日本とは違う展示の仕方とか、日本にはいないタイプの魚とか、英名と和名の違いとか、色々と興味深いことだらけでした。
後半に出てくる海底油田採掘のリグに関しても、少し思うことがありました。
水族館の入口 |
展示のはじめはマヤ文明をテーマにしたもの。水に沈んだ遺跡をモチーフに、エキゾチックな雰囲気が醸し出される。
ミノカサゴの一種 |
衝撃を受けたのはマタマタ。枯葉に擬態したヘンテコな姿の亀。
案内を見るとスペイン語で「kill kill」すなわち「殺す」という名前を冠した生き物!
(wikipediaには別の語源との説明も)
なんだかカクレクマノミの背中が黒いんだけど、別種かな?
タツノオトシゴ、お腹が膨れていて抱卵してるなーと思ったらメスじゃなくオス!
なんかどこかで聞いたことあったはずだけど、すっかり忘れていた。。子を守る健気なお父さん。
日本ではヨウジウオと言われる魚は英名ではパイプフィッシュ。ネーミングにも国の違いが垣間見える。
アマゾン川の展示で目についた異様な立ち姿。。
ワニの一種 |
チョウザメの一種。日本人なら思わずノコギリ◯◯◯と名付けそうなところ、英名ではパドル(櫂、オール)フィッシュ。
こちらは日本でも展示されることがあるサカサクラゲ。変な生態。
シロワニかな? |
最後に巨大水槽(といっても日本より小さい)があり、よく見ると石油関連会社のスポンサーの紹介やら掘削リグが生態系に与える影響の展示が。
カリブ海では古くから海底油田の採掘が盛んで、いまや4,000機近く。海水面から海底まで伸びる鉄骨は、構造上複雑なので、よい漁礁になっているという話。
実際現在行われている漁業やレジャー(釣り)の大半はリグの近くで行われており、地元の水産業に大きく貢献しているとのこと。最近流行り始めた牡蠣の養殖棚が良いアナロジー。
水槽に見えるのがリグを模した構造 |
カリブ海の石油採掘と聞くと、BPが起こした原油の流出事故が生態系に重篤な影響を及ぼしたことがまず頭に浮かぶ(「ディープ・ウォーター・ホライズン」)。
原発事故もそうだけど、何か重大な事故が起きるまで、恩恵に授かっている人は潜在的リスクを忘れ反対運動を起こすことはない。でも一度事故が起きれば踵を返して反対運動を起こす。そして今後新設することへのハードルが一気に高くなる。
石油掘削によって生まれる膨大な利権と人々への恩恵が、環境汚染という隠れた問題を覆い隠しているという好例ですね。
良好な漁場の形成についても、確かに人目線で見れば恩恵が大きいのかもしれないけれど、本来そこになかった新しい生態系が築かれていると言い換えることもできる。ある意味、海のプラスチックゴミが作り出す新たな生態系みたいな。
手付かずの自然と、人に利益を生み出す人工的自然。
どちらが望ましいかなんて私に意見を述べる権限はないけど、人と自然の共存について、ふと考えさせられました。