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1、新着論文 2、論文概説 3、コラム 4、本のレビュー 5、雑記(PC・研究関連)
6、気になった一文集(日本語English) 7、日記(日本語English) おまけTwilog

2012年3月8日木曜日

新着論文(Nature)

Nature
vol.483, 7388 (8 March 2012)

Reserch Highlights
ENVIRONMENTAL SCIENCE
Oil-sands pollution quantified
Geophys. Res. Lett. http://dx.doi.org/10.1029/2011GL050273 (2012)
カナダの有名な石油砂(crude oil sand)の採鉱場で、都市部に匹敵するほどの大気汚染(二酸化窒素および二酸化硫黄)が衛星観測から検出された。

VIROLOGY
Bats can carry flu too
Proc. Natl Acad. Sci. USA http://dx.doi.org/10.1073/pnas.1116200109 (2012)
21種のコウモリのゲノムを読むことで、コウモリも鳥インフルエンザの運び屋になり得る可能性が指摘された。人間に直接影響はなさそうだが、他の生物に感染する可能性はある。

Features
The Japanese tsunami: After shock
日本の3.11津波特集

Japan's nuclear crisis: Fukushima's legacy of fear
原発事故で1万人が避難を余儀なくされたが、一部は帰ることができた。しかし政府へのッ不信感から未だ帰ろうとしない人も多い。

Rebuilding Japan: After the deluge
巨大津波の再来に備えて、最大の津波にも堪えうる都市の建設が進む。

Tsunami forecasting: The next wave
津波予測に科学者はどれだけ貢献できるか。そして今後の予測に備えた計画は?

Comment
Earthquake hazards: Putting seismic research to most effective use
現在ある技術と知識をより上手く使うことで地震学は進む。

Seismology: Why giant earthquakes keep catching us out
何故巨大地震をこれほどまでに予測できないのか。

Energy policy: The nuclear landscape
福島第一原発の事故を受けて、各国政府が原発からの撤退を決定し始めている。

Correspondence
Degraded ecosystems: Keep jellyfish numbers in check
近年クラゲの数が増加していると言われるが、そもそも観測がほとんどなされておらず、共通認識に達しているとは言えない。迅速な対応が望ましい。

Features
Retirement: Sticking around
定年を遅らせる科学者の存在が若手科学者の邪魔となっている。

News & Views
Geochemistry: A rusty carbon sink
堆積物中において鉄分は炭素を安定化させる働きをしているらしい。Lalonde et al. の解説記事。

Articles
Preservation of organic matter in sediments promoted by iron
Karine Lalonde, Alfonso Mucci, Alexandre Ouellet & Yves Gélinas
海水中、土壌中などで鉄は有機炭素と密接に関わっており、生物地球化学において重要な要素の一つとなっている。様々な環境の堆積物について反応性の高い鉄と結びついた炭素の量を定量化したところ、堆積物中の有機炭素の2割ほどは鉄と密接に結合した形で存在することが分かった。鉄と結合した有機炭素は地質学的な時間でも非常に安定であるため、この結合の存在は炭素、酸素、硫黄などの循環において重要な役割を負っていたと考えられる。