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☆主なコンテンツ
1、新着論文 2、論文概説 3、コラム 4、本のレビュー 5、雑記(PC・研究関連)
6、気になった一文集(日本語English) 7、日記(日本語English

2013年2月7日木曜日

新着論文(Nature#7435)

Nature
Volume 494 Number 7435 pp5-142 (7 February 2013)

EDITORIALS
Unknown territory
よく分からない領域
日本は遅ればせながら幹細胞を使用した治療に対する規制を設ける試みを実施している。患者を守るためにもよく定義された枠組みが必要である。

In a hole
穴の中
イギリスが最も関心を寄せているのは、地下深部の核廃棄物貯蔵場所を監視し続けることである。先週、廃棄施設建設が地方自治体の反対を受けて停止したことを受けて。

RESEARCH HIGHLIGHTS
Jet-stream shifts linked to ozone
オゾンに関連したジェット気流のシフト
Science 339, 563–567 (2013)
南半球のジェット気流の位置が南に変化しているのは温暖化よりもオゾンホールの影響が大きいことが、風の観測記録から明らかになった。風の変化は降水パターンや嵐の位置にも影響している。
>問題の論文
Detecting Ozone- and Greenhouse Gas–Driven Wind Trends with Observational Data
観測記録からオゾンと温室効果ガスによって駆動される風の傾向を検出する
Sukyoung Lee and Steven B. Feldstein
モデル研究から南極のオゾン濃度が低下し、温室効果ガス濃度が増加すると、南半球の夏における偏西風が極側へわずかにシフトすることが示されている。しかし観測からそれら2つの効果を分けて見積もることは従来難しいと考えられていた。観測記録の解析から7日、11日の風のクラスターが見つかり、それぞれモデル研究で示されているオゾンと温室効果ガスの影響と類似している。さらにクラスターの周期解析から、オゾンの影響が温室効果ガスの影響に比べて2倍程度であることが示された。さらに温室効果ガスの影響には熱帯域の対流が大きく寄与している可能性が示された。

Cats are enemy number one
猫が社会ナンバーワンの敵
Nature Commun. 4, 1396 (2013)
外を自由にある行き回る家猫がアメリカの野生動物を従来考えられているよりも殺していることが分かり、人為起源の野生生物(鳥やほ乳類)の殺しとしてはリストのトップになる可能性があることが示された。人が生息地を破壊したり、乗り物や建物と衝突したりすることによる死亡よりも多いらしい。
>問題の論文
The impact of free-ranging domestic cats on wildlife of the United States
自由に歩き回る家猫がアメリカの野生生物に与える影響
Scott R. Loss, Tom Will, Peter P. Marra
アメリカにおいては、自由に外を歩き回る家猫が年間に14-37兆羽の鳥と69-207兆匹のほ乳類を殺していると試算され、従来の推定値よりもはるかに多いことが分かった。所有されている猫よりは、野生の猫の方が殺しに関与している。その影響を減らすためにも適切な保護策と政策介入が必要とされている。

Bird behaviour spurs evolution
鳥の振る舞いが進化に拍車をかける
Proc. R. Soc. B http://dx.doi. org/10.1098/rspb.2012.2893 (2013)
156種のハトがどのように進化したかを調べるために、ふるまいや物理的な特徴の変化の繋がりを調査。そのうちの数種類が陸から木へと移ったことが「短い後脚の骨」と「長い尾」の進化を加速させたことが示された。

SEVEN DAYS
※今回は省略

NEWS IN FOCUS
Landsat 8 to the rescue
救済のためのランドサット8
Jeff Tollefson
今年1月に28年もの長期間にわたって活動し続けてきたLandsat 5からの連絡が途絶えた。地球の気候変動の歴史を測定し続けるために、NASAは来週後継機であるLandsat 8の打ち上げを予定している。新たな波長領域の検出器が搭載され、エアロゾルや短波放射などが観測されるという。Landsat 8は軌道に入ってから90日後に運用され出す予定。

Quake fears rise at Japan’s reactors
日本の原子炉に地震の恐怖が持ち上がる
David Cyranoski
委員によると、断層がいくつかの原子炉を危機にさらしており、再稼働を不可能にしているという。

Alert over South Korea toxic leaks
韓国の毒漏れに対する警告
Soo Bin Park
フッ化水素の事故の後、韓国政府は監視を強化する方向に動いている。

FEATURES
Survival of the flexible
柔軟性の生き残り
Hillary Rosner
多くの熱帯生物は極端な暑さ/寒さを経験したことがない。そのため温暖化は彼らをだめにするかもしれない。

COMMENT
Ten things we need to know about ice and snow
氷と雪について知る必要のある10のこと
「凍った水が分子的にどう振る舞うかを理解することは地球の未来を予測する上でも必要不可欠である」とThorsten Bartels-Rauschは言う。

Build a biomass energy market
バイオエネルギー市場を作る
「政府はバイオ燃料や他の再生可能エネルギーへの変換を促すようなインセンティブを提供しなければならない」と、Heinz Kopetzは主張する。

CORRESPONDENCE
Species splitting puts conservation at risk
種を分けることが保全を危機に
Frank E. Zachos

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RESEARCH
NEWS & VIEWS
The life beneath our feet
我々の足の下の生命
Janet K. Jansson & James I. Prosser
作物生産から炭素固定まで様々なプロセスが土壌中の微生物によって進行している。分子分析は微生物コミュニティーの特徴付けに大きく貢献してきたが、彼らの生態学的な機能をよりよく理解するにはどうすればいいだろうか?

Going supernova
スーパーノバへと向かう
Alexander Heger
スーパーノバ(星の死)の直前の星の観測について。

LETTERS
An outburst from a massive star 40 days before a supernova explosion
E. O. Ofek et al.
タイプIInスーパーノバの40日前の星の姿が検出された。

Northern Hemisphere forcing of Southern Hemisphere climate during the last deglaciation
最終退氷期の南半球の気候に対する北半球のフォーシング
Feng He, Jeremy D. Shakun, Peter U. Clark, Anders E. Carlson, Zhengyu Liu, Bette L. Otto-Bliesner & John E. Kutzbach
 ミランコビッチ理論によると北半球の日射量のフォーシングが氷期-間氷期サイクルを生み出すとされているが、南半球が北半球と同時に応答したのか、或いは北半球のフォーシングに対して応答したのかを知ることは難しい。
 AOGCMを用いて軌道要素・CO2・氷床・AMOCのフォーシングが最終退氷期前半の温暖化に与える影響を評価したところ、すべてのフォーシングを考慮した場合、最も良く間接指標によって得られている記録と合った。軌道要素の変化に伴う北半球氷床の後退とAMOCの変化が、観察されている「南半球の温暖化が北半球の温暖化よりも先行している」事実を最もうまく説明してくれる。さらに、南半球の温暖化に伴う大気中CO2濃度の上昇が全球の退氷に必要不可欠なフィードバックであったことを物語っている。

Diversity loss with persistent human disturbance increases vulnerability to ecosystem collapse
持続的な人類の擾乱に伴う多様性の消失が生態系の崩壊に対する脆弱性を増加させる
A. S. MacDougall, K. S. McCann, G. Gellner & R. Turkington
持続的に人類の擾乱が加えられることで、植物の種数が減少し、生態系機能の一部を安定化させることが示された。これは生産量が多く、多様性の少ない農業システムのアナログになる。しかし、急激な気候変動が起きることで、不可逆的な崩壊が起きる可能性が増加することも示された。