ブログを解説してからおおよそ1年が経過しました。
ブログをはじめようと思ったきっかけは主に3つありました。
1、自分のために文章を書く必要性を感じていたこと。
今後の研究者人生にとっても、モノを論理的に書くことのスキルを磨く必要性を強く感じていました。北大名誉教授の角皆先生にも強く影響されています。
>角皆静男先生のHP
泥臭く、「ノートに鉛筆で書き込むこと」が僕にとっては記憶の定着に最も効果的なのですが、疲れるし、ノートはかさばるし、あまり現実的ではありません。
だからこそPCで文章をこさえているわけなのですが、たとえそれがキーボードで楽して打ち込んだものであったとしても、ある一定の文章にまとめることは記憶の定着にはとても効果的だと考えています。
To know is one thing, to teach is another.
という言葉にも表されるように、「自分が理解できていない限り、人に伝えることを目的とした文章は書けない」、つまりはそういうことです。
また、たとえ英語の和訳に過ぎなくても、1年間継続したことで、英語力がついたことを実感しています。逆に英語表現そのものが僕にとっては面白かったりするわけなんですけどね…(中・高ともに社会が苦手で、英語・理科が好きだった)
2、気候変動関連の話題が学会・海外のメディア(日本のメディアは含みません)を賑わす昨今において、アウトリーチを行わないことに対して、いささかの疑問(違和感、背徳心)を感じたこと。
それは地震学者や火山学者が将来の危険を発信することと何ら違いはないと考えています。
逆に言えば、気候変動ほど、社会経済や人類存亡に重大な影響力を持つものは巨大隕石衝突や核戦争以外に’今は’ないとも考えています。
また、たとえ研究者でなくとも、気候変動の話題は気にするだろうと勝手に感じています。だからこそ英語ではなく日本語で、情報発信できる場が必要だと思いました。
(一応日本学術振興会の特別研究員の手引きにも「アウトリーチ活動に努めること」と明記されています。それを実践している人はほとんどいないのが現実ですが)
3、自分の名を世に知らしめる必要性。
一般に研究者ほど栄利欲や自己顕示欲の強い人種はいないと言われますが、僕自身はたいした実績も有していないので、今後の研究者人生を生き抜く上でも、まずは自分の存在感を示すことの必要性を感じていました。
同じ研究室には東京大学理学部総代表さえも’多数’いるわけですが、ちゃらんぽらんに学部・修士時代を生きてきた自分には「人に誇れるほどの肩書き」や「他人に自慢できる資格」などはありません。
「著名な○○科学雑誌に主著で論文を載せた」という研究者にとって最も分かりやすい自己主張ができる実績もまだありません。
そうした中、誰でもアクセスできるブログで、多くの人に役に立つであろう情報を発信することで、自分という存在を知ってもらうきっかけ作りになればという下心があったわけです。
現に、多くの同業の研究者の方々にお褒め・激励の言葉をいただいています。
それらは僕にとって大きな励みになっていることは間違いないです。
余談ですが、似た地球科学の研究者で「窪川かおる」さんという方がいらっしゃって、よく紛らわしいと言われます。
いずれにせよ、同姓同名が少ないというのは研究者にとっては何よりも有り難いことです。
ただし「KUBOTA」も「KAORU」も海外の研究者にとって発音しにくいし、覚えにくいことは不利なことだと思うので、何かインパクトのあるミドルネーム或いはニックネームを考案中です(個人的には'Beer'か'K')。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
少なくともあと1年は今の形でがしがしブログを更新したいと考えていますが、そのうちやる気のある後輩に譲るかもしれません。
今ほど(勉強する)時間を持て余すことも今後ないはずなので。。
もともとは「よく分かっていない後輩に任せるよりも、自分でやったろう」というのが新着論文をまとめ始めたきっかけでした。
自分自身あまり想像していなかったことに、今は土日に休む必要も感じないほどにどっぷり科学(僕の場合は地球科学)の面白さに浸かっており、時間はかかりますが、新着論文をまとめることにもそれほど苦を感じていません。
毎週月曜に週間少年JUMPを待ち遠しく思うのと同じような感覚です。
ただ、今のスタイルは持続可能ではないと実感しています。いずれスタイルを変える必要に迫られるでしょうね。。
最後になりましたが、ブログ開設から1年を経ての決意表明としては、このブログを通して、
気候変動の危険性を理解してもらいたい
地球環境問題に対してもっと意識を向けてもらいたい
一般の人にも地球システム・生態系の奥深さ・面白さを知ってもらいたい
後輩諸君に地球科学に興味を持ってもらいたい
など、これからも伝えていけたらいいな〜とぼんやりと考えています。
Twitterでも情報を垂れ流しているので、もし良かったらフォローしてください。@kaoryu