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1、新着論文 2、論文概説 3、コラム 4、本のレビュー 5、雑記(PC・研究関連)
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2012年5月15日火曜日

新着論文(JGR, GBC)

☆Journal of Geophysical Research -Oceans-
8 May 2012 - 15 May 2012

Biological production in the NE Pacific and its influence on air-sea CO2 flux: Evidence from dissolved oxygen isotopes and O2/Ar
L. W. Juranek, P. D. Quay, R. A. Feely, D. Lockwood, D. M. Karl,5 and M. J. Church
北東太平洋において、3つの酸素同位体とO2/Ar法を用いて光合成生物活動による酸素生成率を推定。クロロフィル濃度が劇的に変化する「transition zone chlorophyll front (TZCF)」で酸素濃度が2-4倍に劇的に変化。この海域におけるCO2の収支において生物活動が非常に重要な寄与をしていると考えられる。

The equatorial Pacific cold tongue simulated by IPCC AR4 coupled GCMs: Upper ocean heat budget and feedback analysis
Yangxing Zheng, Jia-Lin Lin, and Toshiaki Shinoda
赤道東太平洋の冷舌がSSTに与える影響をIPCC AR4のときに用いられたモデルの結果から評価。観測よりもより西側に冷舌が広がることがモデルのバイアスとして確認された。水平・鉛直方向の熱輸送が過大に現れていることが原因と考えられる。またBjerknes feedbackもモデルの中では弱く再現されている。

☆Global Biogeochemical Cycles
20 March 2012 - 12 May 2012

Decrease of dissolved oxygen after the mid-1980s in the western North Pacific subtropical gyre along the 137°E repeat section
Takatani, Y., D. Sasano, T. Nakano, T. Midorikawa, and M. Ishii
北西大西洋の137º線の1967年から現在にかけてのDO(溶存酸素量)の測定値について。北太平洋亜熱帯水や北太平洋中層水で特に1980年中頃以降のDOの低下が確認された。温暖化による酸素溶解度の低下が最も大きな原因と考えられる。水塊形成場のDOの低下もかなり寄与していると考えられる。

13C constraints on ocean carbon cycle models
Sonnerup, R. E., and P. D. Quay
海水のδ13C分布をモデルで再現。北太平洋と南大洋における深層水の形成が大きく寄与。観測される14CやAOUの分布を再現するには、両地域の深層水形成をより増やすことが必要。南大洋を除いて、人為起源のδ13Cの分布は概ね再現できた。河川からの陸上炭素の流入、風の分布などが重要な因子。