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1、新着論文 2、論文概説 3、コラム 4、本のレビュー 5、雑記(PC・研究関連)
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2012年11月15日木曜日

新着論文(EPSL)

EPSL
vol. 349 - 354 +α

Evaluation of boron isotope ratio as a pH proxy in the deep sea coral Desmophyllum dianthus: Evidence of physiological pH adjustment
E. Anagnostou, K.-F. Huang, C.-F. You, E.L. Sikes, R.M. Sherrell
太平洋・大西洋・南大洋の274-1,470m深で採取された深海サンゴ(Desmophyllum dianthus)のδ11Bを測定。測定値は23.56 - 27.88‰にわたり、海水のホウ酸イオンと線形関係がある。熱帯の蔵相サンゴと比べると変動幅が大きく、生理学的なプロセスがより大きく関与していることが示唆される。Trotter et al. (2011, GCA)によって提唱された石灰化流体pHの概念に整合的。

Modern seasonal variability and deglacial/Holocene change of central Arctic Ocean sea-ice cover: New insights from biomarker proxy records
Kirsten Fahl, Ruediger Stein
北極海におけるセジメントトラップにて海氷に敏感な珪藻類のバイオマーカー(IP25)と植物プランクトンのバイオマーカーの季節変動と海氷量とを評価。さらに堆積物コアのバイオマーカー記録を用いて過去16kaの北極海の環境を復元。B/Aに最も海氷が後退していた。さらにYDの始まりに海氷が拡大しており、淡水が大規模に供給された可能性を物語っている。その後形成された海氷がFram Straitに乗って北大西洋へと運搬されたことがYDの直接的な原因となった?7-8kaには海氷の量は現在と同じ程度になったと考えられる。

Environmental controls on B/Ca in calcite tests of the tropical planktic foraminifer species Globigerinoides ruber and Globigerinoides sacculifer
Katherine A. Allen, Barbel Honisch, Stephen M. Eggins, Yair Rosenthal
浮遊性有孔虫のB/Caが過去の海水のpHのプロキシになると報告されているが、ホウ素の殻への取り込みメカニズムはよく分かっていない。G. ruberG. saccliferの飼育実験の結果をもとにメカニズムを考察。海水中のホウ酸種だけでなく、炭酸種も取り込みに寄与している可能性が示唆される。

The distribution of neodymium isotopes and concentrations in the Eastern Equatorial Pacific: Water mass advection versus particle exchange
Patricia Grasse, Torben Stichel, Roland Stumpf, Lothar Stramma, Martin Frank
ペルー沖の東赤道太平洋の酸素極小層における溶存態のεNdを測定。EUCやSSCCによって運ばれる酸素に富んだ中層水はεNdの値が低く(-2程度)、北部の表層水は火山由来で高いεNd値をもつ(+4程度)ことが分かった。深層水はより放射改変が進んだ低い値を取り(-7程度)、南大洋由来と考えられる。しかし深層水はより北部に行くほど値が高くなり、スカベンジングや有機物沈降、Nd放出などのプロセスの関与が示唆される。

Bomb fall-out 236U as a global oceanic tracer using an annually resolved coral core
Stephan R. Winkler, Peter Steier, Jessica Carilli
大気核実験由来の236Uは海洋トレーサーの候補の一つであるが、これまで測定が難しかった。カリブ海のBelizeから得られたサンゴ(Montastraea faveolata)骨格中の236Uを加速器を用いて分析。1965年を中心とするボムピークが検出された。