Main contents


☆主なコンテンツ
1、新着論文 2、論文概説 3、コラム 4、本のレビュー 5、雑記(PC・研究関連)
6、気になった一文集(日本語English) 7、日記(日本語English

2012年9月6日木曜日

新着論文(JGR)

JGR-Oceans
20 June 2012 - 5 September 2012
An intensification trend of South Pacific Mode Water subduction rates over the 20th century
Liu, C., and L. Wu
20世紀において、SPMWの形成速度が早まっている。原因としては風の強化に伴う風応力curlによる鉛直ポンプの強化が考えられる。一方、SAMWの形成が強まっているのは混合層
が深くなったこと、移流が強化されたことが原因と考えられる。結果、南太平洋においてモード水の形成速度が早まっている。

The effect of biological activity, CaCO3 mineral dynamics, and CO2 degassing in the inorganic carbon cycle in sea ice in late winter-early spring in the Weddell Sea, Antarctica
Papadimitriou, S., H. Kennedy, L. Norman, D. P. Kennedy, G. S. Dieckmann, and D. N. Thomas
南極Weddel海の22の海氷観測ステーションにおいてbrine(淡水が氷に取り込まれる際に生じる塩分の高い水。塩分58以上、水温-3.6℃以下。)を採取。brineには周囲の表層海水に比べてアルカリ度や種々の溶存物質(全炭酸、硝酸、リン酸)が枯渇しており、これらは保存量としてふるまっている。全炭酸が低下する原因として主要なものは「炭酸塩の沈殿」と「CO2の脱ガス」の2つのプロセスであると考えられる。

Southern Ocean fronts: Controlled by wind or topography?
Graham, R. M., A. M. de Boer, K. J. Heywood, M. R. Chapman, and D. P. Stevens
南大洋においては極前線・亜熱帯前線の位置が物理・生物学的なプロセスにおいて非常に重要である。気候モデル(HiGEM)を用いて南大洋の海底地形と風がこれらの前線に与える影響を考察。地形が前線の数と強度にかなり重要な要因であるが、位置との関係は小さい。温暖化実験では南大洋の偏西風の軸が南に1.3º移動することが示されたが、それによって南極周回流(ACC)の位置に変化は生じなかったが、一方で亜熱帯前線(STF)は徐々に南下することが示され、STFは風によって大きく影響を受けると考えられる。海水温のデータを用いて前線の位置を推定するのは信頼できないし、また海面高度のデータを用いて前線の位置の時間変動を議論するのは難しそうである。

A global analysis of ENSO synchrony: The oceans' biological response to physical forcing
Messié, M., and F. P. Chavez
1993-2010年の海洋観測データからENSOが物理的・生物的変数に与える影響をEOFで評価。EOFの第1モードで同期した変化が見られた。特に赤道太平洋の水温の鉛直構造が明瞭なパターンを示した。1997/1998年のエルニーニョの際に全球の新生産量が約0.6-0.9PgC減少した原因としては、栄養塩躍層(ntricline)の深化と湧昇の弱化が原因と考えられる。単純な2層モデルで人口衛生観測から得られている一次生産量を再現することが出来た。赤道太平洋の中央部においては水平移流がクロロフィルⅡの濃度を説明可能。

On the variations of sea surface pCO2 in the northern South China Sea: A remote sensing based neural network approach
Young-Heon Jo, Minhan Dai, Weidong Zhai, Xiao-Hai Yan and Shaoling Shang
南シナ海北部(華南島の近く)において得られたSSTとクロロフィルa濃度の衛星観測データから海洋表層のpCO2を推定。わりといい精度で(~13μatm)推定できるらしい。現場観測のpCO2も整合的。また沿岸部ほどpCO2の変動が大きく、沿岸湧昇や入り江のプリューム(河川水の影響か?)が原因と考えられる。

A large increase of the CO2 sink in the western tropical North Atlantic from 2002 to 2009
Geun-Ha Park and Rik Wanninkhof
熱帯大西洋の北西部にて海洋観測によってられた海洋表層fCO2の膨大なデータ(137航海分)を用いて、同海域の近年の炭素吸収量を推定。海水fCO2は大気fCO2の上昇率と同じかより小さく、同海域がCO2に関する吸収源(sink; -0.06 ± 0.18 mol/m2/yr)として寄与していることを示唆している。Takahashi et al. (2009)による気候値では+0.11mol/m2/yrであった。大西洋の長期モニタリングステーション(BATS, ESTOC)の結果とも合わない(こちらは逆にCO2吸収能力が減っている)。