Main contents


☆主なコンテンツ
1、新着論文 2、論文概説 3、コラム 4、本のレビュー 5、雑記(PC・研究関連)
6、気になった一文集(日本語English) 7、日記(日本語English

2013年12月3日火曜日

新着論文(Ngeo#Dec 2013)

Nature Geoscience
Volume 6 No 12 pp987-1065 (December 2013)

Editorials
Save our sea-level observations
我々の海水準観測を守る
イギリスが提供している平均海水準の観測(Permanent Service for Mean Sea Level)は過去80年間継続して行われている。そうした長期的な記録の価値は筆舌に尽くし難く、またそれらの多様性も維持されなければならない。

The upside of impacts
衝突の良い側面
チェリヤビンスクの火球は小天体や隕石が地球に与える脅威を改めて実感させてくれた。しかし、地球上の生命にとって、隕石衝突は時としてヒーローの役割も果たしていたのである。

In the press
To the Moon with LADEE
LADEEとともに月へ
Emily Lakdawalla
>関連した記事(Response)
NASA 月探査機『LADEE』搭載機器による地球・月間の大容量レーザー通信実験に成功

Research Highlights
Ice loss and ocean life
氷の消失と海洋生命
Glob. Biogeochem. Cycles http://doi.org/p27 (2013)
ここ30年間の間に北極の海氷は急速に縮小しているが、それに伴って海洋のCO2吸収がより活発化している。主にチュクチ海などによる植物プランクトンの一次生産が活発化していることが原因であることがモデルから示された。一方、バレンツ海では温暖化によって逆に海洋から大気へとCO2が放出されており(ヘンリーの法則)、一次生産の効果を打ち消している。将来も炭素吸収は増えると思われるが、物理・化学・生物学的プロセスの理解が不確かであることから、正確な予測は難しいのが現状である。
>話題の論文
Changes in the Arctic Ocean CO2 sink (1996–2007): A regional model analysis
M. Manizza, M. J. Follows, S. Dutkiewicz, D. Menemenlis, C. N. Hill, R. M. Key

Southern upwelling
南大洋の湧昇
Nature Commun. 4, 2758 (2013).
氷期の終わりには大気中のCO2濃度が段階的に上昇したことが知られている。南大洋周辺海域で得られた海洋堆積物中の浮遊性・底性有孔虫の放射性炭素の濃度の差は、最終退氷期に差が小さくなっている、つまり深層と表層とがよりよく混合していたことを示唆しており、湧昇が強まっていたことを物語っている。従って、氷期に深海底に蓄えられた炭素が大気へと移動したことが大気CO2濃度の上昇に大きく寄与したことを物語っている。
>話題の論文
Carbon isotope records reveal precise timing of enhanced Southern Ocean upwelling during the last deglaciation
Giuseppe Siani, Elisabeth Michel, Ricardo De Pol-Holz, Tim DeVries, Frank Lamy, Mélanie Carel, Gulay Isguder, Fabien Dewilde & Anna Lourantou
※僕の投稿論文に非常に深く関係しています。スペインでの国際古海洋学会ではSianiとDe Pol-Holzともこの件について話しました。De Pol-Holz et al., 2010, Ngeoは学界にかなりインパクトを与えた論文なので、その解釈が訂正されたことになり、僕の研究を初めとして多くの研究に影響すると思われます。

Weighing Phobos
フォボスの重さを量る
Icarus http://doi.org/p26 (2013)
火星の衛星フォボスの起源、内部構造、火星との関係性についてはあまりよく分かっていない。2010年のMars Expressによるフライバイの際に得られたデータから、質量と密度を計算したところ、これまで考えられていたよりもはるかに小さいことが示された。おそらく内部はあまり詰まっておらず、多孔質の岩や氷でできていると思われる。火星の重力に捕獲されたものというよりは、火星の近くで集積した不均質な天体であると思われる。

Sunken islands
沈んだ島
Geochem. Geophys. Geosys. http://doi.org/p28 (2013)
ハワイなどの海洋島の形成はマントルから上昇した熱・物質がもたらす火山活動が原因と考えられている。赤道太平洋とインド洋南西部から得られた海洋地殻の地震波反射データによると、海嶺の堆積物の下500-1,000mに平らな面が見られ、おそらく過去に海水準の高さで波の侵食を受けた跡と思われる。海嶺は大きな断層に接していることから、これらの島は火山活動ではなく、テクトニクス的に隆起した島の名残であると思われる。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
Research
News and Views
Mobile magma under Antarctic ice
南極の氷の下の動けるマグマ
John C. Behrendt
Lough et al.の解説記事。
南極では西南極氷床の下に活発な火山が数百万年もの間存在したことが知られている。2010年と2011年の小規模な地震の観測から、氷の下の地殻を移動するマグマが存在することの兆候が確認された。

Evolved magma on Mars
火星で進化したマグマ
Briony Horgan
Wray et al.とCarter & Pouletの解説記事。
火星の表面は玄武岩で覆われており、それはマグマ進化があまりなかったことを物語っている。しかし、火星の古代に形成された地形の鉱物はそれが激しいマグマ活動を経験したことを示唆しており、火山活動が必ずしも稀ではなかったことを示している。

Breaks in trends
傾向のなかの小休止
Felix Pretis & Myles Allen
Estrada et al.の解説記事。
産業革命の全球平均気温の上昇は必ずしも単一でない。統計分析から、そうした温暖化の速度の過去の変化は、経済の停滞からモントリオール議定書の締結といった、人類による影響と直結していることが分かった。
[以下は抜粋]
The impact of this change is small but not negligible: without the reductions in CFC emissions, temperatures today could have been almost 0.1 °C warmer than they actually are.
この変化の影響は小さいが無視できない程度である。もしCFC(フロンガス類)の排出の減少がなければ、今日の温度はおおよそ0.1℃現在の値よりも高くなっていたに違いない。

This simple analysis supports the idea that the reductions in CFC emissions that were enforced by the Montreal Protocol contributed to the warming hiatus of the past 15 years. However, it also suggests that this is unlikely to be the whole story. To fully account for the lack of warming that would have been expected between 1998 and 2012, the reduction in radiative forcing from CFCs would have had to be much stronger.
この単純な分析は「モントリオール議定書によって規制されたCFCの排出量の低下が過去15年間の温暖化のハイエタスの原因である」という考えを支持している。しかしながら、それが全体をうまく説明する可能性が低いことも示している。1998年から2012年の間の温暖化の不足をすべて説明するには、CFCsからの放射強制力の減少がもっと大きくなければならない。

The untidy conclusion is that the explanation of the much-discussed warming hiatus over the past decade and a half is unlikely to be a simple single issue. Various neglected effects that are difficult to capture adequately through deterministic linear trend models — such as stratospheric volcanic aerosols, deep ocean heat uptake, the unusually strong solar minimum and internal climate variability — are all likely to have played a role.
乱雑な結論は「広く議論されている過去15年間の温暖化のハイエタスの原因は一つの単純な問題には帰結できなさそう」ということである。決定論的な線形近似モデルの中では適切に再現することが難しい、様々な無視されている効果(例えば成層圏の火山性エアロゾル、深海の熱吸収、例になく大きい太陽活動極小、内部気候変動など)がすべて役割を負っている可能性が高いためである。

Although Estrada and colleagues’ proposal does not seem to explain the entire hiatus, their findings once again confirm that the warming slow-down does not significantly affect the attribution of most of the warming since about 1960 to human influence.
Estradaほかの提案はハイエタス全体を説明することは難しそうだが、彼らの発見は再度「温暖化の停滞が約1960年以降の温暖化の大部分が人類の影響によるものである」という事実を確たるものにしてくれる。

Deglacial decoupling
退氷期の不一致
Jeffrey P. Severinghaus
Landais et al.の解説記事。
南極の気温と大気中CO2濃度とは氷期には同時に変動していた。南極Dome Cアイスコアの窒素同位体分析から、130kaに始まる1つ前の退氷期の最後の1,500年間にはその一致性がわずかに崩れた稀なケースが発生していたことが明らかに。同時にアジアモンスーンの降水も強まっていたことから、熱赤道がやや北半球よりにシフトしていたと考えられ(陸域の炭素リザーバーの増強と南大洋の湧昇の弱化が期待される)、その究極の原因は北大西洋子午面循環(AMOC)の強化にあると思われる。ただし、一つ前の退氷期には7,000年間にわたるAMOCの抑制など、説明がしにくい現象も生じており、もしかすると地球の離心率が大きくなっていたことが原因かもしれない。

Radical regeneration from isoprene
イソプレンからのラジカルの再生成
Jason D. Surratt
Fuchs et al.の解説記事。
森林が密集した地域からかなりの量のオゾンとエアロゾルの前駆体であるイソプレンが大気へと放出されている。実験的な観測から、イソプレンの酸化反応が大気に自浄能力を付与していることが示された。

Occam's origin of the Moon 
オッカムの月の起源
Linda T. Elkins-Tanton
月の形成は30年もの長きに渡って議論され続けてきた。新たな地球化学分析から、再び惑星科学コミュニティーに疑問が投げかけられている。我々は間違ったプロセスをモデリングしているか、或いはプロセスを間違ってモデリングしているのかもしれない。

Review
Projected response of the Indian Ocean Dipole to greenhouse warming
温室効果温暖化に対するインド洋ダイポールの予想される応答
Wenju Cai, Xiao-Tong Zheng, Evan Weller, Mat Collins, Tim Cowan, Matthieu Lengaigne, Weidong Yu & Toshio Yamagata
インドダイポール現象はアジア・オーストラリアの大部分に影響を与える気候の年々変動である。温暖化によって、インドダイポールの平均場が’正’のモードへとシフトすることがモデルから示されているが、(中心値からの偏差で表現される)正と負のイベントの発生頻度には変化がないことも分かった。
※Wenju Caiは最近Nature・Scienceに年に1本は載せるほどの気鋭の気候モデラー。

Letters
Ancient plutonic processes on Mars inferred from the detection of possible anorthositic terrains
灰長石地形の可能性の検出から推察される火星の古代の深成的過程
J. Carter & F. Poulet
火星の地形には苦鉄質岩石が多いことからこれまで考えられてこなかったが、ケイ質鉱物であるアノーサイト(灰長石)の形成にはマグマ的なプロセスが必要である。Mars Reconnaissance Orbiterによるスペクトル観測はアノーサイトが局所的に分布しており、地球で見られるものと似た深い火山的プロセスが古代にあった可能性を物語っている。

Prolonged magmatic activity on Mars inferred from the detection of felsic rocks
珪長質の岩石の検出から推察される火星の長期的なマグマ活動
James J. Wray, Sarah T. Hansen, Josef Dufek, Gregg A. Swayze, Scott L. Murchie, Frank P. Seelos, John R. Skok, Rossman P. Irwin III & Mark S. Ghiorso
上と同じ。

Biomass preservation in impact melt ejecta
衝突溶融イジェクタの中に保存されたバイオマス
Kieren Torres Howard, Melanie J. Bailey, Deborah Berhanu, Phil A. Bland, Gordon Cressey, Lauren E. Howard, Chris Jeynes, Richard Matthewman, Zita Martins, Mark A. Sephton, Vlad Stolojan & Sasha Verchovsky
衝突イベントの際にクレーターから噴出される物質の温度・圧力は非常に高いため、その中に有機物が残るとは到底考えられていなかった。タスマニア島のダーウィン隕石孔の衝突ガラスの中にバイオマーカーが保存されていることが分かり、隕石衝突によっても有機物が生き残れる可能性を暗示している。
※地球の生命が宇宙起源というパンスペルミア仮説に話が及ぶのでしょうね。

Experimental evidence for efficient hydroxyl radical regeneration in isoprene oxidation
イソプレン酸化下のヒドロキシラジカルの効率的な再生産の実験的証拠
H. Fuchs, A. Hofzumahaus, F. Rohrer, B. Bohn, T. Brauers, H-P. Dorn, R. Häseler, F. Holland, M. Kaminski, X. Li, K. Lu, S. Nehr, R. Tillmann, R. Wegener & A. Wahner
生物が生成する揮発性有機物イソプレンの濃度が高い地域で期待されていたよりもかなり濃度の大きいヒドロキシラジカルが存在することが野外調査から明らかに。イソプレンの酸化実験から、イソプレンの存在下でのラジカルのリサイクルがこうした地域のヒドロキシラジカルの増強に繋がっていることが示された。

The role of fire in Miocene to Pliocene C4 grassland and ecosystem evolution
中新世から鮮新世へのC4草原と生態系進化の中の野火の役割
Sebastian Hoetzel, Lydie Dupont, Enno Schefuß, Florian Rommerskirchen & Gerold Wefer
現在の草原の植物はC4系の光合成経路を利用したものが優先種であり、それはおおよそ800万年前に進化したと考えられている。アフリカ南西部で得られた堆積物コアから、草原の拡大は乾燥化と野火の増加を伴っており、それらはどちらもC4植物を好むものであることが示された。
>Nature姉妹紙 ハイライト
古代の草原の拡大を助長した野火

Seismic detection of an active subglacial magmatic complex in Marie Byrd Land, Antarctica
南極Marie Byrd Landの活発な氷底マグマコンプレックスの地震波検出
Amanda C. Lough, Douglas A. Wiens, C. Grace Barcheck, Sridhar Anandakrishnan, Richard C. Aster, Donald D. Blankenship, Audrey D. Huerta, Andrew Nyblade, Duncan A. Young & Terry J. Wilson
西南極に位置するMarie Byrd Landにはいくつかの火山が存在することが知られているが、その中で現在活発なものはないと考えられている。同地域の地震波の観測から、西南極氷床の下を移動するマグマの存在が明らかになり、氷の流れにも影響していると考えられる。
>Nature姉妹紙 ハイライト
西南極氷床下のマグマ移動

Viscous roots of active seismogenic faults revealed by geologic slip rate variations
P. A. Cowie, C. H. Scholz, G. P. Roberts, J. P. Faure Walker & P. Steer

Ponded melt at the boundary between the lithosphere and asthenosphere
Tatsuya Sakamaki, Akio Suzuki, Eiji Ohtani, Hidenori Terasaki, Satoru Urakawa, Yoshinori Katayama, Ken-ichi Funakoshi, Yanbin Wang, John W. Hernlund & Maxim D. Ballmer

Articles
Shock synthesis of amino acids from impacting cometary and icy planet surface analogues
隕石的、氷的惑星の表面の類似物質によって衝突合成されるアミノ酸
Zita Martins, Mark C. Price, Nir Goldman, Mark A. Sephton & Mark J. Burchell
隕石はアミノ酸の有機的前駆物質を生成する。氷をターゲットにした高速の衝突実験から氷天体の衝突が生命に必要な複雑な有機物を合成する可能性が示された。

Statistically derived contributions of diverse human influences to twentieth-century temperature changes
統計学的に引き出された様々な人類の影響が20世紀の温度変化に与えた寄与
Francisco Estrada, Pierre Perron & Benjamín Martínez-López
最新の統計学的手法を用いて20世紀の地表面気温の変化の原因を考察。一部他の要因の放射強制力も寄与しているが、主として大気中の温室効果ガス濃度で放射強制力の変化とそれに伴う気温変化が説明できることが示された。温暖化の速度が鈍化していた時期においては人間活動が関与していた可能性があり、2度の世界大戦と、世界恐慌、モントリオール議定書の批准がそれにあたると思われる。(農業法とも関連した)メタン排出の変化も1990年代以降の温暖化の鈍化(ハイエタス)と関係しているかもしれない。従って、この結果は、温室効果ガスの削減が短期的な温暖化速度の低下に繋がることを示唆している。
>関連した記事(Nature#7475 "RESERCH HIGHLIGHTS")
Economic link to global warming
地球温暖化に対する経済的な繋がり
地球温暖化の速度の変化と人間活動の重要な出来事との間には密接な繋がりがあるかもしれない。1880年以来の地表平均気温と温室効果ガス濃度の記録から、2度の大戦と世界的な経済恐慌の際に温暖化の速度が鈍化していたことが示された。またモントリオール議定書の発行後、温室効果ガスでもあるフロンガス(CFCs)の排出量が規制された結果、温暖化の速度が鈍化するのを助けた可能性も示唆されている。
>より詳細な記事(Nature NEWS)
Ozone-hole treaty slowed global warming
オゾンホール条約が地球温暖化を遅くした
Hannah Hoag
1987年のモントリオール議定書が発行されなければ、現在の気候は0.1℃より温暖化していた可能性も指摘されている。しかしながら、彼らの発見は相関関係であり、必ずしも因果関係を示していない。さらに、近年の温暖化の鈍化(ハイエタス)も同じメカニズムである可能性は低い。彼らの研究ではエアロゾルや海の熱吸収の影響を考慮していないからである。
>関連した記事(ナショナルジオグラフィック ニュース)
地球温暖化減速、フロン規制の効果か
>Nature姉妹紙 ハイライト
モントリオール議定書は気候温暖化の中断に寄与していた

Probability of US heat waves affected by a subseasonal planetary wave pattern
準季節的な惑星波のパターンによって影響されるアメリカの熱波の確率
Haiyan Teng, Grant Branstator, Hailan Wang, Gerald A. Meehl & Warren M. Washington
北半球中緯度の熱波の発生予測は10日前までに限られている。気候モデルを用いた12,000年間に及ぶシミュレーションから、アメリカの熱波の発生に先立って惑星波に特徴的な兆候が見られることが明らかに。予測が20日前に可能になる可能性がある。
>関連した記事(Nature#7473 "RESEARCH HIGHLIGHTS")
Meandering winds precede heat spells
暑い時期に先立って風が曲がりくねる
NCARの研究者らは、12,000年間の大気循環シミュレーションから、アメリカの熱波の発生の15-20日前に偏西風が曲がりくねっていることを見つけた。このことは、中緯度の大気力学をモニタリングすることによって、より正確に気象現象の長期予測をすることができる可能性があることを意味している。
>より詳細な記事(Nature NEWS)
Air-movement pattern portends US heatwaves
空気の動きのパターンがアメリカの熱波の前触れとなる
Richard A. Lovett
>Nature姉妹紙 ハイライト
米国熱波の予測方法

Two-phase change in CO2, Antarctic temperature and global climate during Termination II
ターミネーションⅡの際のCO2・南極気温・全球気温変化の2つのフェーズ
A. Landais, G. Dreyfus, E. Capron, J. Jouzel, V. Masson-Delmotte, D. M. Roche, F. Prié, N. Caillon, J. Chappellaz, M. Leuenberger, A. Lourantou, F. Parrenin, D. Raynaud & G. Teste
ターミネーションⅡ(1つ前の退氷期)の際には大気中のCO2濃度と同時に全球気温も上昇したことが知られている。南極Dome Cアイスコア中の過去の大気の窒素同位体分析(気温の指標として用いている)から、ターミネーションⅡの1つ目のフェーズではCO2と南極気温とが同時に変動するが、2つ目のフェーズ(130.5-129ka)では異なった変動を示すことが明らかに。2つ目のオゲーズの際には低緯度の水気候の変化がCO2の陸域吸収源を強化していた可能性があり、南大洋からのCO2の放出を打ち消していた可能性がある。
※僕自身の研究とも非常に深く関わる論文です。先日のSiani et al., 2013, Ncomと併せて「退氷期における炭素循環」について解説するのもありですかね。僕の論文がうまく受理されて落ち着いたら…