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1、新着論文 2、論文概説 3、コラム 4、本のレビュー 5、雑記(PC・研究関連)
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2012年3月12日月曜日

新着論文(GBC)

Global Biogeochemical Cycles
27 SEP 2011-10 MAR 2012
たまっていたものを消化。

Changes in South Pacific anthropogenic carbon
Waters, J. F., F. J. Millero, and C. L. Sabine
Global Biogeochem. Cycles, 25, GB4011, doi:10.1029/2010GB003988

南太平洋のWOCEの測線(P18とP06)の海水炭酸系の人為起源の二酸化炭素の与える影響の評価。数10年の変動では考えられないpHの低下は海洋酸性化の影響と考えられる。結果はP16のものと概ね整合的だが、P18のほうがやや大きい影響が見られる。pHの低下の割合はHOTによるハワイ周辺の結果と整合的。

Subsurface tropical Pacific nitrogen isotopic composition of nitrate: Biogeochemical signals and their transport
Rafter, P. A., D. M. Sigman, C. D. Charles, J. Kaiser, and G. H. Haug
Global Biogeochem. Cycles, 26, GB1003, doi:10.1029/2010GB003979
赤道太平洋の海洋表層水の硝酸のδ15Nの測定結果について。測定結果を説明するためには(1)高緯度を起源とする水塊(AAMW)とEEPにおける脱窒を経験した水塊が混合すること、(2)深さ方向に栄養塩濃度が上昇することが必要らしい。
南太平洋西部の中層水がSouthern Subsurface Counter Current (SSCC)によって運ばれた?

Identification and characterization of abrupt changes in the land uptake of carbon
Beaulieu, C., J. L. Sarmiento, S. E. Mikaloff Fletcher, J. Chen, and D. Medvigy
Global Biogeochem. Cycles, 26, GB1007, doi:10.1029/2010GB004024
モデルシミュレーションから1988年の大気二酸化炭素濃度の上昇率の低下は陸域の炭素吸収が劇的に変化したことが原因と考えられる。ENSOでも火山活動でもない、別の要因が究極の原因?

Variability of primary production and air-sea CO2 flux in the Southern Ocean
Wang, S., and J. K. Moore
Global Biogeochem. Cycles, 26, GB1008, doi:10.1029/2010GB003981
海洋の生物地球化学も出るを用いて南大洋の数十年間の炭素循環(大気-海洋のCO2交換、一次生産)を再現。南大洋は近年二酸化炭素の吸収が少なくなっていると考えられているが、一次生産量(POC)の低下が原因として考えられる。変動を考える上で、「混合層の深さ」「鉄の濃度」「プランクトンの群衆組成」「海氷の張り出し具合」などが重要な因子。

Interconnection of nitrogen fixers and iron in the Pacific Ocean: Theory and numerical simulations
Dutkiewicz, S., B. A. Ward, F. Monteiro, and M. J. Follows
Global Biogeochem. Cycles, 26, GB1012, doi:10.1029/2011GB004039

太平洋の鉄の濃度と光合成植物の関係をモデルシミュレーションから説明。鉄と硝酸がプランクトンの群衆組成とそれぞれの物質循環をコントロールしている。鉄の供給量によって3つのグループに大別できる。

Diatom resting spore ecology drives enhanced carbon export from a naturally iron-fertilized bloom in the Southern Ocean
Salter, I., A. E. S. Kemp, C. M. Moore, R. S. Lampitt, G. A. Wolff, and J. Holtvoeth
Global Biogeochem. Cycles, 26, GB1014, doi:10.1029/2010GB003977

南大洋のうち、インド洋の南部に位置するCrozet海域において、鉄の供給量とPOCの関係を議論。珪藻のブルーミングが起こる地域と、深海のセディメントトラップの炭素フラックスが多い地域との相関は良い(R=0.83)。Si/CとSi/N比は隣接するHNLC海域のものと比較しておよそ2-3.5倍高い値を示す。この海域の生物生産の高さはわりとローカルで、南大洋全体に応用できる特徴ではなさそう。
※コメント
「鉄」をはじめとする微量元素濃度が海洋の生物生産を律速している可能性が指摘され、現在も「鉄」に注目した研究は多い。
特に南大洋は炭素循環を考える上で非常に重要な地域で、氷期-間氷期の炭素循環においても非常に重要な役割を負っていたと考えられている。
南大洋のシステムを考える上で重要なのは
  • 海流
  • 深海の炭素リザーバー
  • 海氷
  • 生物の一次生産による炭素輸送と深層水の溶存酸素濃度