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☆主なコンテンツ
1、新着論文 2、論文概説 3、コラム 4、本のレビュー 5、雑記(PC・研究関連)
6、気になった一文集(日本語English) 7、日記(日本語English

2014年1月26日日曜日

新着論文(Science#6169)

Science
VOL 343, ISSUE 6169, PAGES 345-452 (24 JANUARY 2014)

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Special Issue "Martian Habitability"
特集 "火星の生命存在可能性"

INTRODUCTION
Habitability, Taphonomy, and the Search for Organic Carbon on Mars
火星の生命存在可能性、化石化、そして有機炭素の探査
John P. Grotzinger

Research Articles
A Habitable Fluvio-Lacustrine Environment at Yellowknife Bay, Gale Crater, Mars
火星のGaleクレーターのイエローナイフ湾における生命が棲める河川・湖環境
J. P. Grotzinger et al.

Mineralogy of a Mudstone at Yellowknife Bay, Gale Crater, Mars
火星のGaleクレーターのイエローナイフ湾の泥岩の鉱物学
D. T. Vaniman et al.

Elemental Geochemistry of Sedimentary Rocks at Yellowknife Bay, Gale Crater, Mars
火星のGaleクレーターのイエローナイフ湾の堆積岩の元素地球化学
S. M. McLennan et al.

Mars’ Surface Radiation Environment Measured with the Mars Science Laboratory’s Curiosity Rover
Mars Science Laboratoryによるキュリオシティー地上探査機によって測定された火星表面の放射環境
Donald M. Hassler et al.

Volatile and Organic Compositions of Sedimentary Rocks in Yellowknife Bay, Gale Crater, Mars
火星のGaleクレーターのイエローナイフ湾の堆積岩の揮発性・有機物質の組成
D. W. Ming et al.

In Situ Radiometric and Exposure Age Dating of the Martian Surface
火星の地表の現場での放射年代・表面露出年代決定
K. A. Farley et al.

Ancient Aqueous Environments at Endeavour Crater, Mars
火星のEndeavourクレーターの古代の水環境
R. E. Arvidson et al.

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Editors' Choice
More Than We Thought
我々が考えていた以上に
J. Quat. Sci. 29, 91 (2014).
地球温暖化によって極域の氷床が融解することで海水準が上昇することが懸念されている。南極氷床には海水準を60m上昇させるだけの氷が存在するが、これまで温暖化で融解するのはそのうちの1割を占める西南極だけだと考えられてきた。
 現在よりも気温が2℃高く、現在よりも海水準が6.6-9.4 m高かった、1つ前の間氷期(MIS5e; 135-116 ka)を対象にした大気-海洋-氷床モデルのシミュレーションから、偏西風の変化と亜寒帯循環の変化を介して南極周辺がより温暖化し、これまで考えられてきたよりも東南極氷床が融解していた可能性が示唆。
>話題の論文
Testing the sensitivity of the East Antarctic Ice Sheet to Southern Ocean dynamics: past changes and future implications <OPEN>
Christopher J. Fogwill, Christian S. M. Turney, Katrin J. Meissner, Nicholas R. Golledge, Paul Spence, Jason L. Roberts, Mathew H. England, Richard T. Jones And Lionel Carter

Count Consumers
消費者を数える
Ecol. Lett. 10.1111/ele.12233 (2013).
熱帯雨林生態系において無脊椎草食動物は生物地球化学的に重要な役割を負っている。ペルーの森林内の300 × 3,000 m四方について評価がなされ、栄養の循環にどれほど影響しているかが評価された。かなりの量の窒素とリンを土壌へと運んでいるらしい。気候変化に伴う森林炭素循環などの正確な予測にはこうした複雑なプロセスも取り入れる必要がある。

News of the Week
Planned Mine Would Put Salmon at Risk
計画されている鉱山は鮭を危機にさらすだろう
アラスカのBristol湾の沿岸湿地帯で計画されている金と銅鉱山の開発は世界最大のベニザケ産業を危機にさらす可能性が指摘されている。

European Comet-Chaser Emerges From Hibernation
ヨーロッパの隕石追跡者が冬眠から覚める
ESAのRosettaが957日間の眠りから覚め、いよいよ67P/Churyumov– Gerasimenko隕石を追跡し始めた。
>より詳細な記事(ScienceInsider)
Rosetta Awakes and Prepares to Chase Comet

‘Nobel of the Geosciences’ Goes to Mountain Man
'地球科学のノーベル賞'は山男に
スウェーデンの王立科学アカデミーは地球科学のノーベル賞とも言われる、クラフォード賞(約6,000万円の賞金)を70歳のPeter Molnarに与えた。ヒマラヤ地域のテクトニクス・山脈形成・気候への影響などの研究で知られる。

News Focus
Selling America's Fossil Record
アメリカの化石記録を売る
Heather Pringle
アメリカ国内の化石産業が成長しつつあることを受けて、古生物学者はアメリカの化石やそのデータが使い尽くされるのではないかと懸念している。

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Research
Perspectives
Climate Effects of Aerosol-Cloud Interactions
エアロゾル-雲の相互作用の気候影響
Daniel Rosenfeld, Steven Sherwood, Robert Wood, and Leo Donner
人工衛星による観測とモデルの発展を通して、「エアロゾルと雲の複雑な相互作用」と「その気候への影響」を紐解く必要がある。

Review
A Paleogenomic Perspective on Evolution and Gene Function: New Insights from Ancient DNA
進化と遺伝子機能に関する古遺伝学的観点:古代のDNAから得られる新たな知見
B. Shapiro and M. Hofreiter
ここ数年の技術の進歩によって、70万年前までの古代のゲノム情報が復元できるようになり、古DNA研究が再度活性化しつつある。しかしながらコストやゲノム情報の質など、障壁も多い。

Reports
Strong Ground Motion Prediction Using Virtual Earthquakes
バーチャル地震を用いた強い地面の動きの予測
M. A. Denolle, E. M. Dunham, G. A. Prieto, and G. C. Beroza
周辺の地震波ノイズ(ambient seismic noise)を用いることで将来の巨大地震に伴う地面の動きを予測する手助けとなるかもしれない。

Increased Dust Deposition in the Pacific Southern Ocean During Glacial Periods
氷期に南大洋の太平洋セクターで増加したダストの堆積量
F. Lamy, R. Gersonde, G. Winckler, O. Esper, A. Jaeschke, G. Kuhn, J. Ullermann, A. Martinez-Garcia, F. Lambert, and R. Kilian
 氷期-間氷期サイクルにおける全球の気候変動には南大洋のダストの沈積量が大きな役割を負っていたと考えられている(鉄による生物ポンプの刺激を通して大気-海洋でのCO2の分配が生じる)が、その時空間変動についてはまだ良く分かっていない。
 南大洋の太平洋セクターで得られた複数の堆積物コアからダストの量の変動を復元。氷期には間氷期の3倍ほどのダストが沈積していたと思われる。その主な供給源はオーストラリアとニュージーランドであると思われる。この結果は南極と南大洋の大西洋セクターから得られている結果とも整合的である(こちらはパタゴニアからのダスト供給が卓越)。