Main contents


☆主なコンテンツ
1、新着論文 2、論文概説 3、コラム 4、本のレビュー 5、雑記(PC・研究関連)
6、気になった一文集(日本語English) 7、日記(日本語English

2013年8月13日火曜日

新着論文(Ncom, SR)

Nature Communications
24 July 2013
Distinct iron isotopic signatures and supply from marine sediment dissolution
William B. Homoky, Seth G. John, Tim M. Conway and Rachel A. Mills
 海水への鉄の供給は生物生産に影響し、さらには気候にも影響していると考えられている。大陸棚の堆積物における還元反応によって、かなりの溶存態の鉄が供給されていると考えられている。
 南アフリカのテクトニクス的に安定で、半乾燥地域で採取された堆積物コアの間隙水の鉄の同位体を測定。堆積物の還元からではない鉄の供給が明らかに。地質学的・水気候学的な要因を考慮する必要がある。

7 August 2013
Conventional tree height–diameter relationships significantly overestimate aboveground carbon stocks in the Central Congo Basin
Elizabeth Kearsley, Thales de Haulleville, Koen Hufkens, Alidé Kidimbu, Benjamin Toirambe, Geert Baert, Dries Huygens, Yodit Kebede, Pierre Defourny, Jan Bogaert, Hans Beeckman, Kathy Steppe, Pascal Boeckx and Hans Verbeeck
森林破壊に伴うCO2排出を削減するためにも、熱帯雨林の炭素貯蔵量を正確に見積もることは必要不可欠である。中央アフリカのコンゴ熱帯雨林における地上観測から、手つかずの古い熱帯雨林の地上の炭素量が「162 ± 20 MgC/ha」であることが示された。この値は縁辺の森林の推定値と比較すると小さく、従来の推定値が過大評価であることを示唆している。現在利用可能な木の高さと直径の経験式では正確な樹高を推定できず、コンゴの場合24%低く見積もっている可能性がある。

Nitrate formation from atmospheric nitrogen and oxygen photocatalysed by nano-sized titanium dioxide
Shi-Jie Yuan, Jie-Jie Chen, Zhi-Qi Lin, Wen-Wei Li, Guo-Ping Sheng and Han-Qing Yu
人為起源の硝酸塩は水生態系への影響をはじめとする様々な環境問題を引き起こしている。新たな研究から、コーティング素材として利用されている酸化チタンのナノサイズの粒子が空気中の窒素と酸素の光化学反応の触媒となり、硝酸塩を生成していることが分かった。

Scientific Reports
23 July 2013
Forcing of anthropogenic aerosols on temperature trends of the sub-thermocline southern Indian Ocean
Tim Cowan, Wenju Cai, Ariaan Purich, Leon Rotstayn & Matthew H. England
 20世紀後半にインド洋南部の熱帯・亜熱帯域は急速な寒冷化を経験し、その原因は人為起源のエアロゾルによって海洋のコンベアベルトが強化され、熱が北大西洋へと運搬されたことだと提案されている。
 CMIP5の気候モデルのシミュレーション結果から、それが人為起源のエアロゾルと温室効果ガスの影響であることを示す。エアロゾルが海洋循環に影響するという仮説を裏付ける結果が得られた。

High arsenic in rice is associated with elevated genotoxic effects in humans
Mayukh Banerjee, Nilanjana Banerjee, Pritha Bhattacharjee, Debapriya Mondal, Paul R. Lythgoe, Mario Martínez, Jianxin Pan, David A. Polya & Ashok K. Giri

Citizen Science: linking the recent rapid advances of plant flowering in Canada with climate variability
Alemu Gonsamo, Jing M. Chen & Chaoyang Wu
気候変化によって植物の生活サイクルの重要イベントのタイミングに影響が生じている。カナダにおける’市民科学’ネットワークによる植物季節学的な観測記録から、2001-2012年にかけて19のカナダの植物種の開花時期が約9日間早まっていることが分かった。うち73%は国内の年平均気温の変化で説明でき、温暖化の強い生物学的証拠になるという。

Forecasting large aftershocks within one day after the main shock
Takahiro Omi, Yosihiko Ogata, Yoshito Hirata & Kazuyuki Aihara

Seismic Evidence for a Geosuture between the Yangtze and Cathaysia Blocks, South China
Chuansong He, Shuwen Dong, M. Santosh & Xuanhua Chen

30 July 2013
Activity concentrations of environmental samples collected in Fukushima Prefecture immediately after the Fukushima nuclear accident
Masahiro Hosoda, Shinji Tokonami, Hirofumi Tazoe, Atsuyuki Sorimachi, Satoru Monzen, Minoru Osanai, Naofumi Akata, Hideki Kakiuchi, Yasutaka Omori, Tetsuo Ishikawa, Sarata K. Sahoo, Tibor Kovács, Masatoshi Yamada, Akifumi Nakata, Mitsuaki Yoshida, Hironori Yoshino, Yasushi Mariya & Ikuo Kashiwakura

Accelerated thermokarst formation in the McMurdo Dry Valleys, Antarctica
Joseph S. Levy, Andrew G. Fountain, James L. Dickson, James W. Head, Marianne Okal, David R. Marchant & Jaclyn Watters
 サーモカルストはツンドラ地域に発達する地下の氷の融解が引き起こすデコボコの大地を指すが、北極圏では重要な地形変化プロセスであることが認識されているものの、南極では稀だとされている。
 地上+航空観測から、南極のGarwood谷でのサーモカルスト形成が加速していること、その速度が完新世の平均の10倍もの早さであること、それが日射量の増加と堆積物/アルベド・フィードバックによって引き起こされていることが分かった。

Secondary organic aerosols over oceans via oxidation of isoprene and monoterpenes from Arctic to Antarctic
Qi-Hou Hu, Zhou-Qing Xie, Xin-Ming Wang, Hui Kang, Quan-Fu He & Pengfei Zhang

6 August 2013
Recognizing detachment-mode seafloor spreading in the deep geological past
Marco Maffione, Antony Morris & Mark W. Anderson

Vulnerability of Polar Oceans to Anthropogenic Acidification: Comparison of Arctic and Antarctic Seasonal Cycles
E. H. Shadwick, T. W. Trull, H. Thomas & J. A. E. Gibson
アルカリ度が小さく炭酸塩の緩衝能力が小さいことで、極域の海洋は特に海洋酸性化に対して脆弱である。北極と南極の沿岸部(それぞれAmundsen湾、Prydz湾)における海水炭酸系の測定から、北極が南極と比較して、大きな温度の季節変化(3℃に対して10℃)、淡水化(塩分2に対して3)、低いアルカリ度(2320に対して2220μmol/kg)、低い夏のpH(8.5に対して8.15)を示すことが分かった。北極海では夏に光合成によって無機炭素をより多く固定するものの、季節変化は比較的小さい。一方南極では融水がもたらす鉄と、もともと高い栄養塩濃度との相互作用によってCO2が固定され、海洋酸性化を緩和する能力がある。従って、北極海の方が南極よりもより気候変化に脆弱であると考えられる。