コロナと子育てに翻弄され、あれよあれよと過ごしていたらもう一年が経過してしまった。
国際学会も相次いでオンライン開催となり、海外渡航の機会は消滅。特にGoldschmidt@ハワイを楽しみにしていたので、ダメージが大きかった。
AWIで夏を過ごせればと思っていたが、それも叶わず。ドイツの研究機関は今も在宅勤務のところが多いらしい。
国内では、どれもオンライン開催だが、様々な学会で発表をする機会があった。
・地球化学会
・日本古生物学会
・微古生物学の有志の会
・クリタ水環境(研究優秀賞受賞記念講演)
Stay Homeの間に和文1報、英文2報の原稿を仕上げた。
最近英文1報の査読結果が送られてきて、Minor revisionだったので、2021年最初の論文となるのが確実で嬉しい(2020年は英文の主著論文がなかった)。
国際誌に掲載された共著論文は4報。ひとつはIODP Exp. 361次航海の成果でありNatureに掲載されたので、プレスリリースを行った。また、Academist journalにも記事を掲載していただいた。
六甲台から三宮方面を望む |
【研究】
2020年度は、基盤Bの初年度の研究費をフルに設備投資に充てた。ほとんど出張もなかったので、実験用の器具や消耗品が充実。
クリーン環境を整備するため、まずは部屋の掃除を徹底的に。途中から技術補佐員を雇用したので、ずいぶん楽に。いまは週1に居室や実験室の掃除をお願いしている。
居室1つ、ラボ2つに加え、学生部屋もできた。
今年度はwetラボの立ち上げがあるので、ホウ素ブランクがどれほどのものかチェックしないといけない。卓上のクリーンブースも導入予定。
年度末に予算が残っていたので、キャンペーンで安くなっていた、Direct-Q(Milli-Q)を導入。なんと50万以下。水道水から直接超純水を製造するというもの。
もともと同僚の先生のをお借りする予定だったが、キャンペーン様様。前任の先生の置き土産のMilli-Qは蒸留水から製造するものだけど、「かなり古いのでカートリッジも交換できない」と、業者の人。セールスための口上か。
念願のMilli-Q |
2020年度導入した機器類
・清掃用品一式(掃除機、床磨き機、空気清浄機)
・耐酸ホットプレート
・テフロンバイアル一式
・超純水製造機
・ふるい用の大型超音波洗浄機
・その他(プリンター、大型モニター、ホワイトボード、IT機器類)
【教育】
前任の先生が非常勤講師として2つの授業を受け持っていただいていたので、2020年度の授業のウェイトはそれほど大きくなかった。
ただし今年度からそれらを引き継ぐので、一気に大変になる。ここ1ヶ月授業スライドを作り続けているけど、まだ前期分しか終わっておらず。後期分の授業スライド作成は夏休みにやることになりそうだが、極力空き時間を利用して整備したいところ。
地学系の実習を同僚の地学系の先生と2人で分担しており、私は簡単な顕微鏡観察や巡検(塩屋の神戸層群観察)を行った。今年はそれらを基に、もう少し完成度を上げたいところ。
前期が学部三年生対象の少人数授業、後期が学部二年生対象の大人数授業(15-25人)。
地学なのでやはりフィールドに出たいということで、塩屋界隈の露頭探しに奔走した。やはりコンクリートで覆われているところが多く、なかなか見つけられなかった。良いとされる露頭はもう見られないところだったり、アクセスが悪かったり。ようやく見つけられたところに2回に分けて学部生を引率した(コロナ感染拡大の影響で少人数しか連れて行けなかった)。
他に、灘の宮水と地質をめぐる巡検を企画したが、こちらもコロナで流れてしまい、オンラインでICP-AES測定結果を解析するという味気ないものになってしまった。今年度は採水も含め、ちゃんとした巡検ができればと切に思う。
学部3年生が一名、窪田研究室を志望してくれた。三年生のうちは卒論研究は始まらないので、授業に出席するくらいしか活動はないけれど。
コロナ禍なのでこれといった催しもないので歯がゆい(というか、私自身の歓迎会もなかった)
12月に高大連携授業を経験。オンラインで現地に赴くことができず、高校生と触れ合う機会がなかったのが残念。
授業内容は「人為的気候変化問題」。感触は非常によく、また機会があったら受けたい。
学部1年生向けのオムニバス授業を引き受けることになったので、同じ内容(とはいえ授業時間2倍なので話を膨らませないといけない)を話す予定。自然環境論コース進学や、その先の研究室選びの参考になれば。