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☆主なコンテンツ
1、新着論文 2、論文概説 3、コラム 4、本のレビュー 5、雑記(PC・研究関連)
6、気になった一文集(日本語English) 7、日記(日本語English) おまけTwilog

2012年10月31日水曜日

新着論文(GRL)

A global picture of the first abrupt climatic event occurring during the last glacial inception
E. Capron, A. Landais, J. Chappellaz, D. Buiron, H. Fischer, S. J. Johnsen, J. Jouzel, M. Leuenberger, V. Masson-Delmotte and T. F. Stocker
GEOPHYSICAL RESEARCH LETTERS, VOL. 39, L15703, 8 PP., 2012
前の間氷期から氷期に向かう時期(Glacial inception)の中でも特にGIS25としてグリーンランドアイスコアに記録されている千年スケールの気候変動は熱帯においてはほとんど確認されておらず、それが後に続く他のGIS(D/Oサイクル)に比べて小さい規模のものであったのか、或いは北半球特有のものであるかはよく分かっていない。アイスコアの高解像度のδ18OやδD、気泡中の空気のδ15N、δ18O2、CH4などからGIS25を復元。

New constraints on European glacial freshwater releases to the North Atlantic Ocean
Frédérique Eynaud, Bruno Malaizé, Sébastien Zaragosi, Anne de Vernal, James Scourse, Claude Pujol, Elsa Cortijo, Francis E. Grousset, Aurélie Penaud, Samuel Toucanne, Jean-Louis Turon and Gérard Auffret
GEOPHYSICAL RESEARCH LETTERS, VOL. 39, L15601, 6 PP., 2012
イギリス南西部で採取された堆積物コア中の浮遊性有孔虫の群集組成のモダンアナログ法を用いて過去35-10kaのSSTを復元し、さらにG. bulloidesから得られたδ18Oから表層塩分を復元。氷期の氷河の河口付近にあると考えられるため、氷河の伸張の議論を行っている。HS1、HS2、HS3において大きな塩分低下が見られ、他の間接指標(淡水に棲息する藻類の量、N. Pacydermaの量など)とも整合的。AMOCに擾乱を与えたと考えられる。(また14-10kaに特に大きな海洋リザーバー年代が得られているらしい)

Satellite-based estimates of reduced CO and CO2 emissions due to traffic restrictions during the 2008 Beijing Olympics
Helen M. Worden, Yafang Cheng, Gabriele Pfister, Gregory R. Carmichael, Qiang Zhang, David G. Streets, Merritt Deeter, David P. Edwards, John C. Gille and John R. Worden
GEOPHYSICAL RESEARCH LETTERS, VOL. 39, L14802, 6 PP., 2012
北京オリンピックの際には中国政府が空気の質の改善のために交通規制を行っていたが、その際に一酸化炭素と二酸化炭素がどのように変化するかのモニタリングがなされていた。それらの比をもとに自動車による化石燃料燃焼量を推定すると、一日に60±36Gtもの二酸化炭素が削減されていた計算になる。

Holocene sea-level change and Antarctic melting history derived from geological observations and geophysical modeling along the Shimokita Peninsula, northern Japan
Yusuke Yokoyama, Jun'ichi Okuno, Yosuke Miyairi, Stephen Obrochta, Nobuhiro Demboya, Yoshinori Makino and Hodaka KawahataGEOPHYSICAL RESEARCH LETTERS, VOL. 39, L13502, 6 PP., 2012
下北半島の海岸段丘面の年代測定結果から、その段丘面は4,000年前の縄文海進(海水準が今よりも2m高かった)の際に形成されたものであることが分かった。また陸奥湾の堆積物コアの堆積速度の激減にもそれは現れている。さらに復元された海水準変動と地殻の弾性変形モデルとの結果は整合的であった。つまり、北米・ヨーロッパ氷床の融解は7,000年前に終了しているため、少なくとも南極氷床の融解は4,000年前には終了していたことになる。

The sequestration efficiency of the biological pump
Tim DeVries, Francois Primeau and Curtis Deutsch
GEOPHYSICAL RESEARCH LETTERS, VOL. 39, L13601, 5 PP., 2012
海水中で有機物は様々なパスと時間スケールで変動しているため、炭素輸送速度は生物ポンプによる炭素固定の推定にはあまり向いていない。’固定の効率(表層に再び戻る前に生成された栄養塩や炭素がどれほど水柱中に留まるか)’を通して有機物の輸送量と炭素固定とが相関していることを示す。