水圧は水深(m)とほぼ1対1で対応するため、便宜上海洋学では「dbar」が圧力の単位として用いられることが多い。
本来なら海水面での気圧は約1気圧なので、海水面の水圧は10 dbarになるはずであるが、実際には気圧の影響は無視され、海水面の水圧は「0 dbar」と定義される。
これが僕が感じた違和感であった。
スキューバダイビングの講習を受けると、
- 海面は1気圧、10 m潜ると2気圧、20 m潜ると3気圧になる
- 従って空気は海面で「1」あったものは10 m深では「2分の1」に、20 m深では「3分の1」になる
というように教わる。
従ってこの感覚が身に付いてしまっていたために違和感を感じたのだろう。
実際には海洋学の定義では
水深 0 m は 0 dbar
水深 10 m は10 dbar
水深 100 m は100 dbar
水深 1,000 m は1,000 dbar
水深 10,000 m は10,000 dbar
である。深さが増すごとに海水の密度が変化するので、水深10,000mでは水深と水圧との差が3%ほど変化するとのこと。まぁほんのわずかということだ。
一般的な海洋データベースでもやはりこの定義に基づいてCTDなどの測定結果が報告されている。
扱いには気をつけなければならない。
CO2SYSでもこの定義に基づいてプログラムが組まれているとのこと。
しかし高地で淡水を採水する場合、圧力はマイナスになる??