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☆主なコンテンツ
1、新着論文 2、論文概説 3、コラム 4、本のレビュー 5、雑記(PC・研究関連)
6、気になった一文集(日本語English) 7、日記(日本語English

2013年4月26日金曜日

新着論文(Ngeo, Ncc, SR)

Nature Climate Change
ADVANCE ONLINE PUBLICATION
Pace of shifts in climate regions increases with global temperature
気候区分のシフトの速度が全球の温度とともに上昇する

Irina Mahlstein, John S. Daniel and Susan Solomon
気候変化の結果、ケッペンの気候区分が今世紀末には変化すると予測されている。しかしそうした変化の速度や、変化の速度が加速するかどうかについてはよく分かっていない。RCP8.5シナリオの下では速度は2倍にも増加し、陸地面積の20%が気候区分の変化を経験すると予想される。これは生物が変化に適応する時間が徐々に失われることを意味し、絶滅のリスクが高まると思われる。

Nature Geosciences
ADVANCE ONLINE PUBLICATION
Continental-scale temperature variability during the past two millennia
過去2,000年間の大陸スケールの温度変動
PAGES 2k Network
過去2,000年間の各大陸において得られた古気候記録をコンパイルし、それぞれの過去の気温を復元した。全体的に顕著なのは長期的な寒冷化の傾向で、それは19世紀末に終わった。数十年〜数百年という時間スケールで各大陸ごとに様々な変動が見られ、各半球では比較的一致した。数十年スケールで全球的に同期して変動する気候変動(小氷期や中世気候変調期など)は確認されなかったが、AD1580-1880は概して寒冷であったようである。AD1971-2000の近年の温暖化は長期的な寒冷化を打ち消すように寄与しており、平均気温は過去1,400年間で最も高くなっている。
※コメント
過去2,000年間ではなく、過去1,400年というのは古い記録が少ないからでしょうか。

Robust direct effect of carbon dioxide on tropical circulation and regional precipitation
熱帯循環と地域的な降水に対する二酸化炭素の厳密な直接効果
Sandrine Bony, Gilles Bellon, Daniel Klocke, Steven Sherwood, Solange Fermepin and Sébastien Denvil
全球気温の増加は大気中の水蒸気量を増加させ、水循環にも影響すると考えられている。しかし地域的な降水の変化については大気循環に依存し、それは温暖化した世界では弱まると考えられている。複数の気候モデル(CMIP5)を用いて温暖化によって熱帯域の大気循環や降水がどのように変化するかを評価したところ、今世紀末に大きく変化することが予想されたが、それは全球の気温の上昇とは関係のない現象であることが示された。むしろ熱帯域の大気上層における放射強制が大気の鉛直運動に影響することが最も大きな原因であると考えられる。従って、例えば地球工学で大気中のCO2濃度をそのままに地球を寒冷化させようとしても、熱帯域の降水はやはり変化すると予想される。

Scientific Reports
2013年4月24日号
Preliminary evidence for a 1000-year-old tsunami in the South China Sea
1000年前に南シナ海で起きた津波の予察的な証拠
Liguang Sun, Xin Zhou, Wen Huang, Xiaodong Liu, Hong Yan, Zhouqing Xie, Zijun Wu, Sanping Zhao, Da Shao & Wenqing Yang
湖の堆積物の砂岩層や地球化学分析から、南シナ海の西沙諸島においてAD1024年に巨大な津波が起きていたことが分かった。文献にはAD1076年に大きな災害があったという記録が残っている。巨大なサンゴや貝などが海岸から200m内陸に運搬されている証拠も見つかった。この地域の津波の危険性は過小評価されているかもしれない。

Correlating the Ancient Maya and Modern European Calendars with High-Precision AMS 14C Dating
古代マヤ文明のカレンダーと現在のヨーロッパの暦年代とを高精度の加速器14C年代測定で一致させる
Douglas J. Kennett, Irka Hajdas, Brendan J. Culleton, Soumaya Belmecheri, Simon Martin, Hector Neff, Jaime Awe, Heather V. Graham, Katherine H. Freeman, Lee Newsom, David L. Lentz, Flavio S. Anselmetti, Mark Robinson, Norbert Marwan, John Southon, David A. Hodell & Gerald H. Haug
マヤ文明崩壊の原因は未だによく分かっていない。木製のまぐさの高精度の14C年代測定を用いてマヤのカレンダーと暦年代とを較正した。文明の崩壊には気候変動が重要な役割を負っていたかも?