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☆主なコンテンツ
1、新着論文 2、論文概説 3、コラム 4、本のレビュー 5、雑記(PC・研究関連)
6、気になった一文集(日本語English) 7、日記(日本語English

2013年1月25日金曜日

新着論文(Science#6118)

Science
VOL 339, ISSUE 6118, PAGES 365-480 (25 JANUARY 2013)

Editors' Choice
Flat Weathering
平地の風化
Geology 10.1130/G33918.1 (2013).
風化はCO2を吸収する働きがあるが、これまで山地帯の風化にばかり焦点が当てられてきたが、世界の1,000もの川の傾斜と10Beを組み合わせた研究から、低地が全球の風化の収支を支配していることが示された。

Don’t Throw It in the Bin!
瓶ゴミに捨てないで!
Environ. Sci. Tech. 10.1021/es302886m (2012).
CFLやLEDなどの照明器具はエネルギー効率を飛躍的に向上させたが、金属類を多く含むため例えばカリフォルニアの廃棄ゴミの基準から鉛・銅・亜鉛などの濃度が上回っている。また使用されている一部の金属資源は量が限られているため、適切な処理を行うこと・使用量を減らすこと・照明の寿命を伸ばすためのさらなる技術開発などが必要とされている。

News of the Week
※今回は省略

News & Analysis
Soot Is Warming the World Even More Than Thought
ススは従来考えられてきたよりも世界を暖めている
Richard A. Kerr
 ディーゼルエンジンや料理、船舶、石油プラントなどから出てくるスス(ブラック・カーボン)は健康に害をなすだけでなく、従来考えられていたよりも2倍温暖化に寄与しているらしい。International Global Atmospheric Chemistry Projectの一環として行われたこの研究では31名の各分野の研究者が参加し、20人ものピア・レビューを経て、JGR-atmosphereに公表された(232ページ!)。ススそのものが太陽光を吸収する効果だけでなく、雲粒を小さくしたり(より光を反射させる)、雪や氷を汚して融けやすくしたりする効果によって、総合的に「1.1 W/m2」の放射強制力を持っていると推定されている。これはCO2の温室効果による放射強制力(1.6 W/m2)に次ぐ、温暖化の2番目の原因とされている。
 ただし、ススの排出を直ちに失くせば温暖化が緩和されるわけではないらしい。エアロゾルが気候に与えている影響そのものがまだよく分かっていない。さらに、石炭を燃やすことでススが出るが、同時に硫黄も放出しており、硫黄は地球を寒冷化させる効果を大気上層で発揮している。森林火災もまたススを出すが、同時に出る’有機炭素’には雲への影響を通じて地球を寒冷化させる効果が知られている。
>問題の論文
Bounding the role of black carbon in the climate system: A scientific assessment
T. C. Bond et al.

Foreigners Run Afoul of China's Tightening Secrecy Rules
外国人が中国の徐々にきつくなる秘密ルールと衝突する
Mara Hvistendahl
中国政府は外国人研究者が中国国内でフィールドワークを行う権限を削減しようとしている。

News Focus
Eating Was Tough For Early Tetrapods
初期の四肢動物にとって食べることは大変なことだった
Elizabeth Pennisi
海から陸へと進出した四肢動物は最初どうやって食べ物を飲み込んだのだろうか?

Nervous System May Have Evolved Twice
神経システムは2度進化したかもしれない
Elizabeth Pennisi
クシクラゲ類(comb jelly)のゲノム解読から、「生命の歴史上神経系の進化は1度しか起きなかった」とする従来の考えが覆されようとしている。

Snapshots From the Meeting
会合からのスナップショット
Elizabeth Pennisi
研究者たちは「薄暗い中、蛾はどうやって花を見つけるのか」、「強い波の中、石灰藻はどうやって生き残るのか」を不思議に思っている。

Letters
Accidental Island Voyagers
偶然の島への旅人
Graeme D. Ruxton and David Mark Wilkinson
「従来考えられていたよりも早く地中海の島々に古代人類が到達していたこと」についてのコメント。
>問題の記事(Perspectives, Science 336, 895-897)
Mediterranean Island Voyages
Alan Simmons
Accidental Island Voyagers—Response
「偶然の島への旅人」に対する返答
Alan Simmons et al.

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Research
Perspectives
特になし

Review
Can We Name Earth's Species Before They Go Extinct?
我々は地球上の生物が絶滅する前に彼らに名前を与えることができるだろうか?
Mark J. Costello, Robert M. May, and Nigel E. Stork
「ほとんどの生物は発見される前に絶滅してしまうだろう」と悲観的に考える人がいるが、それはまだ記載されていない生物が大量に残っていると想定しているからである。現在地球上には500 ± 300万種類の生物が存在し、そのうち150万種が記載されている。新たなデータベースによれば、分類学者の数はますます増え続けており、その増加速度は論文に記載される種数の増加速度よりも大きいらしい。

Research Articles
特になし

Reports
Identification of the Long-Sought Common-Envelope Events
N. Ivanova et al.

Synchronous X-ray and Radio Mode Switches: A Rapid Global Transformation of the Pulsar Magnetosphere
W. Hermsen et al.

To Favor Survival Under Food Shortage, the Brain Disables Costly Memory
Pierre-Yves Plaçais and Thomas Preat
満腹状態と空腹状態とで記憶力にどのような影響が出るかがショウジョウバエで調べられ、「空腹ほど記憶力が向上すること」が示された。

Fasting Launches CRTC to Facilitate Long-Term Memory Formation in Drosophila
Yukinori Hirano et al.
満腹状態と空腹状態とで記憶力にどのような影響が出るかがショウジョウバエで調べられ、「空腹ほど記憶力が向上すること」が示された。
>プレスリリース
Yahoo News日経新聞時事ドットコム

Comparative Analysis of Bat Genomes Provides Insight into the Evolution of Flight and Immunity
コウモリのゲノムの比較研究が飛行と免疫の進化に対する新たな知見を与える
Guojie Zhang et al.

Technical Comments
Comment on "Radiative Absorption Enhancements Due to the Mixing State of Atmospheric Black Carbon"
’大気中のブラックカーボンの混合による放射吸収の促進’に対するコメント
Mark Z. Jacobson

Response to Comment on "Radiative Absorption Enhancements Due to the Mixing State of Atmospheric Black Carbon"
コメントに対する返答
Christopher D. Cappa et al.