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☆主なコンテンツ
1、新着論文 2、論文概説 3、コラム 4、本のレビュー 5、雑記(PC・研究関連)
6、気になった一文集(日本語English) 7、日記(日本語English

2013年2月26日火曜日

新着論文(GBC, GRL, JGR)

◎GBC
Decadal changes in the aragonite and calcite saturation state of the Pacific Ocean
Richard A. Feely, Christopher L. Sabine, Robert H. Byrne, Frank J. Millero, Andrew G. Dickson, Rik Wanninkhof, Akihiko Murata, Lisa A. Miller, Dana Greeley
太平洋全体の最近の炭酸塩飽和度の変化をWOCE、JGOFS、CLIVARなどのデータセットから評価。人為CO2取り込みと海洋循環・生物活動の変化の結果、Ωは年間0.34%の早さで減少しており、Ω=1面の深さも年間1〜2mで上昇している。それらには地域性があり、南太平洋が最も多くの炭素を吸収している。一方北太平洋は10年規模の変動が支配的。このままの早さで酸性化が進行すると太平洋のサンゴ礁をはじめとするあらゆる生態系に悪影響が及ぶと考えられる。
" If CO2 emissions continue as projected over the rest of this century, the resulting changes in the marine carbonate system would mean that many coral reef systems in the Pacific would no longer be able to sustain a sufficiently high rate of calcification to maintain the viability of these ecosystems as a whole, and these changes perhaps could seriously impact the thousands of marine species that depend on them for survival."

Short-term and seasonal pH, pCO2 and saturation state variability in a coral-reef ecosystem
Sarah E. C. Gray, Michael D. DeGrandpre, Chris Langdon, Jorge E. Corredor
サンゴ礁は海洋酸性化に最も脆弱な環境の一つと考えられている。プエルトリコのMedia Luna reefにおいて2007年から2008年にかけて行われた長期的なpHとpCO2のデータを用いてサンゴ礁の炭酸系の自然変動を評価。例えば、pHは7.89 - 8.17まで変動。温度変化が変動の半分ほどを説明。残りはマングローブから運搬される有機物の分解などによる生物活動が担っている。全体としてはサンゴ礁はCO2のソースとして働いている(年間0.73 ± 1.7 mol/m2)。長期間低いΩが持続するとサンゴ礁全体の石灰化量も減少すると考えられる。

◎GRL
High emission of carbon dioxide and methane during ice-thaw in high latitude lakes
Jan Karlsson, Reiner Giesler, Jenny Persson, Erik Lundin
高緯度域の冬の炭素交換を見積もった研究は少ない。北極圏の湖において3年間に渡ってCO2とCH4のフラックスを測定。氷から解放されている期間がフラックスに大きく影響していることが示された。

Natural iron fertilisation by the Eyjafjallajökull volcanic eruption
Eric P. Achterberg, C. Mark Moore, Stephanie A. Henson, Sebastian Steigenberger, Andreas Stohl, Sabine Eckhardt, Lizeth C. Avendano, Michael Cassidy, Debbie Hembury, Jessica K. Klar, Michael I. Lucas, Anna I. Macey, Chris M. Marsay, Thomas J. Ryan-Keogh
2010年のアイスランドのEyjafjallajökull火山の噴火は北大西洋のアイスランド海盆に大量の溶存Feを供給した。採取された火山灰を用いて植物プランクトンの成長とそれに伴う栄養塩利用も強化されることが示された。人工衛星からは顕著に植物プランクトンの成長が増加した傾向は見られなかったものの、海水の栄養塩濃度は例年に比べて減少していた。従って、噴火が周辺海域の生物地球化学に大きな影響をもたらしたと推測される。

◎JGR-atm
Future change of the global monsoon revealed from 19 CMIP5 models
Pang-chi Hsu, Tim Li, Hiroyuki Murakami, Akio Kitoh
CMIP5のモデル19を用いて将来RCP4.5の排出シナリオに沿った温暖化が起きた際のモンスーンの範囲・降水量・強度がどのように変化するかを評価したところ、ほとんどのモデルがモンスーンが強化することを示した。またモンスーンとENSOの関係性もより強化されることが示された。