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☆主なコンテンツ
1、新着論文 2、論文概説 3、コラム 4、本のレビュー 5、雑記(PC・研究関連)
6、気になった一文集(日本語English) 7、日記(日本語English

2012年10月13日土曜日

新着論文(Science#6104)

Science
VOL 338, ISSUE 6104, PAGES 161-292 (12 OCTOBER 2012)
Editors' Choice
Don’t Touch My Cache
私の隠しものに触らないで
Ecol. Lett. 15, 10.1111/ele.12000 (2012).
植物にとっては動物に種を輸送してもらうことは死活問題であるが、時には同種の種が同じ場所に集結してしまうこともある。或いは種がすべて食べ尽くされてしまうこともある。パナマのBarro Colorado島において放射性物質で標識を付けたヤシの実を1年間ばらまき、その後の分布について調べたところ、オオテンジクネズミ(Central American agouti)が同種の植物密度が低いところに種を移動させていることが分かった。この行動はおそらくネズミが他のネズミに見つからないように種を隠す行動がもとになっており、結果的に種を長距離に輸送し、食べ忘れたものが発芽・成長することで植物の繁栄に寄与しているものと思われる。

Hitching a Ride into the Mantle
マントルへヒッチハイクする
Geophys. Res. Lett. 39, L17301 (2012).
※省略

News of the Week
※省略

News & Analysis
Oh, Baby: Fight Brews Over U.S. Import of Beluga Whales
オー、ベイビー:ベルーガイルカを空輸することに対するアメリカにおける戦いが静まる
Emily Underwood
オホーツク海で捕獲された18匹の野生ベルーガイルカをアメリカのジョージア水族館が飼育と展示用に輸入することを求めていて、それが大きな議論を呼んでいたが、10/12に公式に公聴会が開かれる予定となっている。

New Arctic Research Vessel Ready to Make a Splash
新しい北極研究船がしぶきを上げる準備をしている
Carolyn Gramling
北極研究者はもう間もなく新たな研究船:Sikuliaq(NSFの所持する全長約80m、造船費2億ドル)を手に入れ、ベーリング海や北極点へ向けて出発する予定。

News Focus
Aftershocks in the Courtroom
裁判質の余震
Edwin Cartlidge
イタリアの裁判でもうまもなく、2009年に起きたL'Aquilaの巨大地震で30人が亡くなったのは7人の専門家が地震を過小評価したことが原因かどうかについて判決を言い渡すだろう。

Turning Back the Clock: Slowing the Pace of Prehistory
時間を戻す:先史時代のペースを遅らせる
Ann Gibbons
新たな研究は人間における突然変異は従来考えていたよりもゆっくりと起きていた可能性を示唆している。進化学的なイベントのタイムテーブルについて疑問が投げかけられている。

Letters
Baits, Budget Cuts: A Deadly Mix
毒餌、予算削減:致命的な組み合わせ
Antoni Margalida
毒餌がヨーロッパの脊椎動物の多くの死を招いており、絶滅にも一部寄与していると考えられる。特にスペインは多くのよりの帰巣地になっており、ここ20年間でも多くの報告例がある。95%以上の腐肉食鳥類とすべてのスペインコウテイワシ(Spanish imperial eagle)の帰巣地はスペインである。ヨーロッパにおける毒の生物多様性に与える影響は計り知れないものとなっている。しかしながらスペイン政府は研究への資金援助を昨年比で31%削減し、問題はさらに悪化している。

Saving Vietnam's Wildlife Through Social Media
ソーシャルメディアを通じてベトナムの野生動物を守る
L. T. P. Nghiem, E. L. Webb, and L. R. Carrasco
ベトナムでは2010年だけで59種もの新種が発見されるなど、生物多様性のホットスポットの一つで、世界的に注目が集まっている。しかし動物(サイの角、象、トラ製品など)の密輸の温床ともなっている。一般人の密輸問題に対する意識も低いのが実情であるが、そのような中ソーシャルメディアを用いることで保護運動のきっかけとなるかもしれない。例えば7月にFacebookに上げられた、ベトナムの兵士が妊娠したドゥクラングール(オナガザルの一種)を拷問し、殺している写真が多くの注目を集め、抗議運動が起こった。それを受けてベトナム政府は前例がなかったが3人の兵士を解雇した。科学者や保護主義者は情報機関がSNSを通じて反乱や戦争を予測しているのと同じく、SNSを有効活用する必要がある

Perspectives
Animal Behavior and the Microbiome
動物の行動と微生物群
Vanessa O. Ezenwa, Nicole M. Gerardo, David W. Inouye, Mónica Medina, and Joao B. Xavier
微生物群とホストとの間のフィードバックが動物の行動の幅に影響する。

A Golden Spike for Planetary Science
惑星科学のゴールデン・スパイク
Richard P. Binzel
天体観測から地球化学分析への進歩が惑星探査の進展を縮図的に示している。

Downsizing the Deep Biosphere
深海生物圏のサイズを小さくする
Kai-Uwe Hinrichs and Fumio Inagaki
最近の研究が海底下の微生物バイオマスのサイズと分布に新たな制約を与えた。しかし、カギとなる要因はまだ不確実なままである。

Seeing Is Believing
百聞は一見に如かず
Benjamin A. Brooks
人工衛星とコンピュータによるモデリングはアンデス中央部のAltiplano平原の地殻の下に球状のマグマが上昇しつつあることの証拠を示している。

Reports
An Ancient Core Dynamo in Asteroid Vesta
小惑星Vestaの古代のコアのダイナモ
Roger R. Fu et al.
小惑星Vestaから得られた古地磁気の研究から、かつてコアのダイナモによって作られた磁気が残っていることが明らかになった。

Elemental Mapping by Dawn Reveals Exogenic H in Vesta’s Regolith
Dawnによる元素マッピングからVestaのレゴリスの外因性の水素が明らかに
Thomas H. Prettyman et al.
小惑星探査機Dawnの得たデータの分析から、小惑星Vestaには揮発性物質が多いことが示唆されている。

Pitted Terrain on Vesta and Implications for the Presence of Volatiles
Vestaの穴の空いた地形と揮発性物質の存在の暗示
B. W. Denevi et al.
小惑星探査機Dawnの得たデータの分析から、小惑星Vestaには揮発性物質が多いことが示唆されている。

Sombrero Uplift Above the Altiplano-Puna Magma Body: Evidence of a Ballooning Mid-Crustal Diapir
Altiplano-Punaマグマ体の上のSombrero隆起帯:地殻内部のダイアピルの膨張の証拠
Yuri Fialko and Jill Pearse
アンデス山脈中央部の下で上昇している巨大なマグマのさらに下で隆起と沈降が共在している。

Quantifying the Impact of Human Mobility on Malaria
人間の移動がマラリアに与える影響を定量化する
Amy Wesolowski, Nathan Eagle, Andrew J. Tatem, David L. Smith, Abdisalan M. Noor, Robert W. Snow, and Caroline O. Buckee
1,500万人のケニア人の携帯電話の地理情報はマラリア蔓延の推定と関係している。

Technical Comments
Comment on “Climatic Niche Shifts Are Rare Among Terrestrial Plant Invaders”
Bruce L. Webber, David C. Le Maitre, and Darren J. Kriticos
Petitpierre et al. (2012, science)は陸域の植物のニッチが変化することは稀であり、それにより「モデルによって生物の侵入と気候変動に対する生物種の地理的分布を予測することの有用性が正当化される」としているが、彼らの概念的な推定の限界と彼らの分析からは除外されたニッチ変化の重要性について話題を提供する。

Response to Comment on “Climatic Niche Shifts Are Rare Among Terrestrial Plant Invaders”
Antoine Guisan, Blaise Petitpierre, Olivier Broennimann, Christoph Kueffer, Christophe Randin, and Curtis Daehler
Webber et al.は我々の発見に対して批判的な視点を持っているが、彼らの問題は誤解と我々の研究の範囲を超えていることにある。我々のモデルは類似した気候では有効であるが、類似していない気候では気をつけて使用する必要がある。