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☆主なコンテンツ
1、新着論文 2、論文概説 3、コラム 4、本のレビュー 5、雑記(PC・研究関連)
6、気になった一文集(日本語English) 7、日記(日本語English

2013年11月17日日曜日

新着論文(Ngeo#Nov2013)

Nature Geoscience
November 2013 (Volume 6 No 11 pp891-986)

Focus “Economic geology”
フォーカス:経済地質学
>Nature姉妹紙 ハイライト
巨大鉱床の生成

Editorial
Expanding boundaries of exploration <Focus>
探査の範囲を拡大する
新たな鉱物資源の探査は、海よりも先に土壌が優先?

Commentaries
Road map to mineral supply <Focus>
鉱物供給のロードマップ
Richard Herrington

Metals for a low-carbon society <Focus>
低炭素社会のための金属
Olivier Vidal, Bruno Goffé & Nicholas Arndt
再生可能エネルギーにはより多くのエネルギーを抽出に要する金属でできたインフラが必要とされる。より多くの採掘は必要不可欠であるが、その一方でリサイクルを増強し、新たなハイテク装置の代替物と注意深いデザインが増え続ける需要に応えるために必要とされている。

The phosphorus trilemma <Focus>
リンの悩ましい選択
Michael Obersteiner, Josep Peñuelas, Philippe Ciais, Marijn van der Velde & Ivan A. Janssens

In the press
Tilting at Europa
エウロパに対する非難
Emily Lakdawalla

Research Highlights
Shaky caldera
揺れやすいカルデラ
J.Geophys. Res. 118, 4872–4886 (2013)
2010年のイエローストーン国立公園における地盤沈下とそれに続く地震の観測について。

Cloudy Mars
曇った火星
J.Geophys. Res. 118, 1945–1954 (2013).
火星の大気の雲の形成プロセスが地球のそれとは似ても似つかないことに関して。

Nutrients in the wind
風の中の栄養塩
Proc. Natl Acad. Sci. USA http://doi.org/n94 (2013)
2.8kaに大気循環が大きく変化したこと、雨の供給量が変化したことが、フロリダの大湿地帯の環境を大きく変えたことが堆積物から明らかに。
>関連した記事(Science#6160 “Editors' Choice”)
Jet Transport
ジェット輸送
フロリダに位置するエヴァグレーズ湿地帯の維持にサハラ砂漠からもたらされるダストが大きな役割を持っていた可能性が、湿地の堆積物コアから明らかに。4.6kaの古環境復元によると、熱帯低気圧の頻度とも関連して、ダストの供給量が過去に大きく変動し、湿地帯の植生、水位、栄養塩供給量などに影響していたらしい。
>話題の論文
Holocene dynamics of the Florida Everglades with respect to climate, dustfall, and tropical storms
Paul H. Glaser, Barbara C. S. Hansen, Joe J. Donovan, Thomas J. Givnish, Craig A. Stricker, and John C. Volin

Physical flux
物理的なフラックス
Glob. Biogeochem. Cycles http://doi.org/pbx (2013)
 海氷のプロセスを組み込んだモデルシミュレーションから、産業革命以前には、海における表層から深層への炭素輸送は「物理的な過程(移流など)」が「(有機物埋没などの)他の過程」を凌いでいたことが示された。海洋の炭素循環に物理的な輸送が非常に重要であることを物語っている。
 物理的なフラックスの内訳は、溶存無機炭素の場合、混合層を出るものが264.5Pg/yr、入るものが275.5PgC/yrであった。有機炭素の場合、出るものが2.1PgCであった。
>話題の論文
Physical pathways for carbon transfers between the surface mixed layer and the ocean interior
M. Levy, L. Bopp, P. Karleskind, L. Resplandy, C. Ethe, F. Pinsard

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Research
News and Views
Rainfall's oceanic underpinnings
降水の海洋基盤
John Fasullo
Frierson et al.の解説記事。
降水の複雑なプロセスを理解することは重要である。数値シミュレーションから、海洋の熱輸送が降水の空間構造を大きく支配している可能性が示唆。

Magma giant
巨大マグマ
Gabriele Uenzelmann-Neben
Sager et al.の解説記事。
太平洋北西部に位置するシャツキー海台は、単一の巨大火山の繰り返しによって形成された可能性が示唆。

Biodiversity-dominated feedback
生物多様性に支配されたフィードバック
Stefan C. Dekker
Claussen et al.の解説記事。
5.5kaにアフリカのサハラ地域はサバンナ気候から砂漠気候へとシフトした。モデルシミュレーションから、それは植物の多様性に影響された、気候-植生フィードバックによってコントロールされていたことが示唆。

Perspective
Continental-root control on the genesis of magmatic ore deposits <Focus>
大陸の根がマグマ的な鉱床の発生に与える影響
W. L. Griffin, G. C. Begg & Suzanne Y. O'Reilly
巨大鉱床の中にはマグマから形成されたものもあるが、その正確な形成要因はよく分かっていない。ダイアモンド・プラチナ族・金鉱床の形成メカニズムに亜大陸的なリソスフェア的マントルの構造と組成が重要な役割を負っていることが示唆。

Progress Article
Giant ore deposits formed by optimal alignments and combinations of geological processes <Focus>
最適な整列と地質学プロセスの組み合わせによって形成される巨大鉱床
Jeremy P. Richards
世界の巨大な鉱床を形成する、斑岩(porphyry)と浅熱水性堆積物(epithermal deposits)の特性をレビュー。

Review
Triggers for the formation of porphyry ore deposits in magmatic arcs <Focus>
マグマ島弧における斑岩鉱床の形成のトリガー
Jamie J. Wilkinson
人間が利用する銅・モリブデン・金・銀のほとんどが斑岩鉱床(porphyry ore deposits)からきている。斑岩鉱床の形成プロセスをレビュー。

Letters
Experimental evidence for a phase transition in magnesium oxide at exoplanet pressures
系外惑星の圧力におけるマグネシウム酸化物の相転移の実験的な証拠
F. Coppari, R. F. Smith, J. H. Eggert, J. Wang, J. R. Rygg, A. Lazicki, J. A. Hawreliak, G. W. Collins & T. S Duffy
内圧が1,000GPaもの太陽系外のスーパー・アースのマントルの構造や組成はよく分かっていない。地球のマントルの主成分であるマグネシウム酸化物の高温高圧実験から相転移を観測。

Transport-driven formation of a polar ozone layer on Mars
輸送によって駆動される火星の極のオゾン層の形成
Franck Montmessin & Franck Lefèvre
Mars Expressによる大気のスペクトル観測から、火星の南極には夜間にオゾン層が形成されることが示されている。観測と気候モデルから、「酸素の極側輸送」と「水素ラジカルの季節的な変化」とでうまく説明ができることが示された。

Link between Antarctic ozone depletion and summer warming over southern Africa
南極のオゾン低下とアフリカ南部におよぶ夏の温暖化とのリンク
Desmond Manatsa, Yushi Morioka, Swadhin K. Behera, Toshi Yamagata & Caxton H. Matarira
近年のアフリカ南部の温暖化は人為起源の温室効果ガスの増加が原因と考えられてきた。過去40年間の気候データの解析から、それが南極オゾン層の低下による、南半球の循環の変化と関連していることが示唆。
>関連した記事(Nature#4771 “RESEARCH HIGHLIGHTS”)
Ozone hole fans African heat
オゾンホールがアフリカを煽って熱くする
1993年のオゾン層の低下前後のアフリカ南部の気候状態を調べたところ、地表の熱波と大気循環との間に強い相関が認められた。おそらく気圧配置の変化が熱帯の熱をより南へと運んだことが原因と考えられる。2050年にオゾンホールが消滅すれば、地球温暖化を軽減する効果があると期待されている。
>より詳細な記事(Nature News)
Ozone loss warmed southern Africa
オゾンの低下がアフリカ南部を暖める
Hannah Hoag
>Nature姉妹誌 ハイライト
オゾン損失により影響を受けるアフリカの温暖化

Contribution of ocean overturning circulation to tropical rainfall peak in the Northern Hemisphere
海洋子午面循環の北半球熱帯域の降水ピークに対する寄与
Dargan M. W. Frierson, Yen-Ting Hwang, Neven S. Fučkar, Richard Seager, Sarah M. Kang, Aaron Donohoe, Elizabeth A. Maroon, Xiaojuan Liu & David S. Battisti
熱帯域では、赤道のやや北に降水が最も多い場所がある(熱帯収束帯:ITCZ)。衛星観測記録・再解析データ・気候モデルなどを組み合わせることで、海洋の子午面循環が降水バンドに影響していることが示唆。
>Nature姉妹紙 ハイライト
熱帯降雨分布を支配する海洋の熱

Evidence from ice shelves for channelized meltwater flow beneath the Antarctic Ice Sheet
南極氷床の下のチャネル化した融水の流れの棚氷からの証拠
Anne M. Le Brocq, Neil Ross, Jennifer A. Griggs, Robert G. Bingham, Hugh F. J. Corr, Fausto Ferraccioli, Adrian Jenkins, Tom A. Jordan, Antony J. Payne, David M. Rippin & Martin J. Siegert
南極氷床の底には融水の流れが存在するが、その性質や分布はよく分かっていない。リモセンによる観測から、西南極のFilchner–Ronne棚氷の下に永続的なチャネル化した特徴があることが明らかに。
>Nature姉妹紙 ハイライト
南極氷流の下にある融解水の水路

A weak El Niño/Southern Oscillation with delayed seasonal growth around 4,300 years ago
およそ4,300年前に弱かったENSOとそれに伴う遅れた季節成長
H. V. McGregor, M. J. Fischer, M. K. Gagan, D. Fink, S. J. Phipps, H. Wong & C. D. Woodroffe
古気候記録から、完新世中期にはENSOの変動が現在よりも小さくなっていたことが示唆されているが、そのメカニズムはよく分かっていない。NINO3.4地域から得られたハマサンゴの175年間のδ18Oの変動と周期解析から、4.3kaにENSOが弱まっており、それには日射量が重要な役割を負っていた可能性が示唆。

Simulated climate–vegetation interaction in semi-arid regions affected by plant diversity
植物の多様性によって影響される半乾燥地域の気候-植生のシミュレートされた相互作用
M. Claussen, S. Bathiany, V. Brovkin & T. Kleinen
およそ6kaのアフリカ湿潤期の終焉は植生の変化と降水量の低下を伴っていた。モデリングから、植生-気候フィードバックは植物のタイプと多様性に依存していたことが示唆。
>Nature姉妹紙 ハイライト
植物多様性が変化を遅らせる

Meridional shifts of the Atlantic intertropical convergence zone since the Last Glacial Maximum
最終氷期以降の大西洋の熱帯収束帯の緯度方向のシフト
Jennifer A. Arbuszewski, Peter B. deMenocal, Caroline Cléroux, Louisa Bradtmiller & Alan Mix
 熱帯収束帯(ITCZ)は最終氷期以降も冷たい半球から遠ざかるように、その位置を南北に変動させてきたことが知られている。さらにそれは各海盆で同じように変動したと考えられているものの、証拠はそれほど多くない。
 大西洋から得られた堆積物コア中の浮遊性有孔虫Mg/Caとδ18Oから、過去25kaの表層温度と塩分を復元。ITCZは拡大したというよりは、LGMには南側に、完新世初期には北側にその位置を変化させていたと考えられる(南北7ºの位置)。

Hidden hotspot track beneath the eastern United States
アメリカ東部の下に隠れたホットスポットの軌跡
Risheng Chu, Wei Leng, Don V. Helmberger & Michael Gurnis
リソスフェアは非常に厚いため、ホットスポットの軌跡としても知られる、マントル・プリュームの大陸表面への露出が確認されることは稀である。アメリカの地震波データの解析から、ミズーリ州からヴァージニア州にかけて、隠れたホットスポット軌跡が見つかった。
>Nature姉妹紙 ハイライト
アメリカの地下のホットスポット軌跡

Ephemeral isopycnicity of cratonic mantle keels
David W. Eaton & H. K. Claire Perry

Formation of an interconnected network of iron melt at Earth’s lower mantle conditions
Crystal Y. Shi, Li Zhang, Wenge Yang, Yijin Liu, Junyue Wang, Yue Meng, Joy C. Andrews & Wendy L. Mao

Articles
An immense shield volcano within the Shatsky Rise oceanic plateau, northwest Pacific Ocean
William W. Sager, Jinchang Zhang, Jun Korenaga, Takashi Sano, Anthony A. P. Koppers, Mike Widdowson & John J. Mahoney
>Nature姉妹紙 ハイライト
太平洋の巨大火山
>関連した記事(Nature#7566 “RESEARCH HIGHLIGHTS”)
Meet the world’s largest volcano
世界最大の火山に出くわす
太平洋北西部において、単一の火山としては世界最大で、火星のオリンポス山に匹敵するほどの巨大海底火山が発見された。Texas A & M大学にちなんでTamu山塊と名付けられたこの火山は、日本から1,500km東に位置する、シャツキー海台の一部である。地震波探査から、一つの火口から噴出したと思われる溶岩の構造が確認された。1億4,000万年前頃のものと考えられている。
>より詳細な記事(Nature NEWS)
Underwater volcano is Earth's biggest
Alexandra Witze
>関連した記事(ナショナルジオグラフィック ニュース)
太平洋の海底で世界最大の火山を発見か

Helium in Earth’s early core
地球の初期のコアのヘリウム
M. A. Bouhifd, Andrew P. Jephcoat, Veronika S. Heber & Simon P. Kelley