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1、新着論文 2、論文概説 3、コラム 4、本のレビュー 5、雑記(PC・研究関連)
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2013年9月27日金曜日

新着論文(Science#6153)

Science
VOL 341, ISSUE 6153, PAGES 1421-1548 (27 SEPTEMBER 2013)

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Special Issue
〜Curiosity at Gale Crater〜

INTRODUCTION
Analysis of Surface Materials by the Curiosity Mars Rover
John P. Grotzinger

Research Articles
Soil Diversity and Hydration as Observed by ChemCam at Gale Crater, Mars
P.-Y. Meslin et al.

X-ray Diffraction Results from Mars Science Laboratory: Mineralogy of Rocknest at Gale Crater
D. L. Bish et al.

Volatile, Isotope, and Organic Analysis of Martian Fines with the Mars Curiosity Rover
L. A. Leshin et al.

The Petrochemistry of Jake_M: A Martian Mugearite
E. M. Stolper et al.

Curiosity at Gale Crater, Mars: Characterization and Analysis of the Rocknest Sand Shadow
D. F. Blake et al.

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EDITORIAL:
Mercury and Health
水銀と健康
Marcia McNutt
環境中の水銀汚染が人に与える健康被害やその規制の取り組み(水俣条約)などについて。

Editors' Choice
Banding Together
団結する
Sci. Rep. 3, 2633 (2013).
通常、鍾乳石をはじめとする洞窟内の二次生成物の縞は年縞と考えられている。300年の記録を有する鍾乳石を高精度にU/Th年代測定したところ、縞が必ずしも1年に1枚刻まれておらず、最大で数年間の誤差が生じることが示された。
>話題の論文
Testing the annual nature of speleothem banding
Chuan-Chou Shen, Ke Lin, Wuhui Duan, Xiuyang Jiang, Judson W. Partin, R. Lawrence Edwards,  Hai Cheng & Ming Tan
しばしば鍾乳石は年縞を形成すると仮定されている。中国の仙人洞(Xianren Cave)から得られた鍾乳石の過去300年分の縞一つ一つを年代決定の精度±0.5年でU/Th年代測定したところ、その仮定が成り立っていないことが示された。偽の縞の存在や縞が消えていることによって、絶対年代が数年ずれることが分かった。

News & Analysis
U.S. Carbon Plan Relies on Uncertain Capture Technology
アメリカの炭素計画は不確かな捕獲技術に依存している
Eli Kintisch
先日オバマ政権が公表した提案書によると、新設の石炭燃焼型の発電所は排出されるCO2のいくらかは捕獲することが必要とされることになっている。しかし、それに必要な科学技術は不確かなままである。

Will New Government Overcome 'Symbolically Challenged' Start?
新たな政府は”象徴的に欠けた”始まりを克服できるだろうか?
Leigh Dayton
オーストラリアの新政府は80年間で初めて科学部門のポストをなくし、気候変化に関する種々の計画を解体し始めた。
>関連した記事(Nature#7468 "SEVEN DAYS")
Climate closures
気候の閉鎖
オーストラリアの新政府はClimate Commissionを閉鎖しようとしている。2011年に設立された独立機関で、気候変化に関する情報を提供していた。機関の代表であるTim Flanneryは私的基金によって運営を継続すると言っている。他にも炭素の価格や排出削減をアドバイスする機関であるClimate Change Authorityも閉鎖しようとしている。

News Focus
Taming a Mercurial Element
水銀元素を制御する
David Malakoff
水銀汚染を削減するという国際的な合意によって違いは生まれるだろうか?

With Pact's Completion, the Real Work Begins
取り決めが完成することで、本当の仕事が始まる
Naomi Lubick and David Malakoff
水銀の規制に関する水俣条約は水銀の利用を削減或いは止める道を模索している。多くの研究が必要とされている。

In Minamata, Mercury Still Divides
水俣では、水銀が未だに隔てている
Dennis Normile
化学プラントが世界でも最大級の水銀汚染を引き起こしてからおよそ60年が経過したが、水銀の脅威で象徴される水俣市はいまだその余波に苦しんでいる。

Gold's Dark Side
金の暗黒面
Lizzie Wade
小規模な、職人技の金の精錬は水銀汚染の世界でも有数の原因となっており、大気、河川、そして人々を毒している。

Letters
L'Aquila's Aftershocks Shake Scientists
ラクイラの余震が科学者を揺らす
Enzo Boschi

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Research
Perspectives
Global Change and Mercury
全球的な変化と水銀
David P. Krabbenhoft and Elsie M. Sunderland
大気-海洋中の水銀濃度は人為起源の排出だけでなく、気候や生態系の変化によっても影響される。

Research Articles
Electromagnetic Energy Conversion at Reconnection Fronts
再結合フロントにおける電磁気エネルギー保存
V. Angelopoulos, A. Runov, X.-Z. Zhou, D. L. Turner, S. A. Kiehas, S.-S. Li, and I. Shinohara
地球の磁気尾部の観測から、どこで・どのように電磁気が保存されているのかが分類された。

Reports
In Situ Observations of Interstellar Plasma with Voyager 1
ボイジャー1号による星間プラズマの現場観測
D. A. Gurnett, W. S Kurth, L. F. Burlaga, and N. F. Ness
ボイジャー1号の電子密度の観測記録は、星間プラズマの中にいることを物語っている。

Distances, Luminosities, and Temperatures of the Coldest Known Substellar Objects
これまで知られている中で最も冷たい準恒星の距離・明度・温度
Trent J. Dupuy and Adam L. Kraus
スピッツァー宇宙望遠鏡を用いた準恒星の観測から、もっとも冷たい褐色矮星と巨大ガス惑星との関連が強まった。

Near-Complete Extinction of Native Small Mammal Fauna 25 Years After Forest Fragmentation
森林の断片化から25年経過した後の固有小型ほ乳類のほぼ完全な絶滅
Luke Gibson, Antony J. Lynam, Corey J. A. Bradshaw, Fangliang He, David P. Bickford, David S. Woodruff, Sara Bumrungsri, and William F. Laurance
タイの森林において固有のほ乳類が急速にいなくなったという事実は、森林が断片化すると生物多様性が維持できなくなることを示唆している。