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☆主なコンテンツ
1、新着論文 2、論文概説 3、コラム 4、本のレビュー 5、雑記(PC・研究関連)
6、気になった一文集(日本語English) 7、日記(日本語English

2013年11月7日木曜日

新着論文(Nature#7474)

Nature
Volume 503 Number 7474 pp6-158 (7 November 2013)

RESEARCH HIGHLIGHTS
Deep ocean is a heat sink
深海が熱の貯蔵庫
Science 342, 617–621 (2013)
マッカーサー海峡から得られた堆積物コアを用いた過去1万年間の500-900mの深海の温度復元から、ここ数千年間の寒冷化の傾向を打ち消して、温度が最近になって急上昇しており、その速度は過去1万年間の中では最大であることが示された。「海洋が熱を吸収していることで気温の上昇が抑えられている」という最近の知見を支持する結果が得られた。
>話題の論文
Pacific Ocean Heat Content During the Past 10,000 Years
過去1万年間の太平洋の熱容量
Yair Rosenthal, Braddock K. Linsley, and Delia W. Oppo
過去数十年間に海洋の熱容量が増加しているという観測事実は温暖化の重要な指標となっている。赤道西太平洋から得られた堆積物コア中の底性有孔虫Mg/Ca温度計を用いて温度・塩分復元を行ったところ、太平洋における過去1万年間(完新世)における北太平洋と南極の中層水(それぞれNPIWとAAIW)の温度は、完新世の再温暖期においては過去数100年間よりもそれぞれ2.1 ± 0.4 ℃、1.5 ± 0.4 ℃高かったことが示された。近年の中層水の温暖化は表層水のそれと比較するとそれほど大きくないが、熱容量には小さくない変化が生じつつある。

Explosions in the young Universe
若い宇宙における爆発
Astrophys. J. 777, 99; 110 (2013)
コンピューターシミュレーションによって宇宙初期で最も激しかった熱核爆発を再現。

SEVEN DAYS
Marine reserves
海洋保護区
南極ロス海に海洋保護区を設けるという話し合いが失敗に終わった。同様の提案は過去に2度、合意に失敗している。
>より詳細な記事
Third time unlucky for Antarctic protection bid
Daniel Cressey

Hybrid eclipse
ハイブリッド日食
珍しいタイプの日食が11/3に大西洋とアフリカで観測された。地球の湾曲した部分にて観測されたため、わずかに月との距離が遠くなったことにより、見事な環が見られた。このタイプは次は2172年に訪れるという。

Mars launch
火星への打ち上げ
11/5にインドが火星の軌道周回衛星の打ち上げに成功した。2014年9月に火星に到達する予定となっている。

TREND WATCH
SLOWING GLOBAL EMISSIONS
全球的な排出の鈍化
全球の二酸化炭素排出の増加率は、2000年以来の平均が2.9%であったのに対し、2012年にはわずかに1.1%であったことがオランダの環境評価機関によって報告された。中国でも経済成長の鈍化や低炭素エネルギーの需要増加を受けて、10%から3%へと低下した。同じくアメリカやヨーロッパ連合の排出はそれぞれ4%、1.6%低下した。(ちなみに日本は微増)

NEWS IN FOCUS
X-rays top space agenda
X線が宇宙の課題のトップに
Elizabeth Gibney
ヨーロッパ宇宙局はX線望遠鏡を次のミッションの最重要課題に選んだ。

US seismic array eyes its final frontier
アメリカの地震計がその最後のフロンティアを見つめる
Alexandra Witze
来年の夏から、アラスカにおいて動かすことが可能な地震計グリッドが設置されることとなっている。

Proteins help solve taxonomy riddle
タンパク質が分類学的な謎を解く手助けをする
Ewen Callaway
プロテオーム解析によって、300年前にリンネが分類したアジアゾウが実は間違っていたことが明らかに。
>関連した記事(Nature NEWS)
Linnaeus's Asian elephant was wrong species
Ewen Callaway

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RESEARCH
NEWS & VIEWS
Climate science: Uncertain then, irrelevant now
気候科学:当時は不確かだったが、現在は的外れ
Bjorn Stevens
Carslaw et al.の解説記事。
気候へのエアロゾルがどれほど影響しているかの推定の不確実性は、過去の汚染されていない大気についての知識が不足していることに由来する。そのため影響の理解がさらに進んでも、気候の理解には従来考えられてきたほど役に立たないかもしれない。

ARTICLES
Large contribution of natural aerosols to uncertainty in indirect forcing
間接的強制力における不確実性に対する自然エアロゾルの大きな寄与
K. S. Carslaw, L. A. Lee, C. L. Reddington, K. J. Pringle, A. Rap, P. M. Forster, G. W. Mann, D. V. Spracklen, M. T. Woodhouse, L. A. Regayre & J. R. Pierce
人為起源エアロゾルを理解できればエアロゾルが気候に与える放射強制力をよりよく理解できると考えられてきた。しかしながら、エアロゾルが雲に与える放射強制力的な影響のうち半分は、人為ではなく自然エアロゾルによるものであることが示された。すなわち、現在の汚染された大気における’疑似’エアロゾルの測定や評価だけでは、真のエアロゾルの放射強制力の不確実性が必ずしも低減されないことを意味している。
>Nature ハイライト
気候強制力は自然起源と人為起源のエアロゾルのどちらが大きいか

LETTERS
Structural change in molten basalt at deep mantle conditions
深部マントル状態での融解した玄武岩の構造変化
Chrystèle Sanloup, James W. E. Drewitt, Zuzana Konôpková, Philip Dalladay-Simpson, Donna M. Morton, Nachiketa Rai, Wim van Westrenen & Wolfgang Morgenroth
60GPaでの融解した玄武岩の構造をin situ XRDで分析。