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1、新着論文 2、論文概説 3、コラム 4、本のレビュー 5、雑記(PC・研究関連)
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2012年4月5日木曜日

新着論文(Nature)

Nature
Vol. 484 No. 8 (05 April 2012)

Research Highlights
Heads up on a heat wave
Geophys. Res. Lett. http://dx.doi. org/10.1029/2012GL051383 (2012)
米国立測候所が新しい気候モデルを開発。熱波の到来などを高い確度で予測できるらしい。今後予測結果と実際の気象との評価が行われる予定。

News in Focus
Glaciologists to target third pole
数週間のうちに始まる第三の極の環境計画(Third Pole Environment Program)について。特にチベットに存在する山岳氷河の今後の気候変動に対する変化のモニタリング計画。得られたデータは統合され、一般に公開される予定。IPCC AR4の時には2035年にチベットの山岳氷河が消失することが予測されたが、2010年の衛星観測計画(GRACE)からは確かに消失は進んでいるが、予想の10分の1の速度であることなどが示された。衛星観測と現場観測の擦り合わせが依然として必要。

News & Views
A tale of two hemispheres
Shakun et al. (2012)の解説記事。

Article
Global warming preceded by increasing carbon dioxide concentrations during the last deglaciation
Jeremy D. Shakun, Peter U. Clark, Feng He, Shaun A. Marcott, Alan C. Mix, Zhengyu Liu, Bette Otto-Bliesner, Andreas Schmittner & Edouard Bard
最終退氷期の温暖化と二酸化炭素の上昇との関係について。全球の温度指標のプロキシを80個まとめて、アイスコアから得られた二酸化炭素濃度と比較。基本的には「温度上昇」が「二酸化炭素濃度上昇」に先立っているが、二酸化炭素は温暖化の増幅システムとして、最終退氷期の温暖化のほとんどの部分を説明することができる。

Letters
Past extreme warming events linked to massive carbon release from thawing permafrost
Robert M. DeConto, Simone Galeotti, Mark Pagani, David Tracy, Kevin Schaefer, Tingjun Zhang,David Pollard & David J. Beerling
PETMの原因は軌道要素の変化に伴う北極・南極周辺の永久凍土の融解と温室効果ガスの大量の放出が原因?
※温暖化した世界の鏡として注目されているPETM。日本でこの地質学イベントを扱う人は少ない。これほど古い試料へのアクセスが限られていることが問題?
古土壌を扱うもの、堆積物コアを扱うものとあるけど、堆積物コアならある程度得られてはいそう。