Volumes 320–321, Pages 1-156 (6 August 2012)
Recent massive coral mortality events in the South China Sea: Was global warming and ENSO variability responsible?
Kefu Yu, Jian-xin Zhao, Qi Shi, Gilbert J. Price
南シナ海の死んだハマサンゴのU/Th年代測定からハマサンゴの過去の死亡率を推定。ENSOとPDOによる暖かい時期に死亡率は上昇。また近年(特に1970年以降)死亡率は上昇傾向にあるが、温暖化が原因か。
CO2 evasion from the Greenland Ice Sheet: A new carbon-climate feedback
Jong-Sik Ryu, Andrew D. Jacobson
グリーンランド氷床の融水から放出される二酸化炭素を定量(大気の二酸化炭素分圧に比べ30倍も過飽和状態らしい)。75%は風化の過程で海へHCO3-として流入し、残りの25%が大気に放出されている。温暖化とともに氷床が融解し、二酸化炭素放出も強化されると考えられるが、最悪のシナリオでは現在の1000倍の量の二酸化炭素が放出されることになる。この量はツンドラから放出されると考えられている量の25%に相当し、この正のフィードバックが重要であることを物語っている。
Recent massive coral mortality events in the South China Sea: Was global warming and ENSO variability responsible?
Kefu Yu, Jian-xin Zhao, Qi Shi, Gilbert J. Price
南シナ海の死んだハマサンゴのU/Th年代測定からハマサンゴの過去の死亡率を推定。ENSOとPDOによる暖かい時期に死亡率は上昇。また近年(特に1970年以降)死亡率は上昇傾向にあるが、温暖化が原因か。
Jong-Sik Ryu, Andrew D. Jacobson
グリーンランド氷床の融水から放出される二酸化炭素を定量(大気の二酸化炭素分圧に比べ30倍も過飽和状態らしい)。75%は風化の過程で海へHCO3-として流入し、残りの25%が大気に放出されている。温暖化とともに氷床が融解し、二酸化炭素放出も強化されると考えられるが、最悪のシナリオでは現在の1000倍の量の二酸化炭素が放出されることになる。この量はツンドラから放出されると考えられている量の25%に相当し、この正のフィードバックが重要であることを物語っている。
Volumes 346–347, Pages 1-152 (15 August 2012)
Episodic eolian deposition in the past ca. 50,000 years in the Alto Ilo dune field, southern Peru
Ana Cristina Londoño, Steven L. Forman, Timothy Eichler, James Pierson
ペルーに広がる砂丘の過去55kaの堆積史(風成塵、古土壌、土石流)を復元。年代はOSL法により求めている。風成塵は海水準の低下が原因か。古土壌の形成は環境が湿潤になっていたことを物語っている。土石流はENSOに伴う大雨が原因か。特に18-13kaに土壌形成が活発化しており、Central Andean Pluvial Eventの時期に相当することから、この時期が一般に湿潤であったことが示唆される。
Shoaling of the western equatorial Pacific thermocline during the last glacial maximum inferred from multispecies temperature reconstruction of planktonic foraminifera
Takuya Sagawa, Yusuke Yokoyama, Minoru Ikehara, Michinobu Kuwae
堆積物コア中の7種の浮遊性有孔虫のMg/Ca、d18Oを測定し、過去25kaのWPWPの特に温度躍層の変動を復元。LGMに温度躍層下部が表層に比べて1-2℃低くなっており、温度躍層が浅くなっていたことが示唆される。またLGMにWPWPにおける蒸発は抑制されており、ウォーカー循環を弱めていた可能性がある。
Dwarfing of ostracodes during the Paleocene–Eocene Thermal Maximum at DSDP Site 401 (Bay of Biscay, North Atlantic) and its implication for changes in organic carbon cycle in deep-sea benthic ecosystem
Tatsuhiko Yamaguchi, Richard D. Norris, André Bornemann
PETMの時には深層水の温暖化によって底性有孔虫の体長が低下し、生物生産性と代謝、食料消費率は増加したと考えられているが、新たに得られた貝形虫の体長もまたPETMの時に低下していることが分かった。底性有孔虫を介した炭素循環は強化されていたことが示唆されているが、貝形虫の場合は寿命は縮まっていた?PETMでは異なる生物が異なる応答をしていたことが示唆される。
Tatsuhiko Yamaguchi, Richard D. Norris, André Bornemann
PETMの時には深層水の温暖化によって底性有孔虫の体長が低下し、生物生産性と代謝、食料消費率は増加したと考えられているが、新たに得られた貝形虫の体長もまたPETMの時に低下していることが分かった。底性有孔虫を介した炭素循環は強化されていたことが示唆されているが、貝形虫の場合は寿命は縮まっていた?PETMでは異なる生物が異なる応答をしていたことが示唆される。