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☆主なコンテンツ
1、新着論文 2、論文概説 3、コラム 4、本のレビュー 5、雑記(PC・研究関連)
6、気になった一文集(日本語English) 7、日記(日本語English) おまけTwilog

2012年4月12日木曜日

新着論文(Nature)

Nature
vol. 484 No. 7393 (12 April 2012)

Research Highlights
Hot tuff not so tough
熱い火山灰(タフ;tuff)はそんなにタフじゃない
イタリアでよく使われる建築資材のうち、火山灰を原料とするものは高温に弱いという特徴がある。火事の時に崩れる危険性が高い。ゼオライトが多く含まれることが原因なのだとか。

News in Focus
Slow progress to cleaner coal
進展は遅いが、よりクリーンな石炭へ
石炭燃焼によって発生する二酸化炭素を捕獲・貯留(CCS; Carbon Capture and Storage)することで、大気中への二酸化炭素放出量の削減に効果がある。しかし、こうした技術はコストがかさむために世界各国の技術開発が出遅れていたが、大きな二酸化炭素排出国である中国を始めとして、ようやく動き出したようだ。

Dreams of water on Mars evaporate 
:火星の蒸発岩に水がある?という夢
火星は現在は冷たく乾燥した惑星だが、昔は湖や海さえもあった可能性が広く研究者によって受け入れられている(流跡、リップルマーク、粘土鉱物の存在など)。しかし最新の3Dモデルけいさんでは二酸化炭素の温室効果だけではうまく火星を暖めることが出来ず、氷を融かすことができない。液体の水は氷の下などの限られた部分にしかなかった?
カギは硫黄酸化物による温室効果にある?8/5にはNASAの探査機が火星に降り立ち、新たな知見を与えてくれる予定。果たして火星に生命はいたのか。

Comment
Cleaning China’s air
中国の空気を綺麗にする
中国の大気汚染を改善するために、適応戦略が必要。石炭の燃焼削減など。

News & Views
Climate science: Aerosols and Atlantic aberrations
気候学 エアロゾルと大西洋の気候異常
Amato Evan
最先端の全球的気候モデルは、大気中へのエアロゾル放出と北大西洋における気温変動が結びついているとしており、人類の活動が極端な気候事象に影響していることを示唆している。

Review
Emerging fungal threats to animal, plant and ecosystem health
動植物および生態系の健全性に真菌類が及ぼす新たな脅威
Matthew C. Fisher, Daniel. A. Henk, Cheryl J. Briggs, John S. Brownstein, Lawrence C. Madoff, Sarah L. McCraw & Sarah J. Gurr
Letter
Aerosols implicated as a prime driver of twentieth-century North Atlantic climate variability
21世紀の北大西洋における気候変動の主要因として関与していたエアロゾル
Ben B. B. Booth, Nick J. Dunstone, Paul R. Halloran, Timothy Andrews & Nicolas Bellouin
気候モデルを用いたシミュレーションから、ハリケーン活動の極大やサヘル砂漠の干ばつなど社会的に大きな影響をもたらしたさまざまな歴史的な気候事象に、人為起源のエアロゾルの放出が影響を与えたことが示唆された。エアロゾルは政策によって抑制可能であり、将来の気候変化を抑えるためにも、エアロゾルの抑制は重要な要素である。
natureが日本語版要約をnature発行と同時に掲載するようになったため、和訳の意義が薄れてしまった。どのみち和訳は自分のためになるものなので、継続しようと思う。