Main contents


☆主なコンテンツ
1、新着論文 2、論文概説 3、コラム 4、本のレビュー 5、雑記(PC・研究関連)
6、気になった一文集(日本語English) 7、日記(日本語English

2012年5月9日水曜日

新着論文(Nature #7396)

Nature
Volume 485 Number 7396 pp5-142 (3 May 2012)

Research Highlights
Wetter, drier with warming
温暖化とともにより湿潤に、より乾燥に
J. Geophys. Res. http://dx.doi. org/10.1029/2012JD017499 (2012)
将来の予測シミュレーションから、温暖化した世界では現在湿潤な地域はより湿潤に、乾燥した地域はより乾燥することが分かった。しかしながら同じモデルで1979-2008にかけての降水量と温度変化を比較したところ、明瞭な繋がりは確認されなかったという。

Features
Peopling the planet
地球を人間化する
これまでの古典的な考え方では、「人類は5万年前にアフリカを出発し、アジアへ広がった。途中ヨーロッパにも分岐し、先住のネアンデルタール人を滅ぼした。さらにその後ベーリング海を渡り、アメリカ大陸に至った」と考えられているが、ここ5年程度の研究から様々な矛盾点が浮き彫りになってきた。10万年前にアラビア半島で人類が居住していた証拠が見つかるなど、面白くなってきた。

Human migrations: Eastern odyssey
人類移動:東への放浪の旅

人類のアジアへの広がりについての我々の従来の考え方が議論の的になっている。

Archaeology: Date with history
考古学:歴史に基づいた年代
新しい放射性炭素年代測定結果がヨーロッパに人類が到達した時代を刷新することになった。

Ancient migration: Coming to America
古代の人類移動:アメリカにたどり着く
Clovisを狩る人々がアメリカに到達した初めての人類だったという従来の考えは間違いだった?

Comment
Evolution: What makes a modern human
進化:何が現代人を作るのか
我々は古代人(ネアンデルタール人など)の遺伝子を引き継いでいる。何故遺伝子の違いではなく類似点が重要なのか?

Books and Arts
How a world came to be
どのように世界は形成されたのか?固体地球と生命の相互進化について<書籍の紹介>
 The Story of Earth: The First 4.5 Billion Years, From Stardust to Living Planet
  Robert M. Hazen, Viking Books: 2012. 320 pp. / $27.95, £17.50 / ISBN: 9780670023554

News & Views
Solar System: Focus on ancient bombardment
太陽系:古代の爆撃に着目する
太陽系形成後4億5千万年後に開始したと考えられている「重爆撃期(頻繁な小惑星衝突)」は従来考えられていたより長く起こっていた?

Earth science: Lower mantle may be rich in silica
地球科学:下部マントルはシリカに富んでいたかもしれない
従来の考えでは下部マントルがシリカが少ないと考えられていたが、上部マントルよりもシリカに富んでいる可能性がある。

LETTERS
Impact spherules as a record of an ancient heavy bombardment of Earth
B. C. Johnson & H. J. Melosh
全球に渡ってスフェリュール層を形成した小惑星の大きさと衝突時の速度を推定。また年代測定から35億年前に頻繁に小惑星衝突が起きていたことを示唆している。

An Archaean heavy bombardment from a destabilized extension of the asteroid belt
William F. Bottke, David Vokrouhlický, David Minton, David Nesvorný, Alessandro Morbidelli, Ramon Brasser, Bruce Simonson & Harold F. Levison
後期重爆撃(LHB)は37-38億年前に月のオリエンタル盆地の形成を最後に終結したと考えられている。しかし地球上にはそれよりも後に形成された小惑星衝突の証拠が多数残っている。LHBが従来考えられていたよりも長期間継続しており、さらにその元となった小惑星はEベルトと呼ばれる、現在はほとんど消失した小惑星帯から飛来したものと考えられる。37-17億年前にもチチュルブクレーターに相当する規模の小惑星衝突が起きていた可能性がある。

A perovskitic lower mantle inferred from high-pressure, high-temperature sound velocity data
Motohiko Murakami, Yasuo Ohishi, Naohisa Hirao & Kei Hirose
ブリルアン散乱分光測定を用いて、下部マントル深部の圧力温度条件下におけるケイ酸塩ペロブスカイトとフェロペリクレースのS波速度を決定した。上部マントルと比較して下部マントルはケイ素に富んでおり、コンドライト的地球モデルと一致することを示唆している。マントルは層状に対流している?