Main contents

☆主なコンテンツ
1、新着論文 2、論文概説 3、コラム 4、本のレビュー 5、雑記(PC・研究関連)
6、気になった一文集(日本語、English) 7、日記(日本語、English) おまけ、Twilog

2013年11月15日金曜日

黒猫ブログの新着論文の今後について

約2年間続けてきたブログの新着論文紹介ですが、最近2人の卒論生の実験を手伝っていることもあり、なかなか追いつかなくなってきました。

そろそろ潮時…?

ちょっと考えている道としては、IFの高い雑誌だけを継続すること。

さて、どうしたものでしょうか。

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僕個人の考えとしては、PNASなどのあらゆる分野がごちゃ混ぜになったメールアラートから、地球科学や地球環境学に関連した論文をピックアップすることにもそれなりの意味(というか、多忙などなたかの助けにはなるかも)はあるとは思うものの、
自分の英語の勉強や科学の知見を深めるという目的の下では、さほどの意味はないと思っています。

要するに、アブストにすら目を通さない論文のリンクを張ったところで何の意味もない、ということです。

ただし、(数少ない)ブログを利用してくれている読み手のことを考えると、僕の判断基準だけでピックアップした新着論文集では、情報源としての質が著しく下がってしまいます。

今でもNature・Scienceでは地球科学の中でも自分の研究とは関係のない論文を広くピックアップするけれど、PNASやGeologyでは時間と見栄えの関係上、していなかったりとムラがある(バイアスがかかっている)のも事実です。

結局ブログなんてのは自己満足の世界なので、自分の興味・関心に沿って論文をピックアップすれば良いのでしょうけど、「地球科学に関連した新着論文を紹介します」と啖呵をきった以上、気にせずにはいられないわけです。

現状、新着論文の紹介が間に合っているのは、
  • Nature
  • Science
  • Geology
  • PNAS
  • Nature Communications
  • Scientific Reports
くらいでしょうか。

ElsevierやAGUのものは論文の紹介はほとんどできていないのが現状です。
まあこちらは専門雑誌なのでわざわざネットに要約を公表することにとりわけ意義があることではないのですが。

僕自身がやっている研究が過去・現在・未来の「気候変動(地球温暖化も含む)」であったり、「炭素循環(海洋酸性化も含む)」に関するものであったりするため、ブログを始める決意をした当初は、アウトリーチも兼ねてその紹介にかなり腐心していました(いま冷静に考えてみると、かなりの時間を費やしていましたが)。

論文というのは、科学が生ものであるという体質上、その速報性にもそれなりの意味はあるものの、中には間違った解釈も含まれていますし(そのため時にretraction:撤回という事態も生じる)、客観性を重んじる科学にも、人と人との軋轢によって高いIFの科学雑誌への公表に対するバイアスがかかってきますし、同じデータでも人によって解釈が変わってしまうのもまた事実です。

そうした不確実性や偏りを知っていながら、さもピア・レビューされた新着の論文はすべて正しいという担保に基づいて、完全に公開された実名で記事を紹介するのにも、我ながら幾ばくかの疑問を抱かずにはいられなくなってきました。

特にまだ見ぬ未来のことを語る論文のほとんどは(人によっては気を悪くするかもしれませんが)、不確実性の塊のようなものです。
その一方で、一般の方々が気候変動に関して気にするのは、「少なくとも過去のことではなく現在のことであり、特に未来の話である」はずです。これは大きなジレンマです。

もう少し新着論文のこれからについては考えてみますが、自分が数年前に想像していた以上に忙しく(単なる学生と違い、大学の教員の皆様は大体そうなのでしょうけれど)、そして他人の研究以上に自分自身の研究が大事になってきたので(僕の想像を超える面白い研究は世の中に溢れかえっているのですが、卒業のためには投稿論文が必要なのです)、
「黒猫ブログの新着論文紹介はこれからはあまり当てにしないでくださいね」、という言い訳のための記事でしたw

Nature・Scienceに関しては、これからも継続したいと思っています。
そもそも読んでて面白いですからね。

新着論文(Science#6160)

Science
VOL 342, ISSUE 6160, PAGES 765-900 (15 NOVEMBER 2013)
Editors' Choice
Jet Transport
ジェット輸送
Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 110, 10.1073/pnas.1222239110 (2013).
フロリダに位置するエヴァグレーズ湿地帯の維持にサハラ砂漠からもたらされるダストが大きな役割を持っていた可能性が、湿地の堆積物コアから明らかに。4.6kaの古環境復元によると、熱帯低気圧の頻度とも関連して、ダストの供給量が過去に大きく変動し、湿地帯の植生、水位、栄養塩供給量などに影響していたらしい。
>話題の論文
Holocene dynamics of the Florida Everglades with respect to climate, dustfall, and tropical storms
Paul H. Glaser, Barbara C. S. Hansen, Joe J. Donovan, Thomas J. Givnish, Craig A. Stricker, and John C. Volin

Mercury Biomagnification
水銀の生物増幅
Environ. Sci. Technol. 10.1021/es403103t (2013).
 水生態系では水銀はメチル水銀へと形を変え、上位捕食者の身体に水中の濃度の100万倍という規模で濃集することが知られている。この生物による増幅効果によって魚や魚を食べる捕食者の毒性が強まることとなる。しかしながら、増幅効果は生態系ごとに様々で何がそれをコントロールしているかはよく分かっていない。
 これまでに世界の69地点の海と淡水の生態系で行われた研究をまとめたところ、増幅効果と緯度との間に正の相関が見られ、冷たく、生物生産性が低いところほど大きいことが分かった。詳しいメカニズムは依然として不明だが、「温度」がかなり影響していると思われる。

Our Rain
私たちの雨
Geophys. Res. Lett. 40, 5252 (2013).
気候の温暖化とともに強い雨も増加することが予想されている。大気中の水蒸気量は温度が高いほど多くなるためである。CMIP5の気候予測シミュレーションの結果から、1951年から2005年にかけて、北半球の陸において1日、5日間の降水量の平均がそれぞれ5.2%、5.9%増加したことが示された。20年に一度の大雨が15年に一度の大雨へと変化しているらしい。さらにこうした変化は自然変動では説明できず、人為起源の影響であることも示された。
>話題の論文
Attributing intensification of precipitation extremes to human influence
Xuebin Zhang, Hui Wan, Francis W. Zwiers, Gabriele C. Hegerl, Seung-Ki Min

News of the Week
※今回は省略

News & Analysis
Old Dogs Teach a New Lesson About Canine Origins
古い犬がイヌ科の起源に関する新たな教訓を教えてくれる
Elizabeth Pennisi
18種の古代のイヌのミトコンドリアDNAの解読結果を現存する犬・オオカミ・コヨーテと比較したところ、ヨーロッパで初めて、今はいないグレーウルフ(gray wolf)から飼われ始めたことが示された。
>関連した記事(ナショナルジオグラフィック ニュース)
イヌ家畜化の起源はヨーロッパか

News Focus
The Man Who Bottled Evolution
進化を瓶につめる男
Elizabeth Pennisi
Richard Lenskiによるバクテリアの進化の25年間にわたる研究によって、「どのようにして変異と選別とが生物を形作るか」に関する興味は尽きることがないことが示されている。

Turning Up the Light
光をつける
Robert F. Service
ペロブスカイトを利用した太陽電池は従来型のシリコンを用いたものを追い越す勢いで発展してきている。しかし、実験室内では上手くいっているが、果たして商用になるだろうか?

Policy Forum
Protected Areas and Effective Biodiversity Conservation
保護区と効果的な生物多様性の保護
Soizic Le Saout, Michael Hoffmann, Yichuan Shi, Adrian Hughes, Cyril Bernard, Thomas M. Brooks, Bastian Bertzky, Stuart H. M. Butchart, Simon N. Stuart, Tim Badman, and Ana S. L. Rodrigues
生物種を絶滅から防ぐための保護区を増やすことは、それを管理する戦略を必要としている。

What Does Zero Deforestation Mean?
森林破壊ゼロは何を意味する?
Sandra Brown and Daniel Zarin
曖昧な定義は森林保全と説明責任に対してリスクを与える。

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Research
Perspectives
Out of the African Humid Period
アフリカの湿潤期から抜けて
Edouard Bard
Tierney & deMenocalの解説記事。
東アフリカで採取された海洋堆積物コアのデータは、いかにしてアフリカが完新世初期の湿潤な気候から現在のような乾燥した気候へと変遷したかを物語っている。

Understanding Lakes Near and Far
近くと遠くの湖を理解する
Stephanie E. Hampton
人工衛星による観測とセンサーを用いた現地調査とが、気候変化と汚染が個々の湖に長期的に与える影響の評価を相互補完する。

Review
The Consequence of Tree Pests and Diseases for Ecosystem Services
木の疫病と病気が生態系サービスに与える影響
I. L. Boyd, P. H. Freer-Smith, C. A. Gilligan, and H. C. J. Godfray

Reports
Abrupt Shifts in Horn of Africa Hydroclimate Since the Last Glacial Maximum
最終氷期以降のアフリカの角の水気候の急激なシフト
Jessica E. Tierney and Peter B. deMenocal
 アフリカにおける完新世初期の湿潤期の急激な登場と衰退は古気候、人類史の上でも興味深い対象であり、さらに将来の急激な気候変化に対する知見を与えてくれる。
 アデン湾から採取された堆積物コアの植物の葉の脂肪酸の水素同位体(δDwax)を用いて、過去20kaのアフリカ北東部の水気候を復元。周辺地域とほぼ同時期に(数百年以内に)、アフリカの湿潤期(11 - 5ka)が急激に始まり、そして衰退したと考えられる。

High-Resolution Global Maps of 21st-Century Forest Cover Change
21世紀の森林被覆の変化の高解像度の全球マップ
M. C. Hansen, P. V. Potapov, R. Moore, M. Hancher, S. A. Turubanova, A. Tyukavina, D. Thau, S. V. Stehman, S. J. Goetz, T. R. Loveland, A. Kommareddy, A. Egorov, L. Chini, C. O. Justice, and J. R. G. Townshend
ランドサット地球観測衛星の記録から、2000年から2012年にかけての30m間隔という非常に高解像度の森林被覆の変化を見積もった。熱帯域のみ、年間2101km2という割合で減少傾向にあることが示された。ブラジルの熱帯雨林の消失はマレーシア・パラグアイ・ボリビア・ザンビア・アンゴラなどの地域の増加によって補われていた。亜熱帯域の森林は人間による林業の結果、大きく変動していた。高緯度域の森林の消失は森林火災と林業によるものと思われ、熱帯域についで早く消失している。

Complete Mitochondrial Genomes of Ancient Canids Suggest a European Origin of Domestic Dogs
古代のイヌ科の完全なミトコンドリア・ゲノムが家犬のヨーロッパ起源を示唆
O. Thalmann et al.
ミトコンドリアDNAの分析から、犬の飼育の歴史は複雑であり、おそらくヨーロッパ起源である可能性が示唆された。

2013年11月14日木曜日

新着論文(Nature#7475)

Nature
Volume 503 Number 7475 pp165-306 (14 November 2013)

RESERCH HIGHLIGHTS
Economic link to global warming

地球温暖化に対する経済的な繋がり
Nature Geosci. http://doi.org/p2b (2013)
地球温暖化の速度の変化と人間活動の重要な出来事との間には密接な繋がりがあるかもしれない。1880年以来の地表平均気温と温室効果ガス濃度の記録から、2度の大戦と世界的な経済恐慌の際に温暖化の速度が鈍化していたことが示された。またモントリオール議定書の発行後、温室効果ガスでもあるフロンガス(CFCs)の排出量が規制された結果、温暖化の速度が鈍化するのを助けた可能性も示唆されている。
>より詳細な記事(Nature NEWS)
Ozone-hole treaty slowed global warming
オゾンホール条約が地球温暖化を遅くした
Hannah Hoag
1987年のモントリオール議定書が発行されなければ、現在の気候は0.1℃より温暖化していた可能性も指摘されている。しかしながら、彼らの発見は相関関係であり、必ずしも因果関係を示していない。さらに、近年の温暖化の鈍化(ハイエタス)も同じメカニズムである可能性は低い。彼らの研究ではエアロゾルや海の熱吸収の影響を考慮していないからである。
>関連した記事(ナショナルジオグラフィック ニュース)
地球温暖化減速、フロン規制の効果か
>話題の論文
Statistically derived contributions of diverse human influences to twentieth-century temperature changes
統計学的に引き出された様々な人類の影響が20世紀の温度変化に与えた寄与
Francisco Estrada, Pierre Perron & Benjamín Martínez-López
最新の統計学的手法を用いて20世紀の地表面気温の変化の原因を考察。一部他の要因の放射強制力も寄与しているが、主として大気中の温室効果ガス濃度で放射強制力の変化とそれに伴う気温変化が説明できることが示された。温暖化の速度が鈍化していた時期においては人間活動が関与していた可能性があり、2度の世界大戦と、世界恐慌、モントリオール議定書の批准がそれにあたると思われる。(農業法とも関連した)メタン排出の変化も1990年代以降の温暖化の鈍化(ハイエタス)と関係しているかもしれない。従って、この結果は、温室効果ガスの削減が短期的な温暖化速度の低下に繋がることを示唆している。

Burials indicate Viking sacrifices
埋蔵物はバイキングの生け贄行為を示唆している
J. Archaeol. Sci. 41, 533–540 (2013)
1980年代にノルウェーの島で行われた発掘によって、6つの穴から10人の遺骨が見つかり、その年代はAD550-1030年であることが分かった。その後の調査によって、3つの穴に共通して、頭蓋骨が少なくとも1体は欠損していることが分かった。DNA分析と窒素・炭素同位体分析から、それらは一緒に埋葬されている人と異なる母親を持つこと、より肉を食べていなかったことなどが分かった。おそらく彼らは奴隷で、生け贄として一緒に葬られたのだと想像される。

Injected gas makes Earth rumble
注入されたガスが地球をゴロゴロさせた
Proc. Natl Acad. Sci. USA http://doi.org/pxs (2013)
過去数年間にテキサスの石油井において発生した地震(18件はM3.0-4.4の間)は、地下への気体CO2注入が原因である可能性がある。それまで排水の注入が原因と考えられていたが、ガスの注入によって地震が起きた例としては最初の事例になるかもしれない。地震波の解析から震源を特定したところ、掘削井であることが特定され、滑りが断層に沿って起きた可能性があるという。しかし地震を誘発していない掘削井もあることから、地震のきっかけになる場所を予測するためには、依然としてより多くのデータが必要とされている。
>より詳細な記事(Nature NEWS)
Oil recovery may have triggered Texas tremors
石油回収がテキサスの地震を引き起こしたのかもしれない
Jeff Tollefson
>関連した記事(ナショナルジオグラフィック ニュース)
地中へのCO2隔離で地震が増加?

SEVEN DAYS
※今回は省略

NEWS IN FOCUS
Mars mission set for launch
火星のミッションが打ち上げ準備に
Alexandra Witze
NASAのMAVEN探査機は火星にはもうほとんどない大気の謎を解き明かすことを目的としている。
>関連した記事(Science#6159 "News & Analysis")
Orbiting MAVEN Mission Set to Trace a Planet's History in Thin Martian Air
薄い火星の大気で惑星の過去を辿るためのMAVEN軌道ミッションが始まる
Yudhijit Bhattacharjee
今月末、NASAが火星に送ろうとしている探査機(MAVEN)は火星の大気を観測することにより、注意深く火星の数十億年間の歴史を紐解くことを目標としている。

COMMENT
Global change: Ecology must evolve
全球的な変化:生態系は進化するに違いない

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RESEARCH
NEWS & VIEWS
Solar System: Russian skyfall
太陽系:ロシアの落下物
Natalia Artemieva
Borovička et al.とBrown et al.の解説記事。
最近ロシア上空に突入し、空中分解した20mの隕石は、壮大な空中ショーとなっただけでなく、高速衝突に関する理解を深める上でこの上ないデータを提供してくれた。
>Nature ハイライト
天の崩落:チェリャビンスク火球の軌跡、起源と空中爆発
>関連した記事(ナショナルジオグラフィック ニュース)
ロシアの隕石、空前の規模の爆発

Biodiversity: The ecological deficit
生物多様性:生態学的な欠陥
Andrew Gonzalez
タイのChiew Larnダム建設から25年が経過して、森林に棲息していた小型ほ乳類がほぼ絶滅しかけている。その原因は生息地が断片化したことにあると考えられる。生物多様性消失に遅れ(ラグ)があることの際立った例となっている。

LETTERS
The trajectory, structure and origin of the Chelyabinsk asteroidal impactor
チェリャビンスク天体衝突の軌道、構造、起源
Jiří Borovička, Pavel Spurný, Peter Brown, Paul Wiegert, Pavel Kalenda, David Clark & Lukáš Shrbený
2013年2月15日のチェリャビンスクの隕石衝突のビデオ記録から、その軌道が再現された。小天体86039(19999 NC43)のものにかなり類似していることから、かつては同じ天体であった可能性が示唆される。
※19999 NC43は太陽の周りを回る直径2.2キロほどの小惑星で、数年ごとに1回地球軌道に接近。120万年前に何らかの原因で分裂したと考えられる。

A 500-kiloton airburst over Chelyabinsk and an enhanced hazard from small impactors
チェリャビンスク上空の500キロトン相当の空中破裂と小型衝突体によって促進された災害
P. G. Brown et al.
直径17-20mの隕石の空中分解は、ダイナマイト500キロトンに相当するエネルギーを持っていたと推定される。
※広島型原爆のネネルギーは約15キロトン

Evidence for high salinity of Early Cretaceous sea water from the Chesapeake Bay crater
チェサピーク湾のクレーターから得られた白亜紀初期の海水が高塩分であったことの証拠
Ward E. Sanford, Michael W. Doughten, Tyler B. Coplen, Andrew G. Hunt & Thomas D. Bullen
 チェサピーク湾のクレーターで見つかった、地下1,000mの地下水が高塩分であることは、隕石衝突時に蒸発岩が溶解したことや浸透(osmosis)、衝突加熱による蒸発などが原因と考えられてきた。
 同位体分析による化学的証拠や物理的観測などから、それが白亜紀初期の北大西洋の海水起源であることが示唆された。塩分は70‰と、現在の2倍の値と推定され、当時この海域がほとんど閉鎖されていた事実と整合的である。大西洋沿岸部の至る所にこうした高塩分地下水が眠っている可能性がある。
>Nature ハイライト
白亜紀海洋の原始海水

The earliest known holometabolous insects
これまで知られている中で最も初期の完全変態型昆虫
André Nel et al.
石炭紀のペンシルベニアンに相当する4体の昆虫と1体の幼生の化石が記載された。
>Nature ハイライト
初期の昆虫群の多様性

2013年11月13日水曜日

新着論文(Ncom)

Nature Communications
☆16 October 2013
Earthworms facilitate carbon sequestration through unequal amplification of carbon stabilization compared with mineralization
Weixin Zhang et al.
>Nature姉妹紙 ハイライト
土壌による炭素吸収を仲介するミミズと地球温暖化

☆23 October 2013
Vortex magnetic structure in framboidal magnetite reveals existence of water droplets in an ancient asteroid
Yuki Kimura et al.
>Nature姉妹紙 ハイライト
隕石から蒸発した最後の水滴が残していったもの

Natural gold particles in Eucalyptus leaves and their relevance to exploration for buried gold deposits <OPEN>
Melvyn Lintern, Ravi Anand, Chris Ryan and David Paterson
金鉱床の上に生えるユーカリ属(Eucalyptus)の木の葉の中の金粒子の存在度を用いて探鉱が可能である可能性を示唆。
>Nature姉妹紙 ハイライト
金の粒子を生み出すユーカリ?

Sequestration of Martian CO2 by mineral carbonation
Tim Tomkinson, Martin R. Lee, Darren F. Mark and Caroline L. Smith
>Nature姉妹紙 ハイライト
火星の大気中の二酸化炭素は岩石に吸収されていた

☆30 October 2013
Cretaceous stem chondrichthyans survived the end-Permian mass extinction
Guillaume Guinot, Sylvain Adnet, Lionel Cavin and Henri Cappetta
>Nature姉妹紙 ハイライト
大量絶滅を生き延びた古生代のサメ

Cumulative human impacts on marine predators
Sara M. Maxwell et al.

Deoxygenation alters bacterial diversity and community composition in the ocean's largest oxygen minimum zone
J. Michael Beman and Molly T. Carolan
生物地球化学的に酸素極小層(OMZ)は重要な役割を果たしているが、それが気候変化にどう応答するかはよく分かっていない。世界最大のOMZが存在する北米大陸西岸のバクテリアコミュニティーと酸素濃度との間に強い結びつきがあることが示された。気候変化とともにOMZは拡大すると予測されているが、酸素濃度の低下は微生物の組成や多様性、機能に影響する可能性がある。

☆6 November 2013
Palaeoclimate reconstructions reveal a strong link between El Niño-Southern Oscillation and Tropical Pacific mean state
Aleksey Yu Sadekov, Raja Ganeshram, Laetitia Pichevin, Rose Berdin, Erin McClymont, Henry Elderfield and Alexander W. Tudhope

Exceptional mobility of an advancing rhyolitic obsidian flow at Cordón Caulle volcano in Chile
Hugh Tuffen, Mike R. James, Jonathan M. Castro and C. Ian Schipper

Rapid regional perturbations to the recent global geomagnetic decay revealed by a new Hawaiian record <OPEN>
L. V. de Groot, A. J. Biggin, M. J. Dekkers, C. G. Langereis and E. Herrero-Bervera
近年地磁気は弱化しつつあるが、過去の記録が必要とされている。ハワイの溶岩から過去2000年間の地磁気強度を復元。

Evidence for the alkaline nature of parental carbonatite melts at Oka complex in Canada
Wei Chen, Vadim S. Kamenetsky and Antonio Simonetti

2013年11月9日土曜日

GMTで等深線を描く

(2016/10/1 追記➡︎続編:「ETOPO1の標高データを使い、色付きの等深線をGMTで描く」)

MacでGMT(Generic Mapping Tool)を使っているのですが、ここ数日で等深線の描き方について色々と学んだことについて簡単にまとめておきます。
僕自身、GMTプロの沖野研の横にいながらずぶの素人なので、初心者で同じようなエラーに悩まされる人の参考になればと、記事を書いている次第です。

GMTのバージョンは4.5.8です。

今回やろうとしていたのは沿岸部の海岸線と等深線を描くという作業なのですが、たったそれだけの作業にかなりの時間をかけてしまいました。

使おうとしたデータはまず「ETOPO5.dat」
アメリカ大気海洋庁(NOAA)のHPに行くとダウンロードできるようになっています。
ちょっと古いデータということですが、緯度・経度5分間隔と、多少軽いデータとなっています。

ただし、これだとどうしても深度情報(z)にエラーが出てしまい、お手上げ状態となりました。(後で詳しい人に聞いたところによると、救済できる手段もあるのだとか)

「$ head ETOPO5.txt」で最初の10行を表示しても明らかに文字化けしている。

PCにあまり詳しくない僕はこの時点でお手上げ。

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次に手をつけたのが最新バージョンでとんでもなく重い(圧縮されて約1GB)、
Bedrock grid-registeredの
「ETOPO1._Bed_g_int.xyz」ファイル。こちらは緯度・経度1分間隔の細かいデータです。

一応NOAA的には推奨されるファイルということになっています。(HP)

「$ head ETOPO1._Bed_g_int.xyz」や「tail ETOPO1._Bed_g_int.xyz」で中を確認すると、今度はデータそのものはちゃんと表示されていそう。
そのまま「$ grdcut ETOPO1._Bed_g_int.xyz -R/120/155/20/50 -Gjapan.grd」でグリッドデータを切り出そうとするも、「Not a supported grid format(サポートされたグリッド形式ではない)」というエラーが返されてしまう。

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それで色々と模索したあげく、辿り着いたのが「ETOPO1_Bed_c_gmt4.grd」
要するにETOPO1がすでにGMT ver.4に対応した、grdファイルになったものだということです。
こちらのHPからダウンロードできます。ソースは同じくNOAAです。

かなりシンプルに、

pscoast -R${range} -JM${size} -D${reso} -W1 -G245 -S -B${xanot}/${yanot} -K -X3 -Y3 -A30 -Ia  > ${out}.eps 
grdcut ETOPO1_Bed_c_gmt4.grd -R -G${gridfile}.grd
grdcontour ${gridfile}.grd -JM -C10 -W0.2 -A20 -L-60/0 -O -K >> ${out}.eps

と、ETOPO1_Bed_c_gmt4.grdからある指定した範囲で切り出す(-R${range})という風にすると成功。

それまで、あれこれと
grdraste.infoの中身をいじったり、
「$ grdraster」でグリッドファイルの書き出し(参考HP)
を試みるもうまくいきませんでした。
GMT用の質問サイトで「ETOPO1_Bed_c_gmt4.grdにはgrdrasterは必要ない」という記述を見つけて、上の方法でやったところすんなりいきました。

以下は「Kamichu 日本地図を描いてみる」を参考に描いた日本周辺の海底地形図。

range=120/155/20/50
#size is in cm scale
size=10
reso=i
xanot=a10f5
yanot=a10f5
out=japan
gridfile=japan
xy=japan_location

pscoast -R${range} -JM${size} -D${reso} -W1 -G245 -S -B${xanot}/${yanot} -K -X3 -Y3 -A30 -Lf74/18/18/200k > ${out}.eps 
grdcut ETOPO1_Bed_c_gmt4.grd -R -G${gridfile}.grd
grdcontour ${gridfile}.grd -JM -C2000 -W0.1 -A20 -L-12000/0 -O -K >> ${out}.eps
#psxy ${xy}.txt -JM -R -W -Sc6p -Gblack -O >> ${out}.eps


あとは細かいところを変えていけばいろんな地域の海底地形図を描けます。



ちなみに、

◎grdcontourの-Lオプションで「-12000/0」としてますが、これは等深線を描く範囲を-12000mから0m(海岸線)と指定しており、失くせば等高線も描けます。

◎japan_location.txtで緯度経度情報を含めたテキストファイルを用意しておくと、地図上に点を打つこともできます。
使うときは上のコマンドの#psxyの#を外してください。

◎同期に教えてもらった方法なのですが、コマンドをテキストエディタ(TextWrangler、GNU Emacs、X codeなど)で.shで保存しておくと、何度もコマンドを打つ必要がなく楽チンです。
読み出すときは「$ sh ファイル名.sh」でOK。

◎何度かSYNTAX errorというのを返されましたが(まだよく理解していませんが)、文字コードなど.shファイルの形式にも気をつけた方が良さそうです。



海洋底科学部門なので、もっと勉強しなきゃですね…沖野先生のGMT講座もしっかり見なければ…。。