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☆主なコンテンツ
1、新着論文 2、論文概説 3、コラム 4、本のレビュー 5、雑記(PC・研究関連)
6、気になった一文集(日本語English) 7、日記(日本語English

2013年9月11日水曜日

新着論文(SR)

Scientific Reports
27 August 2013
Temporal variation of methane flux from Xiangxi Bay of the Three Gorges Reservoir
Shangbin Xiao et al.
三峡ダム(Three Gorges Reservoir)のXiangxi湾における2010-2011年におけるメタンフラックスを測定。藻類のブルーミングが大きくフラックスをコントロールしている。また水位低下は堆積物からの大きなメタン放出に繋がることも分かった。
>関連した記事(Nature Climate Change #Aug2013 "Perspectives")
The urgency of assessing the greenhouse gas budgets of hydroelectric reservoirs in China
中国における水力発電貯水池の温室効果ガス収支を評価することの緊急性

Yuanan Hu & Hefa Cheng
中国はすでに世界で最も水力発電を行っているが、今後もダム建設を加速させる計画を立てている。しかし、ダムから排出される温室効果ガス(特にメタン)は「地球温暖化の時限爆弾」になる可能性を秘めている。世界最大の三峡ダムにおける排出の証拠をレビューし、そうした懸念が排除できないことを示す。

Long-term water temperature reconstructions from mountain lakes with different catchment and morphometric features
Tomi P. Luoto, Liisa Nevalainen
オーストリアの山岳地帯の湖から得られた堆積物コアを用いて過去400年間の水温を復元。南向き斜面の湖の夏の水温は数℃上昇しており、気温記録とも整合的。一方で山の北側に位置する日陰の湖では有為な水温上昇は確認されなかった。

Increase in penguin populations during the Little Ice Age in the Ross Sea, Antarctica 
Qi-Hou Hu et al.
>関連した記事(Nature姉妹紙 注目のハイライト)
小氷期に増加したペンギンの個体数


3 September 2013
Predicted spatio-temporal dynamics of radiocesium deposited onto forests following the Fukushima nuclear accident
Shoji Hashimoto et al.
モデルを用いて福島第一原発事故によって放出された放射性セシウムが森林にどのように取り込まれたかをシミュレーション。最初の二年間で木と土壌有機物からは多くが除去され、代わりに鉱物土壌(mineral soil)へと移動したと思われる。

Emission of spherical cesium-bearing particles from an early stage of the Fukushima nuclear accident
Kouji Adachi et al.
現在福島第一原発事故による放射性物質の除染に多額の国費が投入されている。しかし、放射性物質の物理的・化学的特性は正確には把握されていない。事故後すぐ(3/14-15)に採取された、セシウムを含んだ球状粒子の測定結果を示す。通常想定される放射性セシウムを含んだ物質と比較して大きく、鉄や亜鉛も含んでおり、水には溶けないという特性がある。シミュレーションからは、この球状粒子は乾性沈着(dry deposition)によって地面へとほとんどが落ちたと推定される。

Whales Use Distinct Strategies to Counteract Solar Ultraviolet Radiation
Laura M. Martinez-Levasseur et al.
>関連した記事(ナショナルジオグラフィック ニュース)
クジラたちの紫外線対策は?

Adaptive behavior of marine cellular clouds
Ilan Koren, Graham Feingold
海の上の背の低い雲のうち、オープン・セルとクローズド・セルの2つのタイプの雲はそれぞれ光学特性が異なり、気候にも影響している。衛星観測から、それぞれの雲が振動しており、生成・消滅の周期がそれぞれ3時間、10時間程度であることが示された。
>関連した記事(ナショナルジオグラフィック ニュース)
雲の”細胞”:オープン型とクローズ型

10 September 2013
The role of industrial nitrogen in the global nitrogen biogeochemical cycle
Baojing Gu et al.
ハーバー・ボッシュ法によって、大気中の窒素から肥料を含むあらゆる工業製品が生産されている。その結果放出される反応性の高い窒素(Nr)が環境に影響を与えているが、あまり注目されていない。1960-2008年にかけて産業から排出された窒素の量が2.5 TgN/yrから25.4 TgN/yrまで増加しており、化石燃料の燃焼由来のNOx排出量と同程度であることが示された。またそうした窒素は人間の生活圏に留まっており、Nrが新たな窒素循環を生み出しており、Nrの減少は人類と生態系に’負の’影響があることが分かった。