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☆主なコンテンツ
1、新着論文 2、論文概説 3、コラム 4、本のレビュー 5、雑記(PC・研究関連)
6、気になった一文集(日本語English) 7、日記(日本語English

2013年11月28日木曜日

新着論文(Nature#7477)

Nature
Volume 503 Number 7477 pp437-562 (28 November 2013)

EDITORIALS
Nailing fingerprints in the stars
星の中の証拠を突き止める
最新鋭の宇宙望遠鏡によるスペクトル・データが急増していることを補うためにも、室内実験が強く必要とされている。

WORLD VIEW
Football fever could be a dose of dengue
サッカー熱はデング熱かもしれない
「来年のブラジルワールドカップを観戦するファンは、大変で、治療ができない熱帯病に侵される可能性がある」とSimon Hayは警告する。

RESEARCH HIGHLIGHTS
Crusty alga uncovers sea-ice loss
固い藻類が海氷の消失を明らかにする
Proc. Natl Acad. Sci. USA http://doi.org/p6g (2013)
木の年輪のように、北極海の藻類は過去の気候記録を保存している。Clathromorphum compactumの年輪の厚さとMg/Ca(温度や光量に関係していると考えられる)から得られた646年間にわたる過去の温度記録から、最近のカナダ北極圏の海氷量は過去150年間で劇的に減少し、646年で最低の値となっていることが示された。現在、人工衛星によって海氷のモニタリングが行われているが、それはたかだか1970年代までしか遡れない。この大発見は、北極海の海氷の復元に新たな道を切り開くものとなると期待される。
>話題の論文
Arctic sea-ice decline archived by multicentury annual-resolution record from crustose coralline algal proxy
Jochen Halfar, Walter H. Adey, Andreas Kronz, Steffen Hetzinger, Evan Edinger, and William W. Fitzhugh

Dung reveals goats’ last days
糞がヤギの最後の日を明らかに
Quat. Res. http://doi.org/p6b (2013)
スペインのバレアレス諸島に生息していた山ヤギは人類が5,000年前にこの島に到達してすぐに姿を消した。研究者の中にはそれが人類による狩りのせいだと考えるものもいたが、ヤギの化石化した糞の中の植物のDNA分析から、当時ヤギが低木の一種(Buxus balearica)に依存しており、その低木が4,000-5,000年前の乾燥化によって急速に減少していたことが示された。したがって、気候の変化がヤギの絶滅の原因だったと考えられる。

Mother frogs arm their tadpoles
母ガエルが子供を武装化する
Ecology http://doi.org/p59 (2013)
毒を持った生物の中には食料からその毒を創り出すものが多く知られているが、イチゴドクガエル(strawberry poison frog; Oophaga pumilio)は、無精卵を子に食べさせることで、アルカロイド系の物質を供給していることが明らかに。親はアルカロイドを蟻やダニなどから得ているらしい。他の種のカエルの無精卵で育てられた子ガエルは化学的な防御力が不足することも分かった。

Anatomy of an ice shelf’s demise
棚氷の消失の解剖学
Geophys. Res. Lett. http://doi. org/p6c (2013)
2012年3月の南極ラーセンB棚氷の急激な崩壊は数千の小さな氷河湖からの排水の急激な増加が原因だった可能性がある。南極半島には3,000個ほどの液体の水を擁する小さな湖があったが、崩壊の数日前に急速に姿を消した。モデルシミュレーションから、ある一つの湖の排水によって生じた割れ目が連鎖反応によって次々と他の湖の排水を促したことが再現された。

SEVEN DAYS
UN climate talks
国連の気候の話
11/23の国連気候サミットにて森林の保全に関するランドマーク的な同意が得られた。貧困国の気候変化の支出を助けるための’損失とダメージ’メカニズムも新たに創り出された。2015年のパリでの新たな気候条約のサインに向けた進展はほとんどなかったが、各国は2015年の始めには公約を公表することに同意している。
>より詳細な記事(NATURE NEWS BLOG)
UN climate talks conclude with a whimper, and a new forest policy
Jeff Tollefson

Science ship boost
科学調査船の後援
アメリカ科学財団は今後5年間にわたって、掘削船ジョイデス・レゾリューション号に対する2億5千万ドルの助成を獲得した。さらに国際パートナーシップによって8,750万ドルが得られる予定。
>より詳細な記事(NATURE NEWS BLOG)
US ocean drilling ship gets a new lease on life
Alexandra Witze

Eruption raises Japanese island
噴火が日本の島を生み出す
海底火山の噴火によって、日本の1,000km南の太平洋に新たな島ができた。日本列島を含む環太平洋造山帯は火山活動が非常に活発で、以前にも日本の近くに小さな島が出現したことがある(波で浸食されてしまった)。ちょっと前にはパキスタンの沖にも泥火山による島が出現した。
>関連した記事(ナショナルジオグラフィック ニュース)
小笠原諸島、西之島沖に“新島”

Solar sensor launch
太陽センサーの打ち上げ
Total Solar Irradiance Calibration Transfer Experiment (TCTE)が11/19にNASAによって打ち上げられた。太陽が気候に与える影響などを評価する。10年以上にわたって似たミッションを続けてきたSolar Radiation and Climate Experimentの仕事を引き継ぐ。

Swarm takes flight
群れが打ち上がる
ヨーロッパ宇宙局が地球の磁場観測を行うための3つの衛星を11/22に打ち上げた。これまでにない精度で磁場の時空間変動が観測される。
>より詳細な記事(Nature NEWS BLOG)
ESA’s Swarm mission launches successfully
Quirin Schiermeier
>より詳細な記事(Nature NEWS)
Mission to map Earth's magnetic field readies for take-off
Quirin Schiermeier

NEWS IN FOCUS
China aims for the Moon
中国が月を目指す
Alexandra Witze
中国による月の探査機の打ち上げ計画について。

China battles army of invaders
中国が外来種の軍隊と戦う
Jane Qiu

Nations fight back on ivory
国家が象牙を守る
Daniel Cressey
象牙の押収数が過去最大となったことを受け、政治家たちはアフリカの象の密猟への対処を始めた。

CORRESPONDENCE
Mitigate damage risk from bush fires
野火からのリスクを軽減せよ
Katharine Haynes, Deanne Bird & John McAneney

OBITUARY
George Herbig (1920–2013)
Bo Reipurth
若い星のパイオニア的研究を行った天文学者の哀悼

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RESEARCH
NEWS & VIEWS
Ecology: A leak in the loop
生態学:ループのほころび
Katharine N. Suding
Yelenik & D’Antonioの解説記事。
外来種のイネ科植物の侵入を受けている森林地帯では、正・負のフィードバックの性質がシフトすることが分かった。自然の生態系を管理することの複雑さが浮き彫りに。

Planetary science: A chunk of ancient Mars
惑星科学:古代火星のひとかけら
Harry Y. McSween
Humayun et al.の解説記事。
便宜上、NWA 7533という名が与えられた北西アフリカで見つかった隕石の解析から、これが火星のレゴリス(土壌)の初の試料であることが明らかに。これまで見つかった中で最古の、火成岩地殻に由来するものとなった。

Astrophysics: Exception tests the rules
宇宙物理学:例外が規則を検証する
K. D. Kuntz
Liu et al.の解説記事。
間欠的に明るくなるX線源の詳細な観測から、その放射が、以前に考えられていたように中程度の質量を持ったブラックホールへの質量降着からエネルギーを得ている可能性が低いことが示された。

LETTERS
Puzzling accretion onto a black hole in the ultraluminous X-ray source M 101 ULX-1
超高輝度X線源M 101 ULX-1におけるブラックホールへの不可解な降着
Ji-Feng Liu, Joel N. Bregman, Yu Bai, Stephen Justham & Paul Crowther
>Natureハイライト
降着がエネルギーを供給する超高輝度X線源

Origin and age of the earliest Martian crust from meteorite NWA 7533
NWA 7533隕石から明らかになる火星の最も初期の地殻の起源と年代
M. Humayun, A. Nemchin, B. Zanda, R. H. Hewins, M. Grange, A. Kennedy, J.-P. Lorand, C. Göpel, C. Fieni, S. Pont & D. Deldicque
NWA 7533隕石は火星のレゴリス起源である可能性がある。もしそうなら、火星ではその歴史の最初の1億年間に地殻が形成されたことになる。
>Natureハイライト
火星高地から来たことの「石のように硬い」証拠

Self-reinforcing impacts of plant invasions change over time
植物侵入の自己増強的な影響は時とともに変化する
Stephanie G. Yelenik & Carla M. D’Antonio
>Natureハイライト
侵入種の交代