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☆主なコンテンツ
1、新着論文 2、論文概説 3、コラム 4、本のレビュー 5、雑記(PC・研究関連)
6、気になった一文集(日本語English) 7、日記(日本語English

2012年3月22日木曜日

新着論文(Nature)

Nature
vol. 483 No.7390 (22 March 2012)

This week
Research Highlights
Hydrogen can be stored as acid 
二酸化炭素を放出しない燃料として水素が注目されているが、可燃性であることや輸送・貯蔵しにくいことが課題となっている。イリジウムの触媒を用いて二酸化炭素と反応させて蟻酸とすることで、液体の状態で貯蔵することができる。水素貯留の手法として期待。

Predicting realistic rains
イギリスの Hadley Centre の研究チームが新たな降水モデルを開発。1.5kmメッシュで豪雨もうまく再現できるように改善されたらしい。

No sweetness for meat-eaters
肉食動物の多くは甘みを感じる受容体を進化の過程で失ったらしい。例えばイルカやアシカは旨味の成分も感じることができないらしい。イルカやアシカは餌を丸呑みするので、味を感じる必要がないせいかもしれない。

Coming surge in storm surges 
温暖化した世界では海水準が上昇することで、嵐による沿岸部の高潮の危険性が高まる。アメリカの沿岸部において将来の高潮の危険性をモデル予測したところ、これまで100年に一度しか起こらなかった規模の高潮が10年に一回、或いは毎年起こる可能性が出てきた。

Comment
Think big for marine conservation 
目に見える沿岸部だけでなく、深海や外洋など、広く海洋生物を保護する必要がある。

A century of cosmic rays
太陽系外からやってくる宇宙線を通して宇宙を観察することができる。これからの100年の間に宇宙線の科学は進展するだろう。

Careers
Postdoc or not?
アカデミックな世界に残る?永久就職を探す?或いはポスドクになる?

Research
Letters
Collapse of polar ice sheets during the stage 11 interglacial
Maureen E. Raymo & Jerry X. Mitrovica
2つ前の間氷期であるMIS11のときの海水準変動について。テクトニクス的に安定なバハマとバミューダの地形を解析することで、MIS11の海水準は現在よりも6-13m高かった可能性が示唆される。これまで考えられていた20mというのは大きく見積もり過ぎている可能性がある。グリーンランド氷床、西南極氷床が融けていたことが海水準上昇の原因で、東南極氷床は海水準の上昇にはほとんど寄与していなかった?
※コメント
Raymo & Mitrovicaに関連して。
現在の気候(間氷期)の安定性や地球温暖化に対する気候システムの応答を理解するために過去の間氷期を研究のターゲットとすることがある。1つ前の間氷期がMIS5と呼ばれ、2つ前の間氷期がMIS11と呼ばれる。MIS5は直近の間氷期であるものの地球の公転軌道要素が現在と大きく異なるため、MIS11のほうが現在の間氷期との比較に適している。しかしながら時代を遡るごとに地質学的な記録が少なくなり、また質も低下してしまうという側面がある。