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1、新着論文 2、論文概説 3、コラム 4、本のレビュー 5、雑記(PC・研究関連)
6、気になった一文集(日本語English) 7、日記(日本語English) おまけTwilog

2012年7月29日日曜日

新着論文(GBC, PO)

Global Biogeochemical Cycles
23 July 2012 - 29 July 2012
CO2 semiannual oscillation in the middle troposphere and at the surface
Jiang, X., M. T. Chahine, Q. Li, M. Liang, E. T. Olsen, L. L. Chen, J. Wang, and Y. L. Yung
対流圏中層と表層において二酸化炭素濃度の準-年変動が見られた。化学輸送モデルを用いて変動の要因を調べたところ、表層の二酸化炭素濃度がシグナルの原因で、生物圏と大気との二酸化炭素交換が大元の原因であることが分かった。モデルによるシミュレーション結果と航空観測によって得られた熱帯域の対流圏中層の二酸化炭素濃度とは良い一致を見せた。
Jiang et al. (2012)を改変。
様々な緯度において得られた大気中の二酸化炭素濃度の年変動。赤い点は航空機による観測。様々な色の線はモデルによるシミュレーション結果を表す。
Jiang et al. (2012)を改変。
赤:観測値、青:モデルによるシミュレーション結果。特に北半球の高緯度で年変動が顕著であることが分かる。逆に南半球はほとんど年変動が見られない。


Paleoceanography
23 July 2012 - 29 July 2012
Response of the North American monsoon to regional changes in ocean surface temperature
Barron, J. A., S. E. Metcalfe, and J. A. Addison
先行研究のモデルシミュレーションと間接指標の記録から、8ka頃から北アメリカモンスーンが7−9月に起きることが知られており、原因は北半球の日射量の変化であると考えられている。カリフォルニア沖で採取された堆積物コアから復元されたSSTは8ka頃までは低く、湿度を北アメリカモンスーン地域にもたらすほどの影響力を持っていなかった。またバハ・カリフォルニアの湧昇は7.5ka頃から強化されており、この頃から気候レジームが変化したことを示唆している。アメリカ南西部の降水の指標(湖、植生・花粉、鍾乳石)はこの仮説を支持している。
Barron et al. (2012)を改変。
北アメリカモンスーン(North American Monsoon)地域の気候。ピンクの部分がモンスーンによる影響を強く受ける地域。水蒸気はメキシコ湾とカリフォルニア湾の両方からもたらされている。