そこから高知で怒涛の実験をし、4月の神戸大学着任に向けて引っ越し等の準備に追われていた。
引っ越したら引っ越したで、初めて家族全員で住む(私は高知に単身赴任していた)ということで、今度は新居の環境の整備に追われ。
エアコンをはじめとする家電・家具の購入(ウォシュレットやインターホンも自分で取り付けた)、古くなった家電・家具の売却、役所関係の手続き。
子供の成長に合わせて模様替えも何度も行なった(神戸に引っ越してから、つかまり立ちが始まった)
鶴甲第二キャンパス(六甲台のさらに上) |
大学の手続きも多く、所属部門の研修の日に提出できるものが半分、残りは後日揃い次第という感じ。
赴任手当用に航空券チケットや引っ越し業者の領収書のコピーを提出したり、子供の扶養手当の申請に必要な書類準備したり、不動産屋に賃貸物件の入居費用の領収書出してもらったり。
本来の全学の新人研修は、講堂に集まって行うものであったはずが、すべてオンラインかつオンデマンド方式に変更。
空き時間に動画を視聴したり資料に目を通したり。
他にも大量のe-learningをオンデマンドで受講しテスト。
情報セキュリティー、研究倫理、双方向的授業、科研費使用ルール、大学の教育システムの使い方、、、、、
教授会にも参加することに。月に1回。とはいえ現在はオンライン開催。
初回は新任の挨拶があったので少し緊張した。画面越しだったので(参加者の多くはビデオoff)、幾分緊張が緩和された。
現在神戸大学では4学期制を導入している。
前期・後期がそれぞれ2つに分かれており、全部で1Q(クォーター)〜4Qまである。
今回着任したてということを考慮していただき、担当する授業も最低限にしていただいており(今年退官された先生が非常勤講師として授業を担当)、その点では非常に助かっている。
新任の先生の中にはいきなり全学の教養科目(数百人が受講。しかもオンライン)を担当することになっている人もいて、自分は本当に恵まれている(というか、助けられている)ということを実感している。
COVID-19の兵庫県内の(+全世界的な)感染拡大を受け、神戸大学でも入学式等の公式行事が相次いで中止になり(私たち新任教員の歓迎会もなくなった)、1Q、続いて2Q、さらには夏季休業中の集中講義も遠隔で行うことが決まった。
私が受け持っている授業の一つは、本来は学生主体の研究発表(プレゼン)であるはずが、遠隔授業に合わせて大きく形式が変更された。
また実習も遠隔で行う必要があり、大規模に内容が変更されている。
本来であれば机上で手を動かして行うはずの実習が、演習問題を解かせたりスケッチを行うものに変更。
地学系の実習を楽しみにしていたであろう学生達には大変申し訳なく思う。
ちょうど居室のある建物の裏がグラウンドになっており、COVID-19前はそこで教員・学生でサッカーをしていたらしい。
現在はサークル活動も8月まで禁止とされており、当然教員もグラウンドを使用できなくなった。後期からはサッカーが再開できればと期待しているが、大学の超・保守的な姿勢を見ると難しい気がしている(先日AORIサッカー部は活動再開したと聞いて、非常に羨ましく思っている)
今年は基盤Bが当たったので、もっぱら研究環境の整備にお金を費やしている。
ポスターや本を並べたらオフィスっぽくなった |
これまで色々な方に頼っていた消耗品類を買いそろえたり、大型の機器を購入したり。
顕微鏡観察とスミアスライド作成の環境がようやく整い、次はテフロン製バイアル類の洗浄用の環境を整える(耐酸ホットプレートは購入済み)。
オンライン授業に対応した、顕微鏡を整備 |
スミアスライド作成用のUV硬化樹脂・UVランプ |
試薬類をまだ購入したことがないので、システム入力から保管の仕方まで学ばないといけない。
それが整ったらいよいよ試薬や実験環境中のホウ素ブランクのチェック。
ただ、残念なことに近くにICP-MSがないので定量ができない。学内の共同利用でICP-AESは課金制で利用できるようだが、感度が足りないので使えない。
現在は(夏季休業中も?)国内外の出張が制限されているので、KCCや関学等に測定しに行くことも難しい。
身動きできなくなったら、バイアルを郵送して、測定を依頼してしまうかもしれない。
堆積物のサンプルに関しては、白鳳丸航海のサンプリングパーティーが中止になってしまったのでほとんど手元にない状態(ピストンコア)。
マルチプルコアは先日送ってもらったところで、真空凍結乾燥が終わったところ。
生まれて初めて使った真空凍結乾燥器(同僚の先生のをお借りした) |
これからふるってサイズごとに分け、中の有孔虫を確認し、都度拾い出しを行う。
追加で別のサイトの海底堆積物サンプルをいただくので、技術補佐員を雇って実験補助をしてもらおうと思っている(地学に興味ある人とうまくマッチングすれば!)。
今扱っているのは、南大西洋アガラス・リッジから得られた海底堆積物。先行研究で14CやNd等はすでに測定されているので、私のターゲットはd11B。
とりあえず拾っておいて、来年か再来年かに測定できれば。
台湾の研究グループもこの海底堆積物コアを扱うとのことで、マルチプロキシで、面白い古環境記録が得られれば、と思う。
とりあえず、今日はここまで。