Main contents

☆主なコンテンツ
1、新着論文 2、論文概説 3、コラム 4、本のレビュー 5、雑記(PC・研究関連)
6、気になった一文集(日本語English) 7、日記(日本語English) おまけTwilog

2014年1月26日日曜日

新着論文(Science#6169)

Science
VOL 343, ISSUE 6169, PAGES 345-452 (24 JANUARY 2014)

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Special Issue "Martian Habitability"
特集 "火星の生命存在可能性"

INTRODUCTION
Habitability, Taphonomy, and the Search for Organic Carbon on Mars
火星の生命存在可能性、化石化、そして有機炭素の探査
John P. Grotzinger

Research Articles
A Habitable Fluvio-Lacustrine Environment at Yellowknife Bay, Gale Crater, Mars
火星のGaleクレーターのイエローナイフ湾における生命が棲める河川・湖環境
J. P. Grotzinger et al.

Mineralogy of a Mudstone at Yellowknife Bay, Gale Crater, Mars
火星のGaleクレーターのイエローナイフ湾の泥岩の鉱物学
D. T. Vaniman et al.

Elemental Geochemistry of Sedimentary Rocks at Yellowknife Bay, Gale Crater, Mars
火星のGaleクレーターのイエローナイフ湾の堆積岩の元素地球化学
S. M. McLennan et al.

Mars’ Surface Radiation Environment Measured with the Mars Science Laboratory’s Curiosity Rover
Mars Science Laboratoryによるキュリオシティー地上探査機によって測定された火星表面の放射環境
Donald M. Hassler et al.

Volatile and Organic Compositions of Sedimentary Rocks in Yellowknife Bay, Gale Crater, Mars
火星のGaleクレーターのイエローナイフ湾の堆積岩の揮発性・有機物質の組成
D. W. Ming et al.

In Situ Radiometric and Exposure Age Dating of the Martian Surface
火星の地表の現場での放射年代・表面露出年代決定
K. A. Farley et al.

Ancient Aqueous Environments at Endeavour Crater, Mars
火星のEndeavourクレーターの古代の水環境
R. E. Arvidson et al.

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Editors' Choice
More Than We Thought
我々が考えていた以上に
J. Quat. Sci. 29, 91 (2014).
地球温暖化によって極域の氷床が融解することで海水準が上昇することが懸念されている。南極氷床には海水準を60m上昇させるだけの氷が存在するが、これまで温暖化で融解するのはそのうちの1割を占める西南極だけだと考えられてきた。
 現在よりも気温が2℃高く、現在よりも海水準が6.6-9.4 m高かった、1つ前の間氷期(MIS5e; 135-116 ka)を対象にした大気-海洋-氷床モデルのシミュレーションから、偏西風の変化と亜寒帯循環の変化を介して南極周辺がより温暖化し、これまで考えられてきたよりも東南極氷床が融解していた可能性が示唆。
>話題の論文
Testing the sensitivity of the East Antarctic Ice Sheet to Southern Ocean dynamics: past changes and future implications <OPEN>
Christopher J. Fogwill, Christian S. M. Turney, Katrin J. Meissner, Nicholas R. Golledge, Paul Spence, Jason L. Roberts, Mathew H. England, Richard T. Jones And Lionel Carter

Count Consumers
消費者を数える
Ecol. Lett. 10.1111/ele.12233 (2013).
熱帯雨林生態系において無脊椎草食動物は生物地球化学的に重要な役割を負っている。ペルーの森林内の300 × 3,000 m四方について評価がなされ、栄養の循環にどれほど影響しているかが評価された。かなりの量の窒素とリンを土壌へと運んでいるらしい。気候変化に伴う森林炭素循環などの正確な予測にはこうした複雑なプロセスも取り入れる必要がある。

News of the Week
Planned Mine Would Put Salmon at Risk
計画されている鉱山は鮭を危機にさらすだろう
アラスカのBristol湾の沿岸湿地帯で計画されている金と銅鉱山の開発は世界最大のベニザケ産業を危機にさらす可能性が指摘されている。

European Comet-Chaser Emerges From Hibernation
ヨーロッパの隕石追跡者が冬眠から覚める
ESAのRosettaが957日間の眠りから覚め、いよいよ67P/Churyumov– Gerasimenko隕石を追跡し始めた。
>より詳細な記事(ScienceInsider)
Rosetta Awakes and Prepares to Chase Comet

‘Nobel of the Geosciences’ Goes to Mountain Man
'地球科学のノーベル賞'は山男に
スウェーデンの王立科学アカデミーは地球科学のノーベル賞とも言われる、クラフォード賞(約6,000万円の賞金)を70歳のPeter Molnarに与えた。ヒマラヤ地域のテクトニクス・山脈形成・気候への影響などの研究で知られる。

News Focus
Selling America's Fossil Record
アメリカの化石記録を売る
Heather Pringle
アメリカ国内の化石産業が成長しつつあることを受けて、古生物学者はアメリカの化石やそのデータが使い尽くされるのではないかと懸念している。

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Research
Perspectives
Climate Effects of Aerosol-Cloud Interactions
エアロゾル-雲の相互作用の気候影響
Daniel Rosenfeld, Steven Sherwood, Robert Wood, and Leo Donner
人工衛星による観測とモデルの発展を通して、「エアロゾルと雲の複雑な相互作用」と「その気候への影響」を紐解く必要がある。

Review
A Paleogenomic Perspective on Evolution and Gene Function: New Insights from Ancient DNA
進化と遺伝子機能に関する古遺伝学的観点:古代のDNAから得られる新たな知見
B. Shapiro and M. Hofreiter
ここ数年の技術の進歩によって、70万年前までの古代のゲノム情報が復元できるようになり、古DNA研究が再度活性化しつつある。しかしながらコストやゲノム情報の質など、障壁も多い。

Reports
Strong Ground Motion Prediction Using Virtual Earthquakes
バーチャル地震を用いた強い地面の動きの予測
M. A. Denolle, E. M. Dunham, G. A. Prieto, and G. C. Beroza
周辺の地震波ノイズ(ambient seismic noise)を用いることで将来の巨大地震に伴う地面の動きを予測する手助けとなるかもしれない。

Increased Dust Deposition in the Pacific Southern Ocean During Glacial Periods
氷期に南大洋の太平洋セクターで増加したダストの堆積量
F. Lamy, R. Gersonde, G. Winckler, O. Esper, A. Jaeschke, G. Kuhn, J. Ullermann, A. Martinez-Garcia, F. Lambert, and R. Kilian
 氷期-間氷期サイクルにおける全球の気候変動には南大洋のダストの沈積量が大きな役割を負っていたと考えられている(鉄による生物ポンプの刺激を通して大気-海洋でのCO2の分配が生じる)が、その時空間変動についてはまだ良く分かっていない。
 南大洋の太平洋セクターで得られた複数の堆積物コアからダストの量の変動を復元。氷期には間氷期の3倍ほどのダストが沈積していたと思われる。その主な供給源はオーストラリアとニュージーランドであると思われる。この結果は南極と南大洋の大西洋セクターから得られている結果とも整合的である(こちらはパタゴニアからのダスト供給が卓越)。

2014年1月25日土曜日

新着論文(Nature#7484)

Nature
Volume 505 Number 7484 pp453-580 (23 January 2014)

RESEARCH HIGHLIGHTS
Climate change spawns bigger waves
気候変化がより大きな波を生み出す
Geophys. Res. Lett. http://doi.org/q2c (2014)
将来の気候変化のモデルシミュレーション結果から風の変化を抽出した研究から、特に南半球で風が強化される結果、チリやBaja半島において10年に一度起きる高波の頻度が2〜3倍になることが示された。特に沿岸域では海水準上昇が高波の被害をさらに高めると予想されている。

Strong storms shift landwards
強い嵐が陸側にシフトする
Environ. Res. Lett. 9, 014008 (2014)
1977-2010年にかけて東アジア地域で得られた嵐の記録から、ここ数十年間の間に、嵐の活動がより陸側へとシフトしており、より強い嵐へと繋がっていることが分かった。ただし、北部(中国・韓国・日本)では強い嵐が有為に増加していることが分かったが、南部(ベトナム・台湾など)では有為な変化は確認されなかった。大気循環の変化によって西赤道太平洋の温暖化が嵐の発達する地域をより北西へと押し上げている可能性が指摘されている。

SEVEN DAYS
今回は省略

NEWS IN FOCUS
Polar drilling problems revealed
極の掘削の問題が明らかに
Quirin Schiermeier
南極の氷底湖Ellsworth湖を掘削する計画が直面する問題について。

Rock’s power to mop up carbon revisited
炭素を掃討する石の力が再検討された
Daniel Cressey
かんらん岩は風化を通して大気中のCO2を炭酸イオンに変換することが知られている。その化学反応を利用して気候変化を打ち消す目的で、大気中のCO2を減らす試み(地球工学)がなされている。しかしながら、まだ分からないことも多い。

Yellowstone grizzlies face losing protected status
イエローストーン・グリズリーが保護対象の地位を失いつつある
Lauren Morello
グリズリーが絶滅危惧種のリストから除外することを推奨するパネルに対して環境保護主義者たちが抗議している。

Sea drilling project launches
海洋掘削計画が始まる
Jane Qiu
国際深海掘削計画によって、世界の地質学的に重要な海の一つである南シナ海の謎が解き明かされようとしている。

COMMENT
Ecology: Protect the deep sea
生態系:深海を保護する
Edward B. Barbierらは商業によって脅かされている深海生態系を保護するためのガバナンスと基金の必要性を訴えている。

CORRESPONDENCE
Peer review: Payback time for referee refusal
Dan Graur

Land management: Resolving soil pollution in China
Ruishan Chen & Chao Ye

Land management: Weighing up reuse of Soviet croplands
Johannes Kamp

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RESEARCH
NEWS & VIEWS
Ecology: Good dirt with good friends
生態学:良い友人と良い土
Mark A. Bradford
Averill et al.の解説記事。
全球の森林を対象にしたデータの解析から、樹木の根に付く有益な真菌の種類によって、土壌中に蓄えられる炭素の量が決まることが明らかに。

Solar system: Evaporating asteroid
太陽系:小惑星を蒸発させる
Humberto Campins & Christine M. Comfort
Küppers et al.の解説記事。
セレスは水をふんだんに含むと考えられている。ハーシェル宇宙望遠鏡を用いた観測から、セレスの地表から水蒸気が漏れ出していることが分かった。

Climate science: A resolution of the Antarctic paradox
気候科学:南極のパラドクスの解決
John King
Li et al.の解説記事。
近年極域は極端で急速な環境変化を経験しているが、特に南極の冬期の海氷量がわずかに増加しつつあることが話題を呼んでいる。その原因が大西洋の熱帯域と北部地域の長期的な温暖化にある可能性が示唆された。

LETTERS
A millisecond pulsar in a stellar triple system
三重星系におけるミリ秒パルサー
S. M. Ransom et al.

Localized sources of water vapour on the dwarf planet (1) Ceres
準惑星(1)ケレス表面にある局在化した水蒸気発生源
Michael Küppers et al.
準惑星(1)ケレスの地表には含水鉱物が発見されており、この準惑星の内部はケイ酸塩のコアと氷のマントルに分化していると考えられている。ケレス周囲における水蒸気が初めて検出された。彗星と同様の「昇華」か、「氷火山」が原因かもしれない。
>Nature ハイライト
小惑星ケレス表面の水蒸気

Impacts of the north and tropical Atlantic Ocean on the Antarctic Peninsula and sea ice
北大西洋と赤道大西洋が南極半島と海氷に与える影響
Xichen Li, David M. Holland, Edwin P. Gerber & Changhyun Yoo
南極半島は世界で最も早い温暖化を経験している。その結果、南極周辺の海氷にも影響が生じているが、単に減少しているのではなく、その位置が再編されており、結果的にわずかに増加している。赤道太平洋の気候変動の影響は良く知られているが、大西洋の影響はこれまで評価されてこなかった。
 大西洋数十年規模振動(Atlantic Multidecadal Oscillation; AMO)の影響が海氷の分布の変化と南極半島の温暖化に寄与していることが観測とモデルから示された。
>Nature ハイライト
南極の気候に対する大西洋の影響

Mycorrhiza-mediated competition between plants and decomposers drives soil carbon storage
菌根が仲介する植物と分解者の間の競合が土壌炭素の保存を駆動する
Colin Averill, Benjamin L. Turner & Adrien C. Finzi
土壌中では、温度・降水・粘土量・一次生産量などよりも、菌根類生態系のタイプが炭素の保持力により強い影響を持っていることが明らかに。エリコイド型の方が、アーバスキュラー型に比べて単位窒素あたりの炭素量が70%多いことが示唆された。
>Nature ハイライト
土壌炭素量のカギを握る菌根菌

CORRIGENDUM
Corrigendum: Deglacial pulses of deep-ocean silicate into the subtropical North Atlantic Ocean
A. N. Meckler, D. M. Sigman, K. A. Gibson, R. François, A. Martínez-García, S. L. Jaccard, U. Röhl, L. C. Peterson, R. Tiedemann & G. H. Haug
堆積物コアの年代モデルに間違いがあった模様。結果には影響せず。

2014年1月20日月曜日

新着論文(Ncom, SR)

Nature Communications
8 January 2014
Anthropogenic radionuclides in atmospheric air over Switzerland during the last few decades
J. A. Corcho Alvarado, P. Steinmann, S. Estier, F. Bochud, M. Haldimann and P. Froidevaux
>Nature姉妹紙 ハイライト
核兵器実験に由来する放射性粒子が地表に近づく可能性

Submicron structures provide preferential spots for carbon and nitrogen sequestration in soils <OPEN>
Cordula Vogel, Carsten W. Mueller, Carmen Höschen, Franz Buegger, Katja Heister, Stefanie Schulz, Michael Schloter and Ingrid Kögel-Knabner

Persistent 400,000-year variability of Antarctic ice volume and the carbon cycle is revealed throughout the Plio-Pleistocene
B. de Boer, Lucas J. Lourens and Roderik S.W. van de Wal
3次元氷床モデルを用いて過去500万年間の南極氷床の挙動を復元したところ、(漸新世と中新世に確認されていた)堆積物コアのδ13Cから示唆されている離心率変動に伴う40万年周期が初めて更新世にも確認された。南極が過去3,500万年間の長期的な炭素循環を支配しており、150万年前にMPTが起きて以降、北半球氷床が支配する10万年周期が卓越する気候システムへと変化したことを示唆している。

15 January 2014
特になし

Scientific Reports
7 January 2014
特になし

14 January 2014
Artificial Weathering as a Function of CO2 Injection in Pahang Sandstone Malaysia: Investigation of Dissolution Rate in Surficial Condition
Madjid Jalilavi, Mansoor Zoveidavianpoor, Farshid Attarhamed, Radzuan Junin & Rahmat Mohsin
ケイ質鉱物に含まれるアルカリ元素・アルカリ土類元素をCO2と反応させ、炭酸塩とすることで大気へのCO2排出量を削減できることが期待されている。マレーシアのPahang砂岩に対して実験を行ったところ、確かに有為に反応が進行していることが示された。

500-year climate cycles stacking of recent centennial warming documented in an East Asian pollen record
Deke Xu, Houyuan Lu, Guoqiang Chu, Naiqin Wu, Caiming Shen, Can Wang & Limi Mao
北京の近くの火山でできたXiaolongwan湖(Marr)から採取された堆積物コアの花粉分析から、過去5.35kaの気温を復元したところ、およそ500年の変動周期が検出された。これはグリーンランド氷床の気温や太陽活動の変動周期とも一致することから、太陽の小さな強制力が気候に影響したものと思われる。将来は寒冷化のフェーズに入るため、人為的な気候の温暖化を打ち消す働きがある可能性がある。

Tsunami: Ocean dynamo generator
Hiroko Sugioka, Yozo Hamano, Kiyoshi Baba, Takafumi Kasaya, Noriko Tada & Daisuke Suetsugu
海水の流れは地磁気とは別の磁場を生じさせると考えられているが、検出が難しい。2010年チリ沖で生じた津波によって生じた磁場が太平洋中央部の海底に設置されていた装置によって捕らえられていた。現在津波の早期警報システムには海水準と海底の圧力変化が用いられているが、磁場変化もまた取り入れることでシステムが改善するかもしれない。

Long-term intensive management increased carbon occluded in phytolith (PhytOC) in bamboo forest soils
Zhang-ting Huang, Yong-fu Li, Pei-kun Jiang, Scott X. Chang, Zhao-liang Song, Juan Liu & Guo-mo Zhou

Meridional variability of atmospheric convection associated with the Indian Ocean Dipole Mode
Evan Weller & Wenju Cai

2014年1月17日金曜日

新着論文(Science#6168)

Science
VOL 343, ISSUE 6168, PAGES 221-344 (17 JANUARY 2014)

Editors' Choice
Domestication Duality
家畜化の二重性
Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 110, 20888 (2013)
 世界の氷で覆われた地域を除く3分の1が畜産業に利用されており、3分の1の地表水がそれに利用され、環境汚染・気候温暖化・肥満の一因となっている。一方で畜産業によって数十億もの人が養われ、農業の40%を担っている。
 世界の28の地域を対象にした包括的な評価から、草原が大きな資源を提供していること、飼料効率(feed efficiency)が生産性や温室効果ガス排出に大きく影響すること、混合作物-畜産システムの構築の重要性などが示された。

Lead in the Blood
血の中の鉛
Environ. Sci. Technol. 10.1021/es4039825 (2013).
鉛は神経毒として健康に影響すると考えられている。1970年中頃から2000年代初頭にかけて鉛を含んだガソリンの使用が禁止されたおかげで、環境中の鉛の濃度は著しく低下した。
 アメリカにおける空気中の鉛とヒトの血液中の鉛の濃度の調査から、鉛の排出源が1999年以降変化したことにより、大気中の鉛の粒子サイズが細かいものから荒いものへと変化し、それがさらにヒトの血液中の鉛濃度の良い指標になることが示された。また子供の方が大人よりもより敏感であることも分かった。

News of the Week
※今回は省略

News & Analysis
Ammonia Pollution From Farming May Exact Hefty Health Costs
農業からのアンモニア汚染は多大なる健康のコストを代償にしているかもしれない
Erik Stokstad
アメリカの農産物の輸出額が上昇するにつれ、アンモニア汚染の関心も高まりつつある。

Star-Crossing Planets Literally Strut Their Stuff
Yudhijit Bhattacharjee
系外惑星の質量を求めるための新手法が結実しつつある。

Letters
Biodiversity: Broaden the Search
生物多様性:探査の範囲を広げる
Axel Hochkirch

Biodiversity: Ecuador Deters Protection Efforts
生物多様性:エクアドルは保全努力を制止する
Karina Vega-Villa

Targeting Deforestation
森林破壊を非難の的にする
Braulio Dias

Urban Forests on the Front Line
最前線の都市森林
C. A. Nock, O. Taugourdeau, T. Work, C. Messier, and D. Kneeshaw

Urban Forests on the Front Line—Response
最前線の都市森林に対する返答
I. L. Boyd, P. H. Freer-Smith, C. A. Gilligan, and H. C. J. Godfray

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Research
Perspectives
Smells Like Queen Since the Cretaceous
白亜紀以来の女王の匂い
Michel Chapuisat
Van Oystaeyen et al.の解説記事。
女王フェロモン(queen pheromones)は過去1億5千万年間に渡って、アリ・ハチ類の働きアリ・働きバチの繁殖を抑え、女王の多産性を見せつけるのに役立ってきたらしい。

Many Paths to the Origin of Life
生命の起源の多くの道
Jimmy Gollihar, Matthew Levy, and Andrew D. Ellington
最初の自己生成するシステムへと至る、生物が登場する以前の化学反応は大量にある。

Reports
Nonenzymatic Sugar Production from Biomass Using Biomass-Derived γ-Valerolactone
バイオマスから抽出されたγ-バレロラクトンを用いて酵素を使用せずにバイオマスから糖を作る
Jeremy S. Luterbacher, Jacqueline M. Rand, David Martin Alonso, Jeehoon Han, J. Tyler Youngquist, Christos T. Maravelias, Brian F. Pfleger, and James A. Dumesic
バイオマスから抽出されたγ-バレロラクトンが低コストでセルロースを分解してバイオ燃料を生成する手段になるかもしれない。

Temporal Constraints on Hydrate-Controlled Methane Seepage off Svalbard
ハイドレートによって制御されるスバルバード沖のメタン漏出に対する時間的制約
C. Berndt, T. Feseker, T. Treude, S. Krastel, V. Liebetrau, H. Niemann, V. J. Bertics, I. Dumke, K. Dünnbier, B. Ferré, C. Graves, F. Gross, K. Hissmann, V. Hühnerbach, S. Krause, K. Lieser, J. Schauer, and L. Steinle
 スバルバード周辺の海底でメタンハイドレートが発見されて以降、底層水の温暖化がハイドレートの不安定化とメタンの大気への放出による温暖化の加速に繋がる可能性に対する関心が高まっている。
 潜水艇を用いた調査から、同地域では少なくとも3,000年間、メタン放出が継続しており、底層水の1-2℃の季節変動によって、季節によってハイドレートの形成・融解が起きていることが分かった。

Conserved Class of Queen Pheromones Stops Social Insect Workers from Reproducing
保存された女王の品格が社会性昆虫の働き者の繁殖を止めさせる
Annette Van Oystaeyen, Ricardo Caliari Oliveira, Luke Holman, Jelle S. van Zweden, Carmen Romero, Cintia A. Oi, Patrizia d'Ettorre, Mohammadreza Khalesi, Johan Billen, Felix Wäckers, Jocelyn G. Millar, and Tom Wenseleers
社会を構成する昆虫の女王は、白亜紀からあるフェロモンを用いて働き昆虫の繁殖を妨げてきたらしい。

2014年1月16日木曜日

新着論文(Nature#7483)

Nature
Volume 505 Number 7483 pp261-448 (16 January 2014)

About the cover
鳥類のV字編隊飛行
>Natureハイライト
Cover Story: 飛行計画:編隊飛行する鳥では、翼の羽ばたきの位相を正確に調節することが空気力学的利益を最大にする

EDITORIALS
Cool heads needed
頭を冷やすことが必要
世界を大寒波が襲っているが、気象と気候の違いはあまりに簡単に忘れがちである。
[以下は抜粋]
On some level, most people understand the difference between climate and weather. Climate is the context: the accumulation of temperatures and precipitation trends that vary depending on location and season. Weather is what we experience, and extremes are part of the package. 
ある程度、大半の人は気候と気象の違いを理解している。気候は文脈であり、場所や季節によって異なる気温や降水の傾向の蓄積である。気象は我々が日々経験するものであり、異常気象はその中の一部である。

Despite such assessments, however, people continually confound weather and climate in the heat — or cold — of the moment. Confusion seems unavoidable.
しかしながら、そうした客観的評価にも関わらず、人はつかの間の暑さや寒さの中で気象と気候の違いを繰り返し混同している。混乱はある意味避けがたいものかもしれない。

At first blush, the global-warming ‘hiatus’ runs counter to the warming projected by climate models…Ultimately, the hiatus has provided an opportunity to better understand both the climate system and climate models. One lesson is that the climate, like day-to-day weather, has its ups and downs. Another is that the average global temperature — although a useful indicator — is not the only measure of how the climate changes.
一見、地球温暖化の’ハイエタス(一時中断)’は気候モデルが予測する温暖化に相反するように思われる。(中略)究極的には、ハイエタスはよりよく気候システムと気候モデルを理解する機会を与えてくれる。一つの教訓は気候は日々の気象と同じく、上り下がりするということ。もう一つの教訓は平均的な地球の温度だけが(とても便利な指標だけれど)気候変化の計り方の唯一の手段ではないということである。

V is for vortex
Vは渦のため
とある絶滅危惧種の鳥が、何故渡り鳥がVの形をしたお馴染みの隊列で渡りをするのかを学ぶ助けとなる。

RESEARCH HIGHLIGHTS
Starfish eyes see the light
ヒトデの目は光を見ている
Proc. R. Soc. B 281, 20133011 (2014)
>ナショナルジオグラフィック ニュース
ヒトデの目は見えていた!

Trilobites ventured beyond the ocean
三葉虫は海を超えて冒険した
Geology http://doi.org/qnq (2013)
5億4千万年前のカンブリア爆発のころの干潟の堆積物から、当時三葉虫が水面から出て干潟を這いずり回っていた可能性を示唆する証拠が得られた。この発見は陸上生物が淡水ではなく、海水に棲む生物から進化したという説を裏付けている。

Past warmth drives glacial melting
過去の温かさが氷河の融解を招く
Cryosphere 8, 59–71 (2014)
これからの温暖化の程度に関わらず、今後数十年間は世界の氷河の融解は続くことが氷河モデルから示唆された。つまり20世紀に起きた気候変化が遅れを持って氷河に影響するということである。筆者らは、氷河の厚さが薄くなったり、後退したりすることによって、将来の温暖化に対しては鈍感になる可能性があると示唆している。

Marine bacteria shed tiny sacs
海洋バクテリアは小さな嚢を落とす
Science 343, 183–186 (2014)
海洋で最も豊富にいる光合成バクテリアは海の中で毎日自らの身体の一部を海へと落としており、その量は塵も積もって全球の炭素循環に影響するほどになっていることがProchlorococcusの室内飼育実験と大西洋における野外採取から示唆された。1日あたり104トン以上と推定されている。
>関連した記事(Science#6167 “Perspectives”)
Bacterial Vesicles in the Ocean
海の中のバクテリアの小包
David Scanlan
Biller et al.の解説記事。
植物プランクトンが放出する小包が海洋の炭素循環・ウイルスの防御・遺伝子輸送において重要な役割を負っている可能性がある。
>話題の論文
Bacterial Vesicles in Marine Ecosystems
海洋生態系におけるバクテリア小包
Steven J. Biller, Florence Schubotz, Sara E. Roggensack, Anne W. Thompson, Roger E. Summons, and Sallie W. Chisholm
海に豊富に棲息するシアノバクテリア(Prochlorococcus)は海洋炭素循環にも寄与するほどの小包膜(membrane vesicles)を海水に放出している。

Sea-level swings get more extreme
海水準のスイングがより極端に
Geophys. Res. Lett. http://doi. org/qtd (2014)
おそらく夏がより暑く、冬がより寒くなっている(季節差が大きくなっている)ことが原因で、メキシコ湾沿岸部における海水準の季節的な上下動が1990年代以降大きくなっていることが1900年以降の海水準の観測から示された。
>話題の論文
Rapid changes in the seasonal sea level cycle along the US Gulf coast from the late 20th century
Thomas Wahl, Francisco M. Calafat, Mark E. Luther

Landslide triggered earthquakes
地滑りが地震を誘発する
GSA Today 24, 4–9 (2014)
大地震が地滑りを誘発することは頻繁に起きているが、2013年4月にアメリカの銅鉱山で生じた地滑りの後には、逆に小規模の地震(M2.5)が誘発されていたことが明らかに。

SEVEN DAYS
※今回は省略

NEWS IN FOCUS
Comet craft ready to wake
隕石の宇宙船が起きようとしている
>関連した記事(Science#6166 “A Look Ahead for 2014”)
Rosetta Springs to Action
ロゼッタが行動を開始
Elizabeth Gibney
ヨーロッパ宇宙局が2004年に打ち上げたロゼッタはチュリュモフ・ゲラシメンコ隕石(Churyumov–Gerasimenko)に向けて太陽系を飛行している。8月から観測がスタートし、2015年中頃にはPhilaeと名付けられた地上探査機を送り込む予定。隕石は太陽系形成初期の記録を残していると思われ、水や生命のもととなった物質などの探査が行われる。

Researchers question rescued polar expedition
救出された極域の航海に対して研究者らが疑問を抱いている
Alexandra Witze
先日南極で救出劇を招いた研究航海に対して、オーストラリアの南極部門は承認していないと言っている。

Kepler clue to supernova puzzle
超新星爆発のパズルにケプラー宇宙望遠鏡がヒントを与える
Ron Cowen

FEATURES
Climate change: The case of the missing heat
気候変化:失われた熱の事件
Jeff Tollefson
謎めいた’地球温暖化のハイエタス’が16年目に突入し、科学者らは説明を求めて証拠をまとめている。

Astrophysics: The heart of darkness
天体物理学:暗さの中心
すべての巨大銀河の中心に存在する超巨大ブラックホールは謎に満ちている。しかし、天文学者らはついにその姿を明らかにしようとしている。

COMMENT
Development: Time to leave GDP behind
発展:GDPを忘れる時が来た
「国内総生産(GDP)は国家の成功を計る間違った手段であり、それぞれの国家は新たな判断基準を受け入れるべく行動すべきである。」とRobert Costanzaらは主張する。

CORRESPONDENCE
Polar rescue: science was not well served
極域の救出:科学はあまり役に立っていなかった
Nick Gales

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RESEARCH
NEWS & VIEWS
Earth science: River incision revisited
地球科学:河川下刻を再考する
Roman A. DiBiase
Finnegan et al.の解説記事。
河川による基盤岩浸食のデータをまとめた研究から、結果が観測の時間スケールに依存しており、段丘などの下刻地形が気候とテクトニクスの変化を忠実に記録しているかどうかに疑問が投げかけられている。

Bird flight: Fly with a little flap from your friends
鳥の飛行:仲間の羽ばたきに助けられながら飛ぶ
Florian T. Muijres & Michael H. Dickinson
Portugal et al.の解説記事。
V字の隊列を作って飛ぶホオアカトキ(bald ibises)の飛行の空中での観察から、この鳥は仲間との相対的な位置調節と羽ばたき動作の同調によって、エネルギーを節約しているという仮説に一致する飛行の仕方をしていることが明らかになった。

Astrophysics: Black hole found orbiting a fast rotator
天体物理学:高速回転する星を周回するブラックホール
M. Virginia McSwain
Casares et al.の解説記事。

LETTERS
A Be-type star with a black-hole companion
ブラックホール伴星を持つBe型星
J. Casares, I. Negueruela, M. Ribó, I. Ribas, J. M. Paredes, A. Herrero & S. Simón-Díaz
>Natureハイライト
Be型星に見つかったブラックホール伴星

A signature of transience in bedrock river incision rates over timescales of 104–107 years
104–107 年の時間スケールでの基盤岩に対する河川の下刻速度の移ろいやすい特徴
Noah J. Finnegan, Rina Schumer & Seth Finnegan
これまで河川が基盤岩を下刻する速度は岩盤の隆起や浸食に対する気候フォーシングの強度を反映していると考えられてきた。しかしながら、14地点の155個の測定結果からは、下刻速度は測定間隔(measurement interval)に依存していることが示されている。
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河川下刻についての事実と仮定

Amazon River carbon dioxide outgassing fuelled by wetlands
湿地によって促進されるアマゾン川の二酸化炭素排出
Gwenaël Abril, Jean-Michel Martinez, L. Felipe Artigas, Patricia Moreira-Turcq, Marc F. Benedetti, Luciana Vidal, Tarik Meziane, Jung-Hyun Kim, Marcelo C. Bernardes, Nicolas Savoye, Jonathan Deborde, Edivaldo Lima Souza, Patrick Albéric, Marcelo F. Landim de Souza & Fabio Roland
 河川から放出される二酸化炭素の量は従来考えられてきたよりも多く、陸域の生態系が固定する炭素量に匹敵する可能性が示唆されている。世界の浸水地の4分の3は一時的な湿地からなるが、そのCO2排出全体に占める寄与はよく分かっていない。
 アマゾン川における観測から、中部の氾濫原では、湿地が大量のCO2を河川水へ’供給’し、その炭素が大気へと移るまでに数10-100km輸送される可能性があることが示唆。この結果は陸水からのCO2放出のかなりの部分を一時的な氾濫源が担っている可能性を示しており、全球の炭素収支を考える上で、一時的な浸水域や植生のある浸水域をより考慮すべきことを示している。
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アマゾン湿地帯は気体二酸化炭素の放出源である

Upwash exploitation and downwash avoidance by flap phasing in ibis formation flight
トキの編隊飛行における、羽ばたきの同調による上昇気流の利用と下降気流の回避
Steven J. Portugal, Tatjana Y. Hubel, Johannes Fritz, Stefanie Heese, Daniela Trobe, Bernhard Voelkl, Stephen Hailes, Alan M. Wilson & James R. Usherwood