そろそろ潮時…?
ちょっと考えている道としては、IFの高い雑誌だけを継続すること。
さて、どうしたものでしょうか。
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僕個人の考えとしては、PNASなどのあらゆる分野がごちゃ混ぜになったメールアラートから、地球科学や地球環境学に関連した論文をピックアップすることにもそれなりの意味(というか、多忙などなたかの助けにはなるかも)はあるとは思うものの、
自分の英語の勉強や科学の知見を深めるという目的の下では、さほどの意味はないと思っています。
要するに、アブストにすら目を通さない論文のリンクを張ったところで何の意味もない、ということです。
ただし、(数少ない)ブログを利用してくれている読み手のことを考えると、僕の判断基準だけでピックアップした新着論文集では、情報源としての質が著しく下がってしまいます。
今でもNature・Scienceでは地球科学の中でも自分の研究とは関係のない論文を広くピックアップするけれど、PNASやGeologyでは時間と見栄えの関係上、していなかったりとムラがある(バイアスがかかっている)のも事実です。
結局ブログなんてのは自己満足の世界なので、自分の興味・関心に沿って論文をピックアップすれば良いのでしょうけど、「地球科学に関連した新着論文を紹介します」と啖呵をきった以上、気にせずにはいられないわけです。
現状、新着論文の紹介が間に合っているのは、
- Nature
- Science
- Geology
- PNAS
- Nature Communications
- Scientific Reports
くらいでしょうか。
ElsevierやAGUのものは論文の紹介はほとんどできていないのが現状です。
まあこちらは専門雑誌なのでわざわざネットに要約を公表することにとりわけ意義があることではないのですが。
僕自身がやっている研究が過去・現在・未来の「気候変動(地球温暖化も含む)」であったり、「炭素循環(海洋酸性化も含む)」に関するものであったりするため、ブログを始める決意をした当初は、アウトリーチも兼ねてその紹介にかなり腐心していました(いま冷静に考えてみると、かなりの時間を費やしていましたが)。
論文というのは、科学が生ものであるという体質上、その速報性にもそれなりの意味はあるものの、中には間違った解釈も含まれていますし(そのため時にretraction:撤回という事態も生じる)、客観性を重んじる科学にも、人と人との軋轢によって高いIFの科学雑誌への公表に対するバイアスがかかってきますし、同じデータでも人によって解釈が変わってしまうのもまた事実です。
そうした不確実性や偏りを知っていながら、さもピア・レビューされた新着の論文はすべて正しいという担保に基づいて、完全に公開された実名で記事を紹介するのにも、我ながら幾ばくかの疑問を抱かずにはいられなくなってきました。
特にまだ見ぬ未来のことを語る論文のほとんどは(人によっては気を悪くするかもしれませんが)、不確実性の塊のようなものです。
その一方で、一般の方々が気候変動に関して気にするのは、「少なくとも過去のことではなく現在のことであり、特に未来の話である」はずです。これは大きなジレンマです。
もう少し新着論文のこれからについては考えてみますが、自分が数年前に想像していた以上に忙しく(単なる学生と違い、大学の教員の皆様は大体そうなのでしょうけれど)、そして他人の研究以上に自分自身の研究が大事になってきたので(僕の想像を超える面白い研究は世の中に溢れかえっているのですが、卒業のためには投稿論文が必要なのです)、
「黒猫ブログの新着論文紹介はこれからはあまり当てにしないでくださいね」、という言い訳のための記事でしたw
Nature・Scienceに関しては、これからも継続したいと思っています。
そもそも読んでて面白いですからね。