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☆主なコンテンツ
1、新着論文 2、論文概説 3、コラム 4、本のレビュー 5、雑記(PC・研究関連)
6、気になった一文集(日本語English) 7、日記(日本語English

2012年12月23日日曜日

新着論文(Ngeo#Jan2012特集)

Nature Geoscience
January 2013, Volume 6 No 1 pp1-76

Features 'Five years of Earth science'
特集’地球科学の5年間’

Adapting the assessments
評価に適応する
Thomas F. Stocker
「気候変動に対する評価はもう既に済んでおり、これからは複雑な気候の情報を政策決定者に示す最善の方法を模索するときがきた」とThomas F. Stockerは示唆する。IPCCのこれまでとこれからの役割について。

The epoch of humans
人間の時代
Jan Zalasiewicz
人間は取り返せないほどに世界を変えた。「人間の時代(Anthropocene)」という地質時代の定義を正式に導入することで地球史上の我々の位置づけについて理解することの助けとなるかどうか、Jan Zalasiewiczが議論を行う。

The mystery of atmospheric oxygen
大気中の酸素の謎
James Kasting
酸素は生命にとって必要不可欠なものである。James Kastingがいつ・どのように最初の酸素が地球の大気にもたらされたのかを概観する。

The great sea-ice dwindle
大きな海氷縮小
Marika Holland
北極海の海氷量の最低値は年々記録を更新している。Marika Hollandが将来の北極の海氷の運命について熟考する。

Megathrust surprises
メガスラストの驚き
Kelin Wang
ここ5年間に多くの地震が起こり、そのうちのいくつかは破壊的なものであった。Kelin Wangが浅部の地震について我々が学んだことを記述する。

A steep learning curve
急な学習曲線
Ulf Riebesell
人為起源のCO2の吸収によって生じる海洋酸性化は海洋生物を圧迫している。「海洋酸性化の悪影響の発見」から「その政治的な認識」まで、Ulf Riebesellが海洋酸性化研究の急速な発展を図示する。

Freshwater in flux
流れのなかの淡水
Jonathan Cole
地球の物質循環のうち、驚くべきものは内陸の水循環である。Jonathan Coleは水と陸域との相互作用が従来考えられていたよりも激しく、そして興味深いことを示唆する。

A crowded Solar System
混雑した太陽系
Barbara Cohen
この5年間は太陽系探査の年であった。Barbara Cohenが最も大きな利益が地球にあることを説明する。

Sensitivity from history
歴史から学ぶ感度
Matthew Huber
温室効果ガスのフォーシングに対する地球の気候感度の謎は我々が気候変動を理解する上での問題となっている。Matthew Huberが過去の温室時代から何を学べるかを概観する。

Commentary
Built for stability
安定のために構築された
Paul Valdes
最新の気候モデルでも現実に起こっている急激な気候変動についてはほとんど検証がなされていない。そうしたモデルを用いてなされた来る数世紀の気候変動シミュレーションが、急激で破壊的な気候変動に対して「信頼に足る警告を発している」と想定するのは盲信である。

Feature
How a century of ammonia synthesis changed the world
アンモニア合成の世紀がどれほど世界を変えたか
Jan Willem Erisman, Mark A. Sutton, James Galloway, Zbigniew Klimont & Wilfried Winiwarter
1908年10月13日、Fritz Haberが「元素からアンモニアを合成する」という特許を得て、のちの1918年のノーベル化学賞を受賞することとなった。それから100年間、我々はハーバー・ボッシュ法(Haber-Bosch)によって改変され、そしてそれに強く依存した世界に生きている。

'Ten favourite papers'
編集部が選んだ10編のお気に入りの論文
以下は既に別の号に公表された論文。一部だけ紹介します。

Review
Palaeozoic landscapes shaped by plant evolution
植物の進化によって形作られる中生代の地形
Martin R. Gibling & Neil S. Davies
中生代(540 - 250 Ma)を通して植物は土地を支配し、多様化してきた。そうした植物の多様化が最終的に河川システムの形を変化させてきたことが記録から分かってきた。

Letter
Slight mass gain of Karakoram glaciers in the early twenty-first century
21世紀初頭のカラコラム氷河のわずかな質量増加
Julie Gardelle, Etienne Berthier & Yves Arnaud
1999〜2008年にかけてカラコラム氷河は質量を増加させていることが分かった。

Hydrogen isotope ratios in lunar rocks indicate delivery of cometary water to the Moon
月の石の水素同位体が示唆する月に届けられた隕石の水
James P. Greenwood, Shoichi Itoh, Naoya Sakamoto, Paul Warren, Lawrence Taylor & Hisayoshi Yurimoto
月の水の起源は明らかになっていない。アポロ計画の際に得られた月の石の水素同位体の分析から、ジャイアント・インパクト後すぐの隕石衝突によってかなりの量がもたらされた可能性が示唆される。

Deforestation driven by urban population growth and agricultural trade in the twenty-first century
21世紀の都市部の人口増加と農業貿易によって駆動される森林破壊
Ruth S. DeFries, Thomas Rudel, Maria Uriarte & Matthew Hansen
熱帯雨林の森林破壊を防ぐことは、気候変動緩和という点においても安価な方法の一つである。人工衛星を用いた観測から、都市部の人口増加と農業製品の需要の高まりが森林破壊の主な原因であることが示唆される。

Articles
Climate and human influences on global biomass burning over the past two millennia
過去2000年間に気候と人間が全球の森林火災に与えた影響
J. R. Marlon, P. J. Bartlein, C. Carcaillet, D. G. Gavin, S. P. Harrison, P. E. Higuera, F. Joos, M. J. Power & I. C. Prentice
過去2000年間の森林火災の記録を6つの大陸についてまとめたところ、「気候」「人口」「土地利用」が森林火災のパターンと関係があることが分かった。150年前以降は森林火災の頻度が減るが、これは「過放牧」「農業」「火の管理」などと関係がありそうである。