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1、新着論文 2、論文概説 3、コラム 4、本のレビュー 5、雑記(PC・研究関連)
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2013年1月3日木曜日

新着論文(Nature#7430)

Nature
Volume 493 Number 7430 pp5-128 (3 January 2013)

SEVEN DAYS
※今回は省略

NEWS IN FOCUS
Methane leaks erode green credentials of natural gas
メタン漏れが天然ガスのグリーン資格を浸食する
Jeff Tollefson
よりクリーンなエネルギー源として天然ガスの採掘が加熱しているが、2012年2月にアメリカ・Denverにおけるガス田から「4%」ものメタンが大気へとリークしていることが指摘された。この量がアメリカ全土のガス田で同じ割合でリークしているとすれば、天然ガスへのシフトによる恩恵を打ち消すほどの温暖化効果がある。ColoradoやUtahにおいてはなんと「9%」ものメタンが大気へとリークしていることが先日のAGUにて発表された。ただし、見積もりの方法についてはまだ議論がなされている。彼らは濃度から見積もったが、別の同位体を用いた推定からは以前と同程度の推定値が得られている(それでもリークしていることは間違いない)。

COMMENT
Improve weather forecasts for the developing world
発展途上国における天気予報を改善せよ
「天気予報の全球的なパートナーシップはそれほどコストもかからず、洪水・干ばつ・熱帯低気圧などの地域的な災害から人々を救うことが可能である」とPeter J. Websterは主張する。

CORRESPONDENCE
Science alone cannot shape sustainability
科学だけでは持続可能性を作ることはできない
RIO+20で同意された世界の発展目標を達成するのに科学は貢献できる・貢献すべきであるが、科学に基づいた政策決定だけでは非生産的である。気候変動に対して政策決定者は様々な科学の方策を聞き入れてはいるが、最も実効的な気候変動緩和策については未だに同意が得られていない

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RESEARCH
NEWS & VIEWS
Fossils come in to land
化石が陸上に進出
Shuhai Xiao & L. Paul Knauth
エディアカラ紀に相当するオーストラリアの地層の化石はこれまで海の生物のものと考えられてきた。しかし、新たな研究によってこれらは土壌の化石であり、生物が既に陸上に進出していた可能性が指摘されている。それらは地衣類のようなものだったのだろうか?古生物学者と地質学者のShuhai XiaoとL. Paul Knauthが証拠を検討する。

Andromeda's extended disk of dwarfs
R. Brent Tully

All in the timing
すべてはタイミングの中に
Steve Hatfield-Dodds
Rogelj et al.の解説記事。
500ものシナリオに基づいて将来の気候変動緩和政策のコストを推定したところ、国際的な行動開始のタイミングが最も大きな影響を与えることが分かった。しかしタイミングの影響は非線形的で、例えば開始時期が2020年から2025年に5年間遅れただけで、温暖化が2度以内に抑えられる可能性が著しく低下することが示された。次いで不確実性が大きいのが地球システムの温暖化に対する応答やフィードバックであるが、モデル研究が一般にそうであるように、永久凍土の融解に伴うさらなるCO2やメタンの放出などは考慮できていない。Rogelj et al.の推定はやや楽観的な側面もある。

ARTICLES
特になし

LETTERS
A vast, thin plane of corotating dwarf galaxies orbiting the Andromeda galaxy
Rodrigo A. Ibata et al.

Giant magnetized outflows from the centre of the Milky Way
Ettore Carretti et al.

Probabilistic cost estimates for climate change mitigation
気候変動を緩和するための確率的なコスト推定
Joeri Rogelj, David L. McCollum, Andy Reisinger, Malte Meinshausen & Keywan Riahi
10年以上もの間、「温暖化を2度以内に抑える」という目標が掲げられ、その目標を達成するためのコストの推定がなされてきた。しかしコスト推定には異なる分野間の知識を統合することの不確実性や、将来の気候応答の推定における不確実性などが多数存在する。
 「地球物理学的な」「技術的な」「社会的な」「政治的な」4つの要因を考慮し、温暖化をある特定の温度に徐々に抑えることに伴うコスト推定の分布を示す。温暖化抑制を遅らせる政治決定が最もコスト・リスク分布に影響することが分かった。

The oxidation state of the mantle and the extraction of carbon from Earth’s interior
マントルの酸化状態と地球内部からの炭素の抽出
Vincenzo Stagno, Dickson O. Ojwang, Catherine A. McCammon & Daniel J. Frost

Ediacaran life on land
陸上のエディアカラ生物
Gregory J. Retallack
オーストラリアで発見されたエディアカラ生物群は従来カンブリア爆発で誕生した海の生物の化石であると考えられてきた。しかしそれらが陸上の古土壌の地層中の化石であるという報告が最近になってなされてきた。例えば、「ラグーン・風成堆積物」「dilation crack」「土壌ノジュール」「砂の結晶」「安定同位体」「地球化学的な質量収支」などの証拠が得られている。
 南オーストラリアのエディアカラ紀に相当する地層の新たな解釈から、エディアカラ生物群の内のいくつかの生物は陸上生物であることが示唆される。また当時は乾燥した寒冷な気候であったらしい。これらの化石は動物ではなく、菌類が多数を占める陸上生物のものであることが示唆される。