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☆主なコンテンツ
1、新着論文 2、論文概説 3、コラム 4、本のレビュー 5、雑記(PC・研究関連)
6、気になった一文集(日本語English) 7、日記(日本語English) おまけTwilog

2012年11月7日水曜日

新着論文(EPSL, GCA, QSR)

※論文アラートより

Evolution of carbon cycle over the past 100 million years
Gaojun Li, Harry ElderfieldGeochimica et Cosmochimica Acta, (2012), in press
白亜紀以降pCO2は低下傾向にあるが、それがどういった炭素循環の結果起きたのかについてはよく分かっていない。モデルを用いて過去100Maの炭素循環を再現。制約条件として海水のC・Sr・Os同位体と海底地殻の拡大速度を利用している。島弧の玄武岩の風化は寒冷化に伴い減少するが、一方で大陸のケイ質岩の風化・逆風化(reverse weathering)・火山性のガス噴出・有機炭素リザーバーの増加に伴ってCO2フラックスが大きく変動した。pCO2と島弧の玄武岩の間の負のフィードバックメカニズムが長期的な炭素循環の安定化には重要な役割を負っていたと考えられる。

Reconstructing deglacial North and South Atlantic deep water sourcing using foraminiferal Nd isotopes
A.M. Piotrowski, A. Galy, J.A.L. Nicholl, N. Roberts, D.J. Wilson, J.A. Clegg, J. Yu
Earth and Planetary Science Letters 357–358 (2012) 289–297
堆積物コアから得られたNd同位体(εNd)から過去の海水循環を復元するには堆積物中で確かに海水のεNdが保存されているかどうかが重要である。南大西洋のDeep Cape海盆で採取された堆積物コア中の浮遊性有孔虫の殻の表面にコーティングされたFe-Mn酸化物を還元的にリーチングして得られた溶液のεNdが確かに深層水のεNdを保存していることが分かった。北西大西洋から得られた堆積物コア中のバルク堆積物を用いて最終退氷期の深層水のεNdを復元したところ、氷期の値から完新世の(現在の)値に変化していることが分かった。

How did the hydrologic cycle respond to the two-phase mystery interval?
Wally Broecker, Aaron E. Putnam
Quaternary Science Reviews 57 (2012) 17–25
Estancia湖の堆積物コアが物語っている、Mystery Interval(18.0 - 14.6ka)における乾燥→湿潤化は、全球的な気候変動と一致している。一連の気候変動の原因は北大西洋における海氷の張り出しが深層水の形成を遮断したことにあるが、MIのきっかけとなったHS1の際にもITCZの南下があったはずだというジレンマが存在する。

A re-examination of evidence for the North Atlantic “1500-year cycle” at Site 609 
Stephen P. Obrochta, Hiroko Miyahara, Yusuke Yokoyama, Thomas J. Crowley
Quaternary Science Reviews, 55(2012) 23–33
ボンドサイクルとして知られる、「MIS4における太陽活動が原因と解釈されている1,500年周期の気候変動」の走りとなったDSDP609コアの年代モデルを最新のMarine09とGICC05を用いて較正し、再度統計解析を行ったところ、いわゆる1,500年の周期性は確認されず、むしろ1,000年周期や2,000年周期の混合であることが分かった。同じコアの完新世の部分のIRD(厳密にはヘマタイトで覆われた粒子)にはアイスコアの10Beや木の14Cなどで確認されている太陽活動の周期性が確認された。’1,500年周期’にはあまり信頼性がなく、年代モデルの不確実性の産物と考えられる。

2012年11月6日火曜日

新着論文(GRL, JGR, PO, BG)

※横山研の新着論文担当箇所より

○G3
Dynamic process of turbidity generation triggered by the 2011 Tohoku-Oki earthquake
Noguchi, T., W. Tanikawa, T. Hirose, W. Lin, S. Kawagucci, Y. Yoshida-Takashima, M. C. Honda, K. Takai, H. Kitazato, and K. Okamura
東北沖地震の1ヶ月後に震源域の直上付近で非常に懸濁した底層水が確認され(地震前の10倍程度)、地震による地滑りによって生じたと考えられる。堆積物が薄くても非常に早い加速度を持った地震であれば海底地滑りが発生することを示している。

○GRL
Recent changes in the dynamic properties of declining Arctic sea ice: A model study
Zhang, J., R. Lindsay, A. Schweiger, and I. Rigor
1979-2006年平均と比べると、2007-2011年平均の北極の海氷量は体積が33%減少し、厚さも特に西部で薄くなっている。その結果、氷の流出速度と崩壊速度がそれぞれ13%、17%早まっている。海氷の物理特性は複雑で、海氷の端を正確に予測するのは難しいらしい。

Sea level trends, interannual and decadal variability in the Pacific Ocean
Zhang, X., and J. A. Church
1993年から行われているほぼ全球の海水面の高度計のデータを用いて、太平洋における海水準の経年変動・数十年変動を分けて議論。赤道西太平洋で海水準の上昇速度が特に早いのは、数十年スケールの気候変動の結果と考えられる。また東赤道太平洋やアメリカ西海岸の海水準の上昇率は無視できる程度である。変動の大部分はENSOとPDOによって説明可能らしい。

The fingerprint of human-induced changes in the ocean's salinity and temperature fields
Pierce, D. W., P. J. Gleckler, T. P. Barnett, B. D. Santer, and P. J. Durack
海洋の塩分分布は主に蒸発・降水・河川流入によってコントロールされているが、近年人間活動によって変化しつつある。1955-2004年の60ºS-60ºNに挟まれた地域で得られたデータをもとにモデルと観測データの解析を行ったところ、気候の内部変動(ENSOやPDOなど)や外部強制力(太陽活動や火山噴火など)では説明できない変動成分があることが分かった。

Sensitivity of equatorial mesopause temperatures to the 27-day solar cycle
von Savigny, C., K.-U. Eichmann, C. E. Robert, J. P. Burrows, and M. Weber
赤道域の中間圏のOHの回転温度(OH rotational temperatures)に27日の太陽周期が確認された。また11年周期の感度とも非常に良く一致するため、同様のメカニズムによって太陽の27日・11年周期が中間圏の温度の変動を駆動していると考えられる。

○JGR-Oceans
Improving sea level reconstructions using non-sea level measurements
Hamlington, B. D., R. R. Leben, and K.-Y. Kim
潮位計・人工衛星の高度計・水温データを併せて1900年から現在までの太平洋の海水準変動を復元。PDOや赤道太平洋のENSOの成分も海水準変動にはっきり現れており、特に水温変動を含めたほうがここ50年間の変動復元が改善するという。

Oxygen trends over five decades in the North Atlantic
Stendardo, I., and N. Gruber
CARINA、GLODAP、World Ocean Databaseの海水の酸素濃度の測定データから、1960年から2009年までの北大西洋の酸素濃度の長期トレンドを調査。表層水・モード水・中層水はすべて酸素濃度が低下しているのに対し、中層水下部・ラブラドル海水は酸素濃度が増加していた。大気交換や溶解度の変化が原因として考えられる。

○Paleoceanography
Vital effects in coccolith calcite: Cenozoic climate-pCO2 drove the diversity of carbon acquisition strategies in coccolithophores?
Bolton, C. T., H. M. Stoll, and A. Mendez-Vicente
円石藻のカルサイトの殻はサイズによって酸素・炭素同位体の値が異なることが報告されており、いわゆる生体効果と考えられている。しかし二酸化炭素濃度が高い状態で飼育を行うと生体効果が小さくなることが示されており、この事実はPaleoceneの温暖期(CO2濃度が高かったと考えられている)の円石藻の生体効果が小さかったこととも整合的である。Paleocene-Eocene thermal maximum (PETM)、last glacial maximum (LGM)、Plio-Pleistocene transition (PPT)の堆積物コアから産出する円石藻の殻をサイズごとに分け、同位体分析を行ったところ、PETMには生体効果が小さく、LGMとPPTには大きい(~2‰)ことが示された。円石藻の生体効果の殻サイズ依存性でpCO2を復元するのは難しそう。PETM後のpCO2の減少(新生代の寒冷化)に適応するための炭素取り込みの多様化が起こった結果かもしれない?

○Biogeosciences
Influence of CO2 and nitrogen limitation on the coccolith volume of Emiliania huxleyi (Haptophyta)
M. N. Müller, L. Beaufort, O. Bernard, M. L. Pedrotti, A. Talec, and A. Sciandra
栄養塩をふんだんに与え、窒素を制限した状態でpCO2を変えた水槽下で円石藻(Emiliania huxleyi)を飼育実験。pCO2が高いほど有機物の生産量は増えるが、一方で石灰化量は減少した。円石藻のサイズとpCO2との間に明瞭な相関は見られず、堆積物コアなどから得られた化石の円石藻のサイズの変化を解釈する際には注意が必要である。

N2O emissions from the global agricultural nitrogen cycle – current state and future scenarios
B. L. Bodirsky, A. Popp, I. Weindl, J. P. Dietrich, S. Rolinski, L. Scheiffele, C. Schmitz, and H. Lotze-Campen
反応性の高い窒素(Nr)は植物の生育に重要であるだけでなく、自然の生態系に大きな擾乱を与える。人為起源の汚染を抑制するためにも農業を起源とするNrの長期的な変動を理解することは重要である。モデルシミュレーションから、農業起源のNrのほとんどが自然へ流出していることが示され(人類に摂取されているのは10%以下に過ぎない)、将来の一酸化二窒素(N2O;温室効果ガスの一つ)排出量も2095年までに大きく増加することが予想される。

Silicon stable isotope distribution traces Southern Ocean export of Si to the eastern South Pacific thermocline
G. F. de Souza, B. C. Reynolds, G. C. Johnson, J. L. Bullister, and B. Bourdon
南太平洋の103ºW線に沿ってδ30Siを測定。冬期の混合層のδ30Siが高い値を示すのは珪藻の生物生産の強化が原因で、その高い値はさらにSAMW/AAIWの沈み込みに伴い中層水へ取り込まれる。中層水のδ30Siは保存されているため、南大洋の表層から低緯度へSiが輸送されていることを物語っている。一方で東赤道太平洋のδ30Siは低い値を示し、「北太平洋を起源とする中層水の混合」と「表層で生産されたSiの再鉱物化(remineralization)」を示唆している。また太平洋の深層水全体でδ30Siの値が均質なのは、Siの溶解プロセスのδ30Siに対する寄与が無視できる程度であることを暗示している。

2012年11月4日日曜日

新着論文(Science#6107)

Science
VOL 338, ISSUE 6107, PAGES 569-712 (2 NOVEMBER 2012)

Editors' Choice
特になし

News of the Week
Sand Grains Make Dunes Sing
砂粒が砂丘を歌わせる
砂漠に風が吹くと風が砂に当たって音を出すが、あるものは一つの音を奏で、あるものは支離滅裂な音楽を奏でることが知られている。しかしそれがなぜ違う音階になるかはこれまで分かっていなかった。モロッコで採取された砂(105Hz)とオマーンで採取された砂(90-105Hz)を用いて音を再現したところ、傾斜を砂が滑り落ちる際に音が出ることが分かり、オマーンの砂粒のサイズを揃えると一つの音になることが分かった。

Cool as a Ball of Dung
糞のボールのおかげで涼しい
アフリカのサバンナの日中の地表の温度は60℃を超すが、フンコロガシは糞の上に一次的に留まることで身体を冷やしているらしい。蒸発熱によって、地表から数センチ離れるだけで30℃も気温は下がるという。地表温度が高いほどフンコロガシは糞の上で休む傾向があり、前足をシリコンの靴で覆うと彼らは熱に耐えて休みにくくなるという結果が得られた。

News & Analysis
Convictions Leave Italy's Civil Protection in Chaos
有罪判決がイタリアの市民保護を混沌とさせる
Edwin Cartlidge
2009年のラクイアの大地震に先立って6人の科学者が安全宣言を出したことで罪に問われている問題で、イタリアの政府には自然災害に関するアドバイスを行う専門家がいないという問題が。

Flying Dinos and Baby Birds Offer New Clues About How Avians Took Wing
空を飛ぶ恐竜と鳥の子供がいかにして飛行生物が翼を得たのかに関する新しいヒントを与える
Michael Balter
先週の古脊椎動物学会にて、研究者は羽の生えた恐竜と鳥の子供の研究から飛行の起源について考えを巡らせた。

News Focus
Putting Rockfish Back Where They Belong
根魚を元いた所に戻す
Ingfei Chen
深場に住む魚を釣り上げると浮き袋などが膨張して目玉が飛び出たり、口から浮き袋が飛び出ることがある。そうした魚を再度海に返すことのできる装置が開発され、過度な漁獲の緩和やレクレーションとしての釣りの規制緩和へとつながる可能性がある。

Letters
Antarctic Treaty System Ready for a Challenge
南極条約システムの挑戦
Marcus Haward, Julia Jabour, and A. J. Press

China's Wastewater Treatment Goals
中国の汚水浄化の目標
Zhiwei Wang

Denuclearization's Indirect Consequences
脱原発の間接的な結果
Shun Deng Fam, Ding Li Yong, Daniel Ng, and Gordon Xiong
 福島第一原発の事故を受けて世界各国で脱原発の動きが見られる。例えばドイツは2022年までに現存する17機の原発から撤退することを宣言している。スイス政府は2034年までにすべての原発を廃止にすることを採決した。またフランス政府は原子力発電の全体に占める割合を下げることを明言した。
 より綺麗で原子力のない社会の魅力はあるが、一方で急に原発から撤退することはより多くの化石燃料を燃焼させることを意味し、温室効果ガス排出の増加と、気候変動問題をより悪化させる可能性があることについて警告する。原子力の抱える問題は新たな技術によって解決するだろうが、短期・中期的に原子力が気候変動緩和に対して負っている役割の重要性を考えると、あまりに早く原発から撤退するのは止めた方が賢明である。

Perspectives
How Cichlids Diversify
どのようにしてシクリッド科は多様化したのか
M. Emília Santos and Walter Salzburger
東アフリカでシクリッド科(カワスズメ科)が極端に多様化していることは、どのように多様化したのか・何故多様なのかを解明する助けとなる。

Getting Moore from Solar Cells
David J. Norris and Eray S. Aydil
太陽光発電の性能を向上するにはそれに代わる「装置のデザイン」や「構成する素材」の開発が必要になるだろう。

Review
Marine Microbes See a Sea of Gradients
海の微生物は差異のある海を見る
Roman Stocker
海の中にはありとあらゆる微生物が棲息し、それらが相互作用して成り立っている。まさに海洋学のフロンティアともいうべき分野であるが、微生物の振る舞いの理解には新たな枠組みが必要である。

Reports
The Absolute Chronology and Thermal Processing of Solids in the Solar Protoplanetary Disk
原始太陽系円盤の固体における絶対年代と熱的なプロセス
James N. Connelly, Martin Bizzarro, Alexander N. Krot, Åke Nordlund, Daniel Wielandt, and Marina A. Ivanova
CAIsとコンドリュールを形成した加熱イベントは原始太陽系円盤を形成するための根本的なプロセスであったと考えられているが、その形成史はよく分かっていない。Pb-Pb年代測定からCAIsとコンドリュールの形成は同時期で、300万年間継続していたことが示唆される。

Trade-Offs of Chemotactic Foraging in Turbulent Water
かき乱された水の中で走化的に探し回ることのトレードオフ
John R. Taylor and Roman Stocker
バクテリアは海洋の溶存有機炭素循環において重要な役割を負っている。有機炭素争奪においては動けるバクテリアが動けないバクテリアに比べ優勢である。実際には乱流の環境下で競争が起きるが、遊泳にもエネルギーを消費するため、遊泳速度は遊泳エネルギーとエネルギー摂取のせめぎ合いの中で最適な速度へと収束する。

Technical Comments
Comment on “Multiyear Prediction of Monthly Mean Atlantic Meridional Overturning Circulation at 26.5°N”
Gabriel A. Vecchi, Rym Msadek, Thomas L. Delworth, Keith W. Dixon, Eric Guilyardi, Ed Hawkins, Alicia R. Karspeck, Juliette Mignot, Jon Robson, Anthony Rosati, and Rong Zhang
Matei et al. (2012, Science)はAMOCを数年先まで予測できる技術を報告しているが、その予測は「気候学的な年変動に基づいた単純な予測」に勝らないため、これらの主張は正当化されない。従って、’高い信頼度で’AMOCが2012年まで安定だという予測は正当化されない。

Response to Comment on “Multiyear Prediction of Monthly Mean Atlantic Meridional Overturning Circulation at 26.5°N”
Daniela Matei, Johanna Baehr, Johann H. Jungclaus, Helmuth Haak, Wolfgang A. Müller, and Jochem Marotzke
Vecchi et al. は我々のAMOCの数年先の予測は彼らの気候学的な年変動に基づいた予測に及ばないと指摘している。(我々の元々の論文にも書かれている)再現の手段を用いて、我々の予測が彼らの予測を上回ることを示す。

新着論文(Nature#7422)

Nature
Volume 491 Number 7422 pp7-154 (1 November 2012)

EDITORIALS
Bad press
ダメなプレス
日本のメディアが嘘の影響を大げさにするのに大きな部分を負っていた。

RESEARCH HIGHLIGHTS
Plankton diversity loss looms
プランクトンの多様性の消失が近づいてくる
Science http://dx.doi. org/10.1126/science.1224836 (2012)
植物プランクトンは気候変動によって大きく影響を被る。ミシガン州立大学の研究チームは194種の植物プランクトンについてそれぞれの最適温度をまとめたところ、それぞれの種はそれぞれの地域に適した温度に適応しているが、熱帯種のみ周囲よりもやや温度が低いところに最適温度があることが分かった。彼らのモデルによれば、進化しない限り2℃の温度上昇が特に熱帯種の多様性の消失へとつながることが示された。

Tailored geoengineering
調整された地球工学
Nature Clim. Change http:// dx.doi.org/10.1038/ nclimate1722 (2012)
日光を反射することで地球を冷やす地球工学はその地域的な悪影響を最低限に抑えることが可能かもしれない。成層圏にエアロゾルを注入する地球工学を気候モデル上で実験したところ、北極の海氷を回復させながら、全球の気温を低下させることが可能だという。

Palaeoflamingo nest found
古代のフラミンゴの巣が見つかる
PLoS ONE 7, e46972 (2012)
1,500-2,000万年前のフラミンゴの祖先の巣の化石がスペインの地層から見つかり、さらに骨とともに5つの卵が確認された。卵の殻はフラミンゴに類似しているが、巣はカイツブリに類似しているという。現在2種は異なる巣作りや摂食のパターンを取るが、DNA的には近縁であることが知られていた。

SEVEN DAYS
Biofuels warning
バイオ燃料の警告
アメリカのNational Research Councilによると、「米国の輸送用のエネルギー源の5%を藻類によって作られたバイオ燃料で賄うとエネルギー・水・栄養の点で持続不可能になる」らしい。

Nuclear restart
原子力の再スタート
日本の原子力発電所の事故を受けて止まっていた中国の新たな原子力発電所の建設が再スタートする。ただし安全基準の引き上げなどに伴い、2015年までに50GWを賄う予定が40GWに抑えられるという。現在中国は15の原子力発電所を保有し、12.5GWを発電しているという(国内総発電量の1.8%)。

Solar exit
太陽から撤退
ドイツのミュンヘンに本部を置くSiemensはサハラ砂漠に太陽光発電所を建設する計画(DESERTEC)から撤退するという。

Nuclear rights
原子力の権利
日立はイギリスに原子力発電所を建設する権利を獲得した。ホライズン原子力を買収し、新たな原発を2ヵ所で建設する予定。1,300MW級の原発が4-6基できる予定だという。

NEWS IN FOCUS
L’Aquila verdict row grows
ラクイラの宣告に対する反感が広がる
Nicola Nosengo
地震のリスク評価を行ったイタリアの科学者に対する宣告に対して世界各地で反感が巻き起こっている。

Sahara solar plan loses its shine
サハラの太陽計画がその輝きを失う
Devin Powell
SiemensがDESERTEC計画から撤退するという決断が疑問を再燃させる

NIH faces chimp housing quandary
NIHがチンパンジーを飼育することの困惑に直面している
Meredith Wadman
研究対象から引退した多くのチンパンジーは研究室のような環境で今後も生き続けなければならないだろう。

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RESEARCH
NEWS & VIEWS
Origins of life: The cooperative gene
生命の起源:協力的な遺伝子
James Attwater & Philipp Holliger
地球の生命の起源はまだ解決していない最大の謎の一つである。新たな研究から、分子間の協力が無生物の化学から生物への移行へと大きく寄与した可能性が示唆される。

ARTICLES
Spontaneous network formation among cooperative RNA replicators
協力的なRNA受容体間の同時ネットワーク形成
Nilesh Vaidya, Michael L. Manapat, Irene A. Chen, Ramon Xulvi-Brunet, Eric J. Hayden & Niles
初期生命モデルでは、もしRNAが独立に機能するのではなく相互作用することができれば生命の出現と進化はより簡単に達成されることが示されていた。いくつかのRNAがリボザイムを形成することができるようにデザインされたin vivo系で、これらの断片が自ら触媒作用を持つRNA断片に打ち勝つことが示された。

LETTERS
Distinctive space weathering on Vesta from regolith mixing processes
レゴリスの混合プロセスから明らかになる、特徴的なベスタにおける宇宙風化
C. M. Pieters et al.

Dark material on Vesta from the infall of carbonaceous volatile-rich material
揮発性物質に富んだ炭素質の物質の沈着から明らかになるベスタの黒い物質(?)
T. B. McCord et al.

Fluvial response to abrupt global warming at the Palaeocene/Eocene boundary
暁新世/始新世境界における急激な地球温暖化に対する河川の応答
Brady Z. Foreman, Paul L. Heller & Mark T. Clementz
PETMは温暖化した将来のアナログになると考えられているが、新生代における最大の温暖化に対する河川の応答を西コロラドにおいて調べたところ、堆積盆スケールで砂岩層が厚く・多層に変化していたことが明らかになった。この変化はモデルによって示されている「植生の激変とモンスーン性の降水の増加に伴う堆積物フラックスや河川流量の急激な増加」と整合的である。また河川による堆積の変化はPETM時のCO2濃度上昇期間よりも長く持続している。PETMのような超温室効果状態では大きな地形変化が起きることが示される。

The elusive enriched reservoir revealed by 142Nd deficits in Isua Archaean rocks
イスアの始生代の岩石における142Ndの欠落が明らかにする、なかなか手に入らない冥王代のリザーバー
Hanika Rizo, Maud Boyet, Janne Blichert-Toft, Jonathan O’Neil, Minik T. Rosing & Jean-Louis 

Fault healing promotes high-frequency earthquakes in laboratory experiments and on natural faults
実験と自然の断層においては、断層の回復が高周波の地震を促進する
Gregory C. McLaskey, Amanda M. Thomas, Steven D. Glaser & Robert M. Nadeau

2012年11月3日土曜日

浮遊性・底性有孔虫の殻の放射性炭素から深層水の年代を見積もる

放射性炭素を利用した海洋深層水の年代推定、またそれをトレーサーとして用いた現在と過去の海洋循環について。

ちょっとマニアックな話題です。