結局2ヶ月ほど前に新型iPadを購入してしまいましたw
また2年間使ったiPhone4も先日iPhone'4S'に機種変更し、新たな研究・生活体制が出来上がりました。
これで僕の研究に用いる電子機器の環境は
- Mac Book Air @自宅
- Mac Book Pro @ 研究室
- iPhone4S
- iPad
これらを用いたクラウド同期や論文や英語の記事をさくさく読む方法もようやく固まってきたので、まとめておきます。
あと最近始めたTwitterやGoogle Reederでの情報収集と、Science DirectとWeb of knowledgeのメールアラートサービスについて。
使っているアプリ類はほとんど無料のもので、有料なのはEvernoteだけです。
- Evernote(¥400/月)
- Google Reeder(FeedlyとReeddler RSSとも同期)
○PDFリーダーとしてのEvernoteの活用
通常の論文から英語の記事からNature/ScienceのPodcastのTranscript(原稿)まで、すべてEvernoteで読む体制に切り替えました。
とてもシンプルで同期も速く楽チンです。
最近は生活スタイルが自宅〜研究室の自転車での移動が多くなり、バスや電車内での文章を読む時間がほとんどないため、基本的には文章を読むのはパソコンかiPad(やはり寝っ転がりながらw)がほとんどになりました。紙すらほとんど必要なしw
結局PDFリーダーとして重要なのは、論文が自由に分類でき、すぐさま検索できることと(詳しくは前回の記事(part.1・part.2)を参照ください)、
何と言っても「辞書機能」。
イチイチ電子辞書を引いたり、google先生に尋ねるやり方はもはや’手間’です。
何故かパソコンのEvernoteアプリは辞書のルックアップ機能が未だにないため、プレビュー等のアプリを使って開く必要が出てきます。あるいはコピーして辞書アプリかGoogle検索にかけるか。
そのうちアップレートされることを期待しています。
ちなみに調べたい文字の後ろにコンマやピリオドがついている場合に辞書のルックアップ機能が使えないという妙なバグ(前回の記事(part.2)参照)は解消されました(嬉)。
以下の画像は、3通りの方法で同じ論文をEvernoteで開いてみたときの例(Yamamoto et al., 2012, Biogeosciences)です。
1、パソコンのEvernoteアプリで見る
パソコンで見たとき。辞書のルックアップ機能がない。そのような時は「開く」でプレビューで改めて開くと辞書のルックアップ機能が使える。 |
2、iPadのEvernoteアプリで見る
iPadで見たとき。読みやすい! |
辞書をポチっと押すとこの通り。 専門用語でもだいたい訳が出てくるのがすごいところ! ほとんど他の辞書アプリいらず。 |
3、iPhoneのEvernoteアプリで見る
iPhoneで見たとき。文字が小さくてボタンも押しづらいし、読みづらい。 というか、読めないw |
iPadのEvernoteはPDFリーダーとしては秀逸です。
僕が特に気に入っているのは辞書のルックアップ機能とページ送りの滑らかさ。
ただし重いPDFファイル(特にODVなどのpostscript画像ファイルを含むようなもの。海洋物理・海洋化学系の論文で多い)を開く時には速度が遅くなるので忍耐が必要ですw
そういう論文はやはりアナログですが紙に印刷した方がいいかも。
辞書機能はもともとiPadに備わっているAppleのものですが、日本語も破竹の勢いで追加されています。
これまで英和辞典はiOS5まで小学館のものだったらしいですが、iOS6から三省堂に変わったみたいですね(外部ブログ「iOS6の内蔵辞書が英英辞書になったり英和辞書になったりする」)。
ただし和製英語(特にコンピューター用語や経済用語)などがあると、日本語の意味が優先されて本来知りたい英語の意味が出て来ないのが難点です…(例)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
※いま確認したら日本語の辞書が開けず、英英辞典のみになっていた。
もしやiOS6の仕様??或いはバグ??
と思い調べてみたら解決策があった。
いったん言語設定を英語にし、再び元に戻すというなんともアナログな方法w
>appleサポート「ios6にアップしてから、辞書機能がおかしい」
iPadで見たとき。さらに辞書を開くとこんな感じ。 |
ひと安心。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜iPadはあくまでPDFや英語の記事を’読む’ためのもの。
ノートの分類やらタグの管理やらには全く向いていません。また今見てみたらタグを使った検索も1つのタグしか選択できないのでほとんど意味をなさないことが分かりました。
つまり複雑な作業はやはりパソコン上でやるべきということでしょうね。
(読むのも実はパソコンで十分だったりして、iPadに拘る意味は実はあまりないwwwただ僕はパソコンの画面を長時間見続けると気分が悪くなる)
僕は「読むべき・読みたい論文」というノートブックを予め作っておいて、そこに未読の論文を10冊程度溜めておいて時間がある時に消化するようにしています。
(ただし最近は新着論文を収集するだけでも一仕事なので、アブストだけしか読まない論文がほとんど。よほど重要な論文でない限りは…)
○TwitterとGoogle Reederで情報収集
僕はこれまでTwitterもReeder系のアプリ(RSSに対応した記事を勝手に収集してくれるもの)を使って来なかったのですが、情報が氾濫する情報化社会で効率よく情報を集めるにはこれらが大活躍してくれることが分かり、最近になって活用し始めました。
Twitterが流行り始めた頃は逆に不要な情報量が多すぎて敬遠していたのですが。今は僕のTwitterは完全に研究専用です。もはやSNSではなくなりました。
例えば、Nature/Science/AGUなどの出版社だけでなく、NOAA/LDEO/NASA/Woods Hole/Scrippsなどの研究機関も常にプレスリリースやブログっぽい記事をWeb上に公開しており、その中には非常に面白いもの・内容の濃いものが多くあります。
最近の例を挙げると…
AGUのブログ:The catastrophic loss of Arctic Sea Ice and its implications for landslides
NASAの記事:NASA Voyage Set to Explore Link Between Sea Saltiness and Climate
他にも科学関連の新聞社・出版社(Scientiffic American/Live Science/The Loyal Society/Discovery Newsなど)も常に情報を発信しており、それらはRSSかTwitterを通して閲覧することが出来るので、登録しておくと役に立ちます。
もちろんすべてを閲覧することは難しいので、ある程度の妥協は必要ですが…
RSSを登録するためのサイトはいくつもありますが、Google Reeder一つで十分です。
Twitterと違い、Google Reederの良い点は基本的にクラウドを通して読んだ記事と読んでない記事が機器間で同期されること。
また様々なアプリに対応しており、柔軟であること(Google Reederのアカウントでログインできる)。
例えばiPhoneでは「Feedly」で読んで、iPadでは「Feeddler RSS(無料版)」で読んで、パソコンでは「Google Reeder」で読むこともできるし、未読・既読は即座にオンラインで同期される。
※他のRSSリーダーアプリについてはまだほとんど試していませんが、「Feeddler RSS(無料版)」が使いやすいことが分かったので、今はこれで満足しています。
ちなみにAGUとEGUはRSSで新着論文を配信しており、僕はそれを活用して新着論文をチェックしたりもしています。
ただし自宅パソコンのOSを「Lion」から「Mountain Lion」に変えたところ、それまでメーラーにデフォルトでついていたRSSリーダー機能が完全になくなり一気に不便になりました…
なので研究室パソコンのOSは「Lion」のままにしています。以来、appleのアップデートの度に即座に更新することを止めました(iPhoneなどのiOS6も然り)。
こうした記事を読むのにはSafariの「リーディングリスト」が役に立ちます。
導入されたのは去年あたりだったと思いますが、最初の頃はまったく同期してくれなかったり、同期時間が異常に長かったり(iPhone4のパフォーマンスが低下していた可能性はありますがw)という問題でほとんど使っていませんでしたが、クラウド同期が普通になってきた今となっては非常に役に立ちます。
ちょっと時間がある時にささっと調べて興味深い記事をリーディングリストに溜めておいて、時間がある時にそれを閲覧する。
余談ですが、今ではSafariのブックマーク、アドレス帳、メモ帳、さらにはユーザー辞書と写真(フォトストリーム)まで一瞬で同期されるようになりました。
Appleの革新は留まるところを知りませんね!
(物真似しかできない日本の某SNSなどとは大違いですw)
これらを有効活用しない手はありません。
時折発想が先行して技術が追いつかないこともありますが。そのような時は気長に待っていればだいたい実現します。
○Science DirectとWeb of knowledgeのメールアラートサービス
二つの超・有名な検索サービスはそれぞれ異なるメールアラートサービスを行っています。
またそれぞれの守備範囲は被っているものと被っていないものとがあります。
僕らの研究分野で言うと
Science Direct → Elsevier社のすべての雑誌(EPSL, GCAなど)
Web of Knowledge → EGU, Geology, Nature, Scienceなど(ただし本誌より発行遅れる)
例えばScience DirectはElsevier社が発行する雑誌はすべて新着号が発行されるたびにメールでTable of Contents(論文のタイトル、著者、場合によってはアブストも)を送ってくれます。
さらに検索アラートサービスも行っており、僕の場合は「テーマ」と「注目している研究者の名前」の2通りでアラートを設定しています。
※ちなみに、Science Directのアラートは頻繁に不具合を起こします。いまも同じ雑誌を3日連続で3回送りつけてくる始末ですw
一方のWeb of knowledgeは守備範囲が広すぎるせいか、そうした細かいサービスは行っていませんが、論文の引用アラートサービスを行っており、自分の研究の中で非常に重要な論文を登録しておくと、その論文が引用されるたびにメールで教えてくれます。
僕の場合、「The Geological Record of Ocean Acidification(Hoenisch et al., 2012, science)」などを登録しています。
これらはGmailのメールアドレスに届くように設定していますが、GmailはIMAPというプロトコルを採用しているので、クラウドに似て既読・未読の管理がしやすいです。
メーラーにも適用されるので、自宅パソコンのメーラー、研究室パソコンのメーラー、iPhoneやiPadのGmailアプリで常に同期された状態にあります。
これらの研究関連の情報収集のやり方については、某・Y口先輩の個人のウェブサイトで知り、最近になって台頭してきたクラウドサービスを活用して僕なりにアレンジしたものです。
また例のごとく生活スタイルと技術革新に併せて変化していくものと思いますが…(笑)
なのでそのうちpart.4が出るかもしれません。
ブログへのアクセスも研究アプリ系の記事へのアクセスが多いので、案外需要があるんでしょうね。