学位取得後、研究室を移ったのですが、これまでと研究環境だけでなく、研究に対する姿勢も大きく変わりつつあります。
やはり環境を変えることで何から何まで大きな影響を受けるものだと感じる今日この頃です。
昔は新着論文のブログ上での紹介にも力を入れていましたが、いまはその余裕もなくなってきて、総合科学雑誌に目を通す暇もなく、
4月以降の研究を要約すると…
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4月 新たな実験環境のレクリエーション
5月 地球惑星科学連合大会での招待講演、公募戦線、学振PD書類準備
6月 二枚貝に関連した実験・出張、同位体分析計の微量化に向けた手法開発
7月 国際学会@名古屋
8月 マグロ・アジの脊椎骨・耳石の摘出、論文執筆①
9月 テレビ取材「所さんの目がテン!」、潜水調査①、二枚貝に関連した実験、サンゴに関連した実験・出張、論文執筆①(続き)
10月 サンゴに関連した実験・出張、魚の脊椎骨に関連した実験・出張、科研費書類準備
11月 IODP関係の出張、日本サンゴ礁学会での招待講演、論文執筆②
(今後)論文執筆②、ヒラメの筋肉中の微量元素定量の実験、潜水調査②、IODP掘削航海
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学位取得までは1ヶ月実験→解釈の練り上げと論文執筆に数ヶ月、というサイクルを繰り返してましたが、いまは多くのプロジェクトに同時に携わり、合間を縫っては論文を執筆、JSPS・公募・科研費用の応募書類の準備などに時間を費やしています。
一つのことに集中することよりも、多くのことに同時に気を配る必要があり、なかなか環境の変化に馴染めずにいます。またこれまで1ヶ月前から準備できていたものが、(学会時発表の準備など)1週間ほどで突貫工事的に準備することもあり、1つのタスクに対して配分できる時間が少なくなってきました。それでも質は落とせないのがphDなんですけどね…。
また、これまでは学振DC1によって十分な給与と自分で(比較的)自由に使える研究費があったものが、いまは環境が一変し、受け入れ先の研究者にほぼ100%を依存しています。
それもあって、「自分がやりたい研究」よりも「雇われている身として責務としてやらなければならないこと」のウエイトが大きくなったことも事実です。それに伴い国際学会もほとんど行けなくなりました。
自由度が小さくなり、また忙しくなったことは致し方ないことですが、
- これまであまり行けていなかった野外調査の機会が多く得られていること、
- これまでとは全く違う研究グループと交流する機会が得られていること、
- 実験手法の「てにをは」は環境が違うとこうも違うものかと日々勉強させられていること、
- 自分の給与から科研費まで「お金」の流れについて強く意識するようになったこと、
- 論文の発表数が研究者の人生を大きく左右することをようやく自覚できたこと、
といいい、プラスに感じることはかなり多くあり、大変刺激の多い日々を過ごしています。
今年の学振PDの審査結果は敢えなく不採用(でもA判定なのでもう一歩!)だったので、来年度もおそらくいまの研究室にお世話になることになります。
5月の学振PD応募時は論文は主著が2本でしたが、今は主著3・共著1本に増え、また今年中にもう2本投稿する予定なので、来年こそは「さすがに通るだろう」と思っています。果たして結果やいかに…
とりあえず今できることとして、
ありとあらゆるものに興味を持ち、新しいことをすべからく自分のものとし、そして人との縁を大切にしながら(大恩に報いることは言うまでもなく)、いまの環境で研鑽したいと思っています。