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☆主なコンテンツ
1、新着論文 2、論文概説 3、コラム 4、本のレビュー 5、雑記(PC・研究関連)
6、気になった一文集(日本語English) 7、日記(日本語English

2012年10月30日火曜日

新着論文(PO, BG, CP)

BiogeosciencesHigh-resolution interpolar difference of atmospheric methane around the Last Glacial Maximum
Biogeosciences, 9, 3961-3977, 2012
M. Baumgartner, A. Schilt, O. Eicher, J. Schmitt, J. Schwander, R. Spahni, H. Fischer, and T. F. Stocker
 メタンは温室効果ガスの一つであり、現在0.5W/m2の放射強制力を持っていると考えられている。メタンの濃度は北極・南極でわずかながら異なることが知られており、その差を生む原因はメタンの放出源が熱帯と北半球の湿地に偏っていることが一部考えられる。これらは自然のメタン放出の60-80%を担っていると考えられている。
 NGRIP、EDMLアイスコアから過去32kaの両極の大気中メタン濃度を高解像度で復元。ほんのわずかな違いが捉えられた。LGM付近で両極のメタン濃度差が3.7%と最も小さい値を示し、このことは北半球の夏の湿地の放出源が完全にゼロとなっていなかったことを示唆している。最終退氷期には両極の差は6.5%で一定の値を示した。ITCZの緯度方向の変化による大気の体積や撹拌の仕方の変化が原因か?

Ocean acidification mediates photosynthetic response to UV radiation and temperature increase in the diatom Phaeodactylum tricornutum
Biogeosciences, 9, 3931-3942, 2012
Y. Li, K. Gao, V. E. Villafañe, and E. W. Helbling
大気中のCO2濃度上昇に伴い、海洋酸性化・温暖化・混合層の厚さの縮小が起きることが予測されており、有光層に生息する植物プランクトンは酸性化・温暖化のストレスに加えて、より強い紫外線に曝されることになる。20世代にわたる飼育実験によってそれらが珪藻(Phaeodactylum tricornutum)に与える影響を評価。特にUV-B(?)に曝した場合に害が大きいことが分かった。将来の珪藻の炭素固定に影響?

Climate of the Past
Timing and magnitude of equatorial Atlantic surface warming during the last glacial bipolar oscillation
S. Weldeab
Climate of the past, 8, 1705-1716, 2012
MIS3(75-25ka)における赤道東大西洋の温度復元。ハインリッヒイベントに対応した温暖化が確認された(AMOCへの擾乱が原因と考えられる、それまで高緯度に運ばれていた熱が低緯度に熱がこもる)。場合によっては温暖化はハインリッヒイベントが集結してからも2,300年間も及ぶ場合があり、継続期間と空間的なSST分布には風によって駆動される表層流が大きく寄与していると考えられる。

Paleoceanography
Sea surface temperature variability in the Pacific sector of the Southern Ocean over the past 700 kyr
Ho, S. L., G. Mollenhauer, F. Lamy, A. Martínez-Garcia, M. Mohtadi, R. Gersonde, D. Hebbeln, S. Nunez-Ricardo, A. Rosell-Melé, and R. Tiedemann
Paleoceanography, 27, PA4202, doi:10.1029/2012PA002317 
南大洋の太平洋セクターの高緯度海域から得られた堆積物コアのアルケノンを用いて過去700kaの古水温を復元。Uk'よりもUkを使った方がいいらしい(?)。氷期間氷期の温度変化は亜寒帯で~8℃、亜熱帯で~4℃と推定される。南大洋の他の海域で得られている温度復元結果と整合的であるため、南極周回流全体で同程度に水温が低下したと考えられる。また氷期にはACCが低緯度側に大きく移動していたことも分かった。

Deciphering the role of southern gateways and carbon dioxide on the onset of the Antarctic Circumpolar Current
Lefebvre, V., Y. Donnadieu, P. Sepulchre, D. Swingedouw, and Z.-S. Zhang
Paleoceanography, 27, PA4201, doi:10.1029/2012PA002345 
新生代の全球の寒冷化が始まる50Maののち、34Ma頃に南極氷床が成長し始めるが、その成長にはドレーク海峡とタスマニア海峡が開いたことが寄与していたと考えられている。しかし一方でCO2濃度の低下が原因とする説もあり、話題を呼んでいる。全球モデルを用いて地形が大気中CO2濃度と全球の寒冷化にどれほどするかを検証したところ、南極大陸周辺の海氷とbrineの形成が南北方向の密度差を生み出し、それが結果的に南極周回流の強化へとつながっていることが分かった。つまり、ACC自体が寒冷化の原因というよりは、ACCは寒冷化のフィードバックの一つと考えられる。