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☆主なコンテンツ
1、新着論文 2、論文概説 3、コラム 4、本のレビュー 5、雑記(PC・研究関連)
6、気になった一文集(日本語English) 7、日記(日本語English

2012年6月30日土曜日

新着論文(Nature#7404)

Nature
Volume 486 Number 7404 pp439-564 (28 June 2012)

Editorials
A first step
第一歩

Rio+20は機会の消失ではなく、新たな門出となるだろう。

Research Highlights
Turtle sex recorded in rock
岩に記録されたカメの性別

Biol. Lett. http://dx.doi.org/10.1098/rsbl.2012.0361 (2012)
ドイツの鉱山の立坑からカメの交尾の化石が発掘された。4700万年前のものらしい。火山湖の表層水で交尾中、運悪く沈んだ先が毒性のある水であったために交尾したまま死んでしまったと推測される。

Similar orbits but not densities
同じ軌道だが同じ密度ではない
Science http://dx.doi.org/ 10.1126/science.1223269 (2012)
ケプラー宇宙望遠鏡の2つの系外惑星の観測から、同じ星の周りをほとんど同じ軌道で周回している密度の全く異なる星が発見された。一つは地球に似た岩石惑星、そのすぐ外側を周回しているのは海王星に似たガス惑星であるらしい。惑星形成理論に新しい謎を投げかけている。

Carbon dioxide snow on Mars
火星の二酸化炭素の雪

J. Geophys. Res. http://dx.doi.org /10.1029/2012JE004087 (2012) 
火星の大気の大部分は二酸化炭素でできているが、北極及び南極では直径がわずか8-44μmしかない二酸化炭素の雪の結晶が形成されているらしい。火星の衛星観測から、二酸化炭素の雪は北極より南極の方が多く、それぞれ8-22、4-13μmの直径の雪の結晶が形成されているらしい。

Cyclones on the move
活動的なサイクロン
Clim. Dyn. http://dx.doi.org/ 10.1007/s00382-012-1407-z (2012)
温暖化した世界では、インドのサイクロンの発生時期が遅くなり、モンスーンのピークの時期に起きるようになる可能性があるらしい。ハワイ大の大気モデルシミュレーションから。年間の発生頻度は変わらないらしい。

Seven days
Farewell, Lonesome George 
さようなら、孤独なジョージ
'Lonesome George(孤独なジョージ)'の名で知られていたガラパゴスリクガメが亡くなった。およそ100歳 。彼自身がChelonoidis nigra abingdoniという種の最後の1頭で、絶滅危惧種のアイコン的存在であったらしい。

China dock and dive
中国のドッキングと潜水

6/24に中国はマニュアルでの宇宙ステーションへのドッキングとアリアナ海溝での7,020mの試験有人潜水を成功させた。

Nuclear protests
核への抗議運動

6/22に日本の政府官邸前に4万人もの抗議隊が集合した。7月から電力供給を開始する大井原発の再稼働を受けて、これまで政治的に無関心な日本人が珍しく行動を起こしたようだ。

Diminishing returns on fishing
漁業の再燃の消失
船団を用いた漁業は1950年代比で10倍に増えたが、効率自体は半分程度に落ち込んできているようだ。

News in Focus
Sea versus senators
海 v.s. 上院議員
ノースカロライナにおいて海水準上昇は加速しているが、一方で法制定を行う上院議員は海水準研究にブレーキをかけている。

Comment
Save the Baltic Sea
バルト海を守れ
バルト海の深層水に酸素を注入する地球工学を止めるべきだとDaniel J. Conleyは言う。

Correspondence
Limit consumption to preserve habitats
生息地を保護するために消費を制限せよ

環境汚染を軽減させるためにも先進国の大量消費を抑える必要性は言うまでもないが、それが国際貿易を通して貧しい国の生計にまで影響することも考慮する必要がある。必要なら先進国に援助や技術支援を要請しながら、途上国も環境に害をなす技術生産を制限すべきだ。

Clue to an ancient cosmic-ray event?
古代の銀河宇宙線イベントの手がかり?
アングロサクソンの年代記にAD774の銀河宇宙線の増加イベント(Miyake et al. (2012, Nature))が記述されているかもしれない?スーパーノバ起源の光の変化を記述したと思われる文章が年代記の冒頭に見つかった。

Brief Communications arising
No inter-hemispheric δ13CH4 trend observed
I. Levin, C. Veidt, B. H. Vaughn, G. Brailsford, T. Bromley, R. Heinz, D. Lowe, J. B. Miller, C. Poß & J. W. C.
Kai et al. (2011, Nature, 「Reduced methane growth rate explained by decreased Northern Hemisphere microbial sources」)に対するコメントとKai et al.の返事。1990年代の大気中のメタン濃度変動の原因を巡る議論。
Kai et al. (2011)は1990年以降のメタンのδ13C変動を説明するために、「北半球と南半球でメタンのδ13Cが異なる」ことを用い、北半球の微生物を起源とするメタン放出の減少に原因を求めたが、実際には「δ13Cは南北半球で変化していないのではないか?」という指摘。

News & Views
Swirls in the corona
コロナの中の渦巻き線
Stephen J. Bradshaw
NASAの太陽力学観測所の観測データから、太陽の表面からコロナへと伝達されるエネルギーの経路の特徴が明らかになった。

Letters
Magnetic tornadoes as energy channels into the solar corona
Sven Wedemeyer-Böhm, Eamon Scullion, Oskar Steiner, Luc Rouppe van der Voort, Jaime de la Cruz Rodriguez, Viktor Fedun & Robert Erdélyi
太陽のエネルギーが外層に輸送され、散逸される仕組みは解明されておらず、複数の説明が考えられている。太陽表面において磁場を持ち、対流性の渦が多数存在することが確認されたが、これらの渦は高速回転する磁気構造について観測される特徴であることが明らかになった。