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1、新着論文 2、論文概説 3、コラム 4、本のレビュー 5、雑記(PC・研究関連)
6、気になった一文集(日本語English) 7、日記(日本語English

2012年5月12日土曜日

新着論文(Science #6082)

Science
VOL 336, ISSUE 6082, PAGES 633-760 (11 May 2012)

Editor's Choice
HYDROLOGY:Groundwater Maps for Africa 
水文学:アフリカの地下水マップ
Environ. Res. Lett. 7, 024009 (2012).
アフリカの地下水利用は今後増えることが予想されるが、肝心の地下水資源の知識は乏しいと言う問題がある。新たに作成された地図によると、地下水は今のところ地表の水資源をはるかに超える量が存在することが分かったものの、アフリカ大陸内部でも不均質に分布している。今後の質管理と枯渇に注意する必要がある。

CLIMATE SCIENCE:The Climate of the Apes
気候科学:猿の気候
Geology 10.1130/G32990.1 (2012).
Miocene中期(〜1500万年前)は猿の進化を考える上で非常に重要な時代である。従来この次期に概して温暖であったことが猿がユーラシアへ広がり、多様性が増したことの原因だと考えられてきた。しかしこの時代における化石証拠は少ない。気温上昇が熱帯雨林の拡大に貢献し、猿の生息域拡大に貢献した可能性があることが気候モデルシミュレーションから示された。

News & Analysis
ASTRONOMY:Venus's Rare Sun Crossing May Aid Search for Exoplanets
天文学:稀にしか起きない火星の太陽横断現象が系外惑星の研究の一助となるかもしれない
今世紀最後のイベント、火星の太陽横断に天文学者の注目が集まっている。

News Focus
PALEOBOTANY:Primeval Land Rises From the Ashes
古植物学:古代の土地が灰の中から出てくる
中国西部で発見された、火山灰の中に埋もれたペルム紀の植物化石群’vegetational Pompeii’が過去の気候と生態系に光を当てる。

INVASIVE SPECIES:Researchers Set Course To Blockade Ballast Invaders
浸入生物種:バラストに侵入する生物を食い止める研究計画が始まった
科学者は船のバラストに侵入する生物を防ぐ装置の開発に取り組んでいる。

INVASIVE SPECIES:A Foul Problem
浸入生物種:詰まるという問題
バラストに侵入する生物以外にも船の表面に付着する生物(イガイ、フジツボ、藻類など)の脅威もまた問題である。

Letters
Conservation Concerns in the Deep
深海の保全への関心

チャレンジャー海溝と同程度の深さに棲息するヨコエビの胃の内容物から牛の遺伝子が検出された。これは海上を航行する船から捨てられた食料の一部であると推定される。今後の気候変動による深層水の温度、酸素濃度、pHの変化も大きな影響を与えると考えられるが、深海の生態系の謎を明らかにするとともに、保全もより一層考える必要がある。

Perspectives
GEOPHYSICS:Understanding Earthquakes
地球物理学:地震を理解する
洗練された物理モデルでサンアンドレアス断層の一部の地域における地震を再現できるらしい。

CLIMATE CHANGE:The Ice Age Carbon Puzzle
気候科学:氷期の炭素のパズル
Edward Brook
アイスコア中の二酸化炭素のd13Cが最終退氷期の炭素循環を考える上で助けになる。

Reports
Under the Hood of the Earthquake Machine: Toward Predictive Modeling of the Seismic Cycle
Sylvain Barbot, Nadia Lapusta, and Jean-Philippe Avouac
コンピュータを用いたシミュレーションで、サンアンドレアス断層の一部で発生する地震の長期的な再来を再現。

Carbon Isotope Constraints on the Deglacial CO2 Rise from Ice Cores
Jochen Schmitt, Robert Schneider, Joachim Elsig, Daiana Leuenberger, Anna Lourantou, Jérôme Chappellaz, Peter Köhler,Fortunat Joos, Thomas F. Stocker, Markus Leuenberger, and Hubertus Fischer
3本の南極アイスコアから過去24kaの二酸化炭素中のd13Cを復元。最終退氷期のd13Cの変化は南大洋における深層水湧昇の強化によって説明可能。またHoloceneのd13Cのわずかな変動は陸上の炭素リザーバーの変化、海洋循環の変化、海水温によって説明される。またLGMにおいては炭素循環は平衡に達していて、それ以前に深層への炭素の移動が完了していたことが示唆される。