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☆主なコンテンツ
1、新着論文 2、論文概説 3、コラム 4、本のレビュー 5、雑記(PC・研究関連)
6、気になった一文集(日本語English) 7、日記(日本語English

2013年6月6日木曜日

新着論文(Nature#7452)

Nature
Volume 498 Number 7452 pp5-132 (6 June 2013)

EDITORIALS
The paper trail
論文の足跡
科学者は科学助成機関が研究成果を追跡できる手助けをし、論文のオープン・アクセス化を奨励しなければならない。

Moral authority
道徳の権威
たとえ冗長なレビューがしつこく続くことになったとしても、研究は理解可能でなければならない。

RESEARCH HIGHLIGHTS
The bees are back in Europe
ハチがヨーロッパに帰ってくる
Ecol. Lett. http://dx.doi. org/10.1111/ele.12121 (2013)
イギリス・オランダ・ベルギーにおける固有植物と花粉媒介者の調査から、生物多様性が1990年までは減少傾向にあったが、その後減少速度が鈍化していることが示された。オランダとイギリスではハチの多様性は上昇していたという。気候変化の影響もさることながら、保護政策がうまくいった結果だと考えられている。

Divers soar after net ban
網の禁止ののちダイバーが急上昇した
Biol. Lett. 9, 20130088 (2013)
カナダ東部における漁業を原因とするタラとサーモンの個体数の減少ののち、海鳥の個体数が増加していることが示された。網に誤って混入してしまう潜るタイプの海鳥が減ったことが原因かもしれない。逆に海面で漁業の残り物にあやかる潜らない海鳥の個体数は減少していた。漁業が海鳥に与える影響を証明するにはまだ多くのデータが必要と考えられている。
>より詳細な記事
Terrible toll of fishing nets on seabirds revealed
Daniel Cressey

More rain in ozone’s absence
オゾンがないとより多くの雨が降る
Clim. Dyn. http://dx.doi. org/10.1007/s00382-013- 1777-x (2013)
20世紀後半は南米の夏の降水量が極めて多かった。6つの気候モデルを用いたシミュレーションから、南極の成層圏のオゾン量の低下が、南米亜熱帯域の降水を増加させていることが示された。南極のオゾン層が回復するにつれて、南米の降水量は安定化するか、逆に減少するかもしれない。

SEVEN DAYS
Wandering wheat
さまよう小麦
アメリカ・オレゴン州において認可されていないはずの遺伝子組み換え小麦が発見された。1998年から2005年に野外実験されたものが紛れ込んだ可能性がある。食の安全には影響はないと伝えられている。

Fish deal decided
魚の量が決定された
健全な資源量の保護と誤った漁獲を減らすことを目的として、EUは漁業の許容量を新たに設定した。

Tag-along moon
つきまとう衛星
5/31に地球をかすめた直径2.7kmの天体(1998 QE2)は直径600mの衛星を持っていたことがレーダーの観測から明らかに。
>関連した記事(ナショナル・ジオグラフィック)
衛星を持つ巨大小惑星、地球近傍を通過

Martian minerals
火星の鉱物
打ち上げられてから約10年、ヨーロッパ宇宙航空局のMars Express spacecraftが火星の地表全体の主要鉱物をマッピングし終えた。水和鉱物の塊は火星の初期に水が存在したことを示唆している。

NEWS IN FOCUS
‘Plastic wood’ is no green guarantee
’プラスチック製木材’はグリーンな保障にはならない
Jeff Tollefson
熱帯雨林の木材の代替物としてのプラスチック製木材の恩恵に対して疑問が投げかけられている。

Europe reforms its fisheries
ヨーロッパがその漁業を見直す
Daniel Cressey
科学のアドバイスに基づいた漁獲制限の同意が得られようとしている。

CORRESPONDENCE
Alien species: Monster fern makes IUCN invader list
外来種:怪物シダがIUCNの侵入者リストを作る
Franck Courchamp

Satellites: Make data freely accessible
人工衛星:データを自由にアクセスできるようにする
Woody Turner

Satellites: Ambition for forest initiative
人工衛星:森林のイニシアチブのための野望
Giles Foody

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RESEARCH
NEWS & VIEWS
Climate science: Plant a tree, but tend it well
気候科学:木を植えよ、しかし上手に手入れせよ
Julia Pongratz
人類の影響を受けた森林が回復するとき、大量の人為起源CO2を吸収する。しかしシミュレーションから、栄養が足りていないとその吸収能力が制限されることが示された。

[以下は引用文]
But although fossil fuels can be replaced, at some cost, by carbon-neutral alternatives, we will continue to depend on managing Earth’s land surface for food and fibre.
しかし、化石燃料はある程度のコストを払えばカーボン・ニュートラルな代替物に置き換えることは可能であるが、我々は食糧と繊維のために地球の陸地を管理することに依存し続けるのである。


REVIEW
Ice-sheet mass balance and climate change
氷床の質量収支と気候変化
Edward Hanna, Francisco J. Navarro, Frank Pattyn, Catia M. Domingues, Xavier Fettweis, Erik R. Ivins, Robert J. Nicholls, Catherine Ritz, Ben Smith, Slawek Tulaczyk, Pippa L. Whitehouse & H. Jay Zwally
IPCC AR4の公表以降6年が経過したが、これまでにグリーンランド・南極氷床の質量収支に対する新たな測定がなされ、コンピューター・シミュレーションをもとに継続する気候変化に対してどのように氷床が応答するかの予測が数多くなされた。グリーンランド氷床が加速度的に質量を失っている一方で、南極氷床の氷は従来推定されていたほどには質量を失っていないようである。過去20年間に東南極が氷を得たのか失ったのかについてもまだはっきりしておらず、西南極・南極半島の質量の変化の推定も不確実性が非常に大きいままである。過去6年間の進展と残された課題をレビューする。

ARTICLES
The oldest known primate skeleton and early haplorhine evolution
知られている中で最古の霊長類の骨格と初期の直鼻猿亜目の進化
Xijun Ni, Daniel L. Gebo, Marian Dagosto, Jin Meng, Paul Tafforeau, John J. Flynn & K. Christopher Beard
霊長類の最も初期のフェーズの理解は、化石記録が得られていないことによって妨げられていた。これまで得られているものの中では最古となる、始新世初期のほぼ完全な、小さな霊長類の化石は、両方の特徴を有していることから、メガネザル(tarsier)と類人猿(anthropoid)がちょうど分岐する頃のものと思われる。

LETTERS
Argon isotopic composition of Archaean atmosphere probes early Earth geodynamics
太古代の大気のアルゴン同位体組成が初期の地球力学を明らかにする
Magali Pujol, Bernard Marty, Ray Burgess, Grenville Turner & Pascal Philippot
35億年前の熱水石英のアルゴン同位体分析から、大陸地殻が初期に発達し、地球史前半における気候変動において重要な役割を負っていたことが示唆されている。