean, Edward R. Cook, Chandana Gangodagamage, Michael Cai & Nate G. McDowell
全球的な気候変動の結果、干ばつが森林の生産力を低下させ、生存率を低くする可能性があるが、その他の気候要因にも影響されるため、その相対的な影響はよく分かっていない。アメリカ南西部の木の年輪から干ばつストレスの指数を作成したところ、水に制限された森林では、蒸発や降水が森全体としての総合的な活動度の指標になることが示された。
Variation in plastic responses of a globally distributed picoplankton species to ocean acidification
全球に分布するピコプランクトン種の海洋酸性化に対する可塑的応答のバリエーション
Elisa Schaum, Björn Rost, Andrew J. Millar & Sinéad Collins
海洋のピコプランクトン(Ostreococcus)の海洋酸性化に対する応答について。