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☆主なコンテンツ
1、新着論文 2、論文概説 3、コラム 4、本のレビュー 5、雑記(PC・研究関連)
6、気になった一文集(日本語English) 7、日記(日本語English) おまけTwilog

2012年3月18日日曜日

新着論文(GBC, PO)

Global Biogeochemical Cycles
14 - 18 March 2012

Atmospheric constraints on gross primary productivity and net ecosystem productivity: Results from a carbon-cycle data assimilation system
Koffi, E. N., P. J. Rayner, M. Scholze, and C. Beer
Global Biogeochem. Cycles, 26, GB1024, doi:10.1029/2010GB003900

2つのモデルを組み合わせて陸域の炭素循環をモデリング。GPP(総一次生産量)とNPP(全生態系生産量)を推定。熱帯域の大気中二酸化炭素濃度の測定データが不足しているという問題がある。NEPは二酸化炭素の輸送モデルに大きく依存。

Paleoceanography
8-16 March 2012

Antarctic Isotope Maxima events 24 and 25 identified in benthic marine δ18O
Caballero-Gill, R. P., S. Clemens, and W. Prell
Paleoceanography, 27, PA1101, doi:10.1029/2011PA002269

南シナ海の堆積物コアの浮遊性・底性有孔虫のd18OからMIS5d(118.5-105.9ka)の変動を復元。中国南東部で得られた石筍(Sanbao & Hulu 洞窟)のd18Oの変動と合わせることで年代モデルを作成。LRの底性有孔虫d18Oのスタックには見られていなかった、Antarctic Isotopic Maximaイベントの24番目と25番目が見られた。
Caballero-Gill et al. (2012) Fig. 4を改変。
上が中国南東部の石筍のd18O、下が南シナ海で得られた堆積物コアの底性有孔虫のd18O。DOとAIMがそれぞれ北極、南極の変動に対応している。


Alkenone unsaturation in surface sediments from the eastern equatorial Pacific: Implications for SST reconstructions
Kienast, M., G. MacIntyre, N. Dubois, S. Higginson, C. Normandeau, C. Chazen, and T. D. Herbert
Paleoceanography, 27, PA1210, doi:10.1029/2011PA002254
赤道東太平洋において堆積物コアトップのアルケノン不飽和度とSSTの観測データとを比較することでアルケノン温度計の有用性をチェック。有為な回帰曲線が得られた。「アルケノン生産の季節性」「アルケノンの輸送」「表層の栄養塩濃度」「塩分」などに対するバイアスは見られなかった。高温ではアルケノンの不飽和度が飽和し、水温計として機能しなくなることが知られているが、そのような有意な変化は見られなかった。ペルー沖のアルケノン温度計は実際の水温よりも高い水温を見積もってしまうが、El Ninoの変動を拾っていることが原因?
Kienast et al. (2012) Fig. 1を改変。
アルケノン不飽和度とSSTの間に有為な相関が得られた。