20 March 2012 - 15 May 2012
S. Wang, J. K. Moore, F. W. Primeau, and S. Khatiwala
産業革命以降海洋が吸収した炭素の量を正確に見積もることは将来の炭素循環を予想する上でも非常に重要である。「ΔC*法」「TTD法」「GF法」の3つのデータに基づいた推定手法とGCMを用いた循環モデルを用いて炭素吸収量を推定し、比較を行った。全体としてはよく一致したが、ローカルな差異が最大で50%生じてしまった。モデルシミュレーションでは特に北太平洋と南大洋で海水混合と気体交換が弱く再現されてしまったため、少なく見積もってしまっている。全球スケールではGF法が最も良く再現できる。しかし将来予測に使用するには注意が必要。
Threshold of carbonate saturation state determined by CO2 control experiment
S. Yamamoto, H. Kayanne, M. Terai, A. Watanabe, K. Kato, A. Negishi, and K. Nozaki
海洋酸性化によってサンゴ礁の炭酸塩に関する不飽和が低下しつつあるが、飽和度が1を切るより先に炭酸塩の溶解が始まる可能性が指摘されているものの、野外の砂がどのように応用するかはよく分かっていない。そこで自然のサンゴ礁を模した環境を作り、人工的に酸性化した状態でアラゴナイトや高Mgカルサイトの溶解量を測定した。炭酸塩で出来たバルク堆積物はΩ = 3.7 - 3.8で溶解し始め、有孔虫や石灰藻はΩ = 3.0 - 3.2で溶解し始め、アラゴナイトでできたサンゴ骨格はΩ = 1.0で溶解し始めた。特に夜間の溶解が顕著(呼吸由来のCO2で飽和度が低下するためか)。
A hypothesis linking sub-optimal seawater pCO2 conditions for cnidarian-Symbiodinium symbioses with the exceedence of the interglacial threshold (>260 ppmv)
S. A. Wooldridge
氷期間氷期スケールのpCO2変動と珊瑚礁の共進化と併せて、褐虫藻とサンゴの共生関係の安定性を議論。温度上昇・pCO2増加・栄養塩の過剰は褐虫藻の増殖に負の影響を与える?
Calcification in the planktonic foraminifera Globigerina bulloides linked to phosphate concentrations in surface waters of the North Atlantic Ocean
D. Aldridge, C. J. Beer, and D. A. Purdie
浮遊性有孔虫(G. bulloides)の殻のサイズで規格化した重量と[CO32-]や水温、栄養塩濃度などを比較。[PO42-]が最も相関があり、[PO42-]が高いと殻の重量は低くなるらしい。[PO42-]は従来考えられていたより有孔虫の石灰化に重要な要素?