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1、新着論文 2、論文概説 3、コラム 4、本のレビュー 5、雑記(PC・研究関連)
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2012年8月16日木曜日

新着論文(Nature#7411特集)

Nature
Volume 488 Number 7411 pp253-424 (16 August 2012)

INSIGHT: CHEMISTRY AND ENERGY
「化学とエネルギー」特集
世界は今後のエネルギー需要に化石燃料だけに頼ることはできない。別のコストに見合う、持続可能な資源を見つけなければならない。この特集では太陽光発電、水に関連した電力生産、バイオ燃料に焦点を当てる。
※すべてオープンアクセスです。

Editorial
Chemistry and Energy
化学とエネルギー
Rosamund Daw, Joshua Finkelstein, Magdalena Helmer
生命は安価で豊富なエネルギーがなければ存続できないだろう。世界のエネルギーの85%は化石燃料の燃焼から賄われている。科学者は世界が温暖化していることを基本的には認めており、気候変動が海水準上昇や疫病の増加、化石燃料・水・食料を求めて人々が争うのではないかということを懸念している。明らかに、行動が必要とされている。エネルギー消費を抑え、より効率よく・より質素に生きることが第一であるが、他の道もあるかもしれない。この特集記事では、他のエネルギー源からエネルギーを引き出す技術革新についてその一部を紹介する(光電池、藻類の生産する燃料など)。これらの記事を見て、若い科学者やエンジニアが刺激を受け、持続可能なエネルギーに支えられた未来の創出へと繋がることを期待する

Perspective
Opportunities and challenges for a sustainable energy future
未来の持続可能なエネルギーへ向けた見込みと挑戦
Steven Chu & Arun Majumdar
産業革命以降、綺麗で、安価で、信頼できるエネルギーは人類の繁栄を支え続けてきた。太陽光・水力・微生物を利用したバイオ燃料の生産などは今後のエネルギーを支えるものの一つである。電力の輸送から電力生産なども含めて、未来の持続的なエネルギーに向けてなされている試みや研究についてのレビュー。

Reviews
Materials interface engineering for solution-processed photovoltaics
Michael Graetzel, René A. J. Janssen, David B. Mitzi, Edward H. Sargent
発電効率を増加させ、コストを低下させるために、太陽光電池の改良が強く求められている。溶液で加工された太陽光電池はコストにも見合い、物理的な柔軟性もある。それらの急速な発展が太陽光発電の効率化を支えている。

Membrane-based processes for sustainable power generation using water
Bruce E. Logan, Menachem Elimelech
水は火力・水力発電の際に必要となるものであるが、実は水や汚水そのものが膜(membrane)を活用することでエネルギー源となり得る。海水を用いた発電法は浸透圧を利用するものと、電気透析を利用するものがある。他にも人工的に熱分解性の塩などの溶質を加えることで塩分勾配を作り出すこともできる。さらに、汚水中の有機物を起源とするエネルギー生産も可能であり、この方法は汚水処理とエネルギー生産の両方を同時に可能にする。

Microbial engineering for the production of advanced biofuels
Pamela P. Peralta-Yahya, Fuzhong Zhang, Stephen B. del Cardayre, Jay D. Keasling
微生物の生産するバイオ燃料は石油に似た性質を持つ燃料であり、現在のインフラに介入できる可能性を秘めている。しかし微生物の代謝をコントロールするのは必要があり、原料や生産を行う微生物本体が一つあればいいというわけでもない。燃料生産を最大限に効率化するにはデータに基づいた合成生物学(synthetic-biology)のアプローチが有効である。いくつか成功はあるものの、現行の燃料に張り合えるほどの商業化にはまだ多くの課題が残されている。

Exploiting diversity and synthetic biology for the production of algal biofuels
D. Ryan Georgianna, Stephen P. Mayfield
バイオ燃料は再生可能なエネルギーの中でも、より持続可能なものである。それは特に、耕作地などを必要としない藻類などの生物からつくられるものほどより効果を発揮する。藻類起源のバイオ燃料の実用化と経済化を行うための品種改良とプロセス工学が必要とされている。